↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生勇姫  作者: 万十朗
PR
90/96

さまよう影の正体は?・4

「おいなんだあれめっちゃお前のこと呼んでるぞ」

「わ、わからん……というか本能的に近寄りたくない」


 何かを探すように手を動かし這い回る、シーツを被ったような白い影。

 思い当たるのは、やっぱりあの魔王命のダークマージなんだが……というか、前回の幽霊騒ぎの時にそうやって頭からシーツを被って登場した彼の生まれ変わりの王子様がいたような。


 けれども目の前の“それ”が生身の人間じゃないことだけは、俺たちにもハッキリとわかっていた。


「よく見れば足どころか下半身がないな……」

「ファイが見たら卒倒するくらいにはハッキリとお化けだな……」


 どうしたものか、様子を見ていた俺たちだったが……


『ああ、魔王様、いずこに……?』


 ふいに影が言葉を発し、俺たちはさらにその先を見守る。


(我の忠実な部下、なのか……?)


 こんな姿の者はいなかったし、ゴースト系の魔物とも少し違う。

 あーでもないこーでもないとマオルーグが記憶を手繰り寄せていると、


『魔王様のニオイは確かにここからするはずなのに……! ああ魔王様……クンカクンカスーハー! ンッフゥー確かにここだ……!』

「ひっ……ひとの部屋の前を嗅ぎ回るな! 深呼吸するな!」


 いや、うん、反射で言いたくもなるわなこれ。


『ど、どなたですか貴方は……私が見えるのですか!?』

「むっ、しまった……関わってしまった」

「仕方ないなマオたん」


 全力で反応されたら気づかれない訳がなく、影に問いかけられる。


「貴様こそ誰だ?」

『人間に答えるような名は……いえ、貴方は……』

「む?」

『このかぐわしくも高貴なる魔王様スメル! もしや貴方は魔王様ァ!?』

「や、やめろその言い方! 我が臭うみたいではないか!」


 うん、すっごく匂いそう。なんだよ魔王スメルって。

 そう思いながら俺はちょいちょいと手招きをしてマオルーグに小声で話しかけた。


「マオたん、マオたん」

「なんだ」

「ここは話を合わせてみたらどうだ? 満足して帰ってくれるかもよ」

「……逆に棲み着かれる可能性もあるがな」


 そこはまあ……否定しないけど。


「否定しろ貴様ァ!」

「口に出さなかったのになんでバレたし!」


 とかなんとかちょっとした漫才を繰り広げていたら、魔王命の白い影からじとりとした視線らしきものを感じた。


『魔王様と共にいるそちらの娘……』

「へ、俺?」

『貴方、嫌なニオイがしますね……』

「!」


 じりじりと後ずさる影。

 やめろそのマオたんより臭そうな反応!

 マオたんが魔王スメルならさしずめ俺は……


『全身から漂う、隠しきれないおっさんスメルが!』

「そこは勇者じゃないのかよ!」


 後ろでマオルーグが腹を抱えて大笑いしている。


 うん、後でしばくわコイツ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。