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異世界人任せ転世紀~詐欺師の目指す異世界最強(嘘)~  作者: オーバーキール
幼少期と白秋
1/3

プロローグ0

はじめに言っておこう。

この話、プロローグが長い。でも俺の転生前の話だ。結構大事になってくる。


え?何か惹きつけるようなどでかいネタを出しておけ?なら言ってやろう。

俺が前世あったなかで、俺を異世界に突き落とした犯人がいる、ってことだ。




     #####


「なぁ廉、今日俺ん家でゲームしようぜ。新しいやつ買ったんだ」


声をかけられて我に返る。声をかけてきたのは隣の席、のさらに後ろに座った稲葉龍樹(いなばたつき)である。短く刈り上げられた煤色の髪と褐色の目は後輩女子から熱狂的な人気を博している。要するにモテるのだ。自覚が無いのが憎らしい。まぁ、自覚が無いからこそ友達なのかもしれない。

「悪い、今日面会日なんだ」

俺は残念そうに断る。いや、本当に残念なんだ。今日が()()()でなければ間違いなく遊びに行く。俺の言葉を聞いて、龍樹は少し気まずそうに肩を竦めた。

「そ、そうか。今日面会か、なんか…悪い」

「いや、いいって。気にすん」

「気にした方がいいよ、稲葉。あんたデリカシーなさすぎ」

突然の第三者の介入に俺たち2人は発信源を見つめる。声を出した張本人、七瀬伊月(ななせいつき)は暗い茶髪を払いながら、黒曜石のような黒い目で龍樹を睨みつける。睨まれた張本人は苦笑しながら俺(というか伊月)に謝った。

「あぁ、本当に悪かった。不躾だったな。」

伊月は、鼻を膨らませて、俺の隣の席に(龍樹の前の席だ)ドカッと座りこむ。

闘牛のごとく鼻息を荒げている伊月を落ち着かせるため、話の方向転換を図る。

「てかお前、何でまだここにいんだよ。俺らの話を盗み聞きしたいわけじゃないだろ。あっ、龍樹に惚れてんのか。後輩100人と競いたいん」

「っ、違うに決まってんじゃん!えっ、エリちゃんと一緒に帰るだけだから。ねっ、エリちゃん」

伊月はやけに早口にそう言い、俺の後ろの席の教科書の山に話しかけた。そこでは伊月を線対称にひっくり返したような少女が…睡魔に敗北していた。伊月が軽く机を叩く。軽くとは言えない乾いた発砲音が響く。教科書はビクンと震え、中から陽が沈んだ直後のような藍色の髪が覗く。

「んんっ…呼んだ?って、わわわわわわっ!?」

盛大な音を立てながら教科書の山が崩れ落ちていく。頂点に君臨していたペンケースも中身をぶち撒けながら落下していく。豪勢にドジをしでかした彼女はエリー・マイヤーズという、今年の春アメリカのシカゴから来た留学生だ。顔や体格といい、日本人離れした容姿だが、ハーフなので日本語はペラペラだ。伊月は親近感を持つためだか、「エリ」と呼んでいる。おたおたするエリーに龍樹が

「アメリカに教科書はないのか?」

とツッコむ。エリーは黄金色の目で教室の外へ大冒険を繰り広げる消しゴムを追いかけながら答えた。

「無いわけではないんですけど、あっちでは教科書はrentalする感じで」

なんだ、今の。今謎ネイティブ発音が紛れたような…空耳か。いや、あたりの異常な沈黙を察するに…空耳ではなさそうだ。俺は沈黙がとんでもなく苦手だ。よって、とにかく話題を作る。

「あーあ、原が減ったなあ。家でうまい飯が食いたいよ」

待っていたといわんばかりに龍樹が話に乗ってくる。

「そうか、じゃ俺明日お前んち夕食のために行ってやるよ」

「えっ、お前が?何作ってくれても大歓迎だぜ」

「ああ、いや、俺はただ食いに行く為だけに行く!」

「しょうがない明日は人肉鍋にしよう」

「お、おいその肉はどこ産の何を使うん」

「じ、じゃあ明日は廉の家にわ、わ、私がご、ご飯作りにいってあげてもい、いいよっ!」

また割って入りやがったぞ、この女。どんだけ龍樹が好きなんだか。まあ、二人が付き合うことに異議はない。遠慮なく中指を突き立てられる。ここは恋愛成就に一役買ってやろう。

「あ、マジ?助かるわー。お前の飯は濃厚で旨いからなあー」

「えっ、そうかなあ、だったらいいんだけど」

若干頰が赤くなりながらいきなり高圧的態度が消し飛ぶ伊月。人間怖え。

「ま、そんなに私の料理が好きなら文句もいわな」

「文句なんてあるわけないだろ、食った後三割の確率で腹をこわす事以外は」

「殺すぞお前」

いつも通りの何気ない会話が流れていく。このまま変わらないであってほしいと心の何処かが願う。

でも、続けられない。この空気を変えなくてはいけない。俺は自然な口調でこの場を離れようとした。

「じゃあ、俺、そろそろ行くよ」

その一言が和む場にヒビを入れる。ぎこちない空気があたりを満たす。

「お、おう、じゃあな」

「私たちのこと、その、よろしく言っておいて」

ぎこちなくなる二人にのそばで、何も知らないエリーが口を開く。

「レン、消しゴムを拾ってくれませんか?」

無邪気な一言に全員の表情が緩む。俺は笑って消しゴムを手渡し、廊下のおぞましい数のファンを押しのけ、学校を出る。行先は、今の兄が住む家、刑務所だ。










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