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転生勇姫  作者: 万十朗
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さまよう影の正体は?・2

「むうう……我はここにいるのに我の亡霊とはどういう事なのだ」


 場所は移って俺の部屋。

 ホーリスが帰ってしばらくしても、マオルーグの顔はずっと『解せぬ』といった感じで眉間に深い溝ができていた。

 わぁ怖い怖い。やめろよ無闇に迫力増すの。


「というか出るなら我の居城に出るのが正しいのでは?」

「このリンネは勇者……前世の俺の生家があった村が発展してできた国だし、あながち無縁とも言い切れないような」

「いや知らぬわ貴様の生まれた場所など! 我は貴様が旅立ってしばらくしてから勇者の存在を知ったのだぞ!?」

「あー、それもそうか」


 たまたま聖剣を抜いた時に『勇者』になったから、目覚める前に村を襲っちまおうとかそういう展開にはならなかったんだっけ。


「なんにせよ城内をうろつく我の偽物がいる、ということか……」

「幽霊にしろ人間にしろ超見てえ」

「人間だったらこの城の警備に問題ありまくりだがな」


 うん、そうなんだよな。

 だからこそ正体を突き止めてやりたいんだが、いかんせん今の俺は前世と違ってまだまだか弱い乙女。

 鍛錬は欠かしていないし、スカルグに貰った剣もあるけど、守られる側だというのは自分でもよくわかっている。

 姫という立場もあって、護衛は欠かせないだろう。


「護衛がマオたん一人かぁ……」

「いっそ貴様はおとなしく部屋で寝ているという選択肢もあるが?」

「う、うそうそ、頼もしいでーす!」


 他に護衛になりそうなスカルグに関してはマオルーグが「時間外くらい休ませないといつまでも仕事をするぞあの仕事中毒は」って拒否るし、ファイは前世からのお化け嫌い……というか、怖いの無理。

 ガチで怖がってる奴が他にいると、不思議と冷静になれるもんだなあ……前世での相棒だったファイは、そのことを俺に充分すぎるほどよく教えてくれた。


「ファイが知ったら真っ青な顔で震えながら同行しようとしただろうな……」

「見上げた忠誠心と責任感だが確実に役に立たんだろうな」


 だから今回は俺とマオルーグの二人だけ、という訳だ。


「まあ護衛と言ってもいつもの城内だし、生身の不審者とかじゃなきゃ大丈夫だろ」

「そもそも目撃された亡霊とやらも勘違いの可能性もあるがな」

「ホントはそれが一番ではあるけどなー」


 そうなると調査のやめどころも難しそうだが、何もないのが本来は一番。

 と、マオルーグがふと何か思い至ったように口を開く。


「……『正体見たり枯れ尾花』……か」

「なに?」

「東国の言葉でな。幽霊だと思って恐る恐る見てみたらその正体は風に揺れる草花だったとか……確かそういう話だ」

「へええ」


 怖い怖いと怯えてかかったら実際はなんてことないものだった、と。

 ありもしないものを恐れて幻を見ちまった可能性は充分あるんだよな。


「さすが、旅してただけあって物知りだなあ」

「……ッ!」

「ってうわすげえ顔! 褒めたのに怒るなよう!」


 何故か真っ赤な、ものすんごく険しく迫力三割増しな顔で睨まれる理不尽。

 だから無闇に怖い顔すんのやめろって!

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