PART1(3)
帰る途中でフウが俺に夜桜のことを聞いてきた。
「ツバメはあの転校生のことどう思うの?」
「うーん。確かに可愛いとは思うけど、なんかなぁ・・・。」
「そうなんだ。よかったー。」
「は?なんで?」
「たぶん私の思い違いかもしれないかもしれないけど見たことあるような・・・。」
「フウもかー。俺もなんか見たことがあるような気がして。」
「えっ!?ツバメも?」
「ああ。で、記憶を手繰ろうとするけどなぜか思い出せないんだよね・・・。」
「私も・・・。」
しばらく、そのことで考えていた。
いくら、考えても答えは出てこなかった。
「はぁ〜。」
「どうしたの?そんな深いため息吐いて。」
「ちょっとな・・・。」
「そうだ!ちょっとコンビニ行こうよ!」
「あ?なんで?」
「いいから、ほら、はやく〜。」
「ちょ、まてよ!」
コンビニには学校から徒歩3分でつくのであんがい便利だ。
だけど、もうダッシュしたから2分くらいで着いたけど。
「いらっしゃいませ〜。」
「てかさ、何でいきなりコンビニなの?」
「いいじゃん。私が行きたかったんだから・・・。」
「そうかぁ?まぁいいや。ちょうど欲しいものあったし。」
「うん。ちょうど私のど乾いてたんだよねー。」
コンビニで買物をした後普段の帰路についた。
少しは気分が紛れたがまだ、少しもやもやが残っていた・・・。
あの転校生は一体どこから来たんだ?
元いた場所を一言も言ってないじゃないか・・・。
「ツ〜バ〜メ〜!」
「うっわ、つめた!!」
いきなりフウがアイスを首筋につけてきた。
「やったなフウ!」
「ふふっ。悔しかったら追いついてみろ!」
「追いついてやるよ・・・。」
俺は基本運動神経はいい方なのでフウなんてすぐ追いつける。
案の定ものの三十秒で追いついた。
「あーあ・・・。追いつかれちゃった・・・。」
「つかれたわ!フウお前足速くなったな。」
「鍛えてるからね!」
なぜ、自慢げに言う・・・。
「そろそろ、家に着くな・・・。」
「そだね。また明日ねー!」
「つうか、テンションたけーな・・・。またな。」
おれは、家に着いた途端ヤラシイ顔をしている大地にあった。
一瞬変態かとおもった。
「兄貴、葉月さんと帰ってたろ〜。」
「なんで、しってんだ?」
「兄貴と葉月さんのラブラブの声が聞こえてたからね。」
「そうか。ってか、別にラブラブじゃねえよ。」
「・・・。葉月さんがかわいそうだ。」
「??、なんかいった??」
「いや・・・。なんにも・・・。」
「変な奴・・・。」
「ところでさ、今日俺が言っていた閃き当然聞いてくれるよな?」
「どんな、閃きだったっけ???」
一瞬嫌な予感がした・・・。
「それは・・・、新しい部活を始めることでーす!当然兄貴には部活やめてもらうけどね。」
「やっぱりな・・・。俺にいいこと一つもないじゃないか・・・。」
「まぁまぁ、兄貴が卒業するまでだからさ。」
「はぁ・・・。もうお前寝ろ。」
「いやだよ、だってまだ明るいもん。まぁ、兄貴が入るかどうかは兄貴次第だからね。決めるための猶予は明日の朝!ということでよろしく!」
そう言うと大地は自分の部屋に帰っていった。
その後、夜までは何もなかった。
今日は、落ち付いて寝れそうだな・・・。
気が付くと暗闇の中へ、意識は堕ちていた・・・。