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(二)-6
だから、完璧にしてその日を迎えようと意気込んでいた,。それなのに準備の段階で躓くとは入谷は万が一にも思っていなかったのだ。
幾度となくビジネスの厳しさを思い知り、そのたびに言葉使いが少しづつお姉ェ言葉になってきた。酸いも甘いも経験してきたからゆえ、普段はなるべく他人に対して寛容でありたいと考えていた入谷ではあったが、今回の事業への思い入れの強さの反動からか、輝彦に対する言葉の語気が強くなるのを押さえることできなかった。
それに対し、輝彦は、ひたすら頭を下げることしかできなかった。
(続く)