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転生勇姫  作者: 万十朗
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ふしぎなくすり騒動記・1

 今日も平和なリンネの国にはまったりとした時間が流れる。

 昼間のぽかぽか陽気に勉強中の俺、ユーシアにも思わず睡魔さんのお誘いが……


「ひ、姫様ー!」


 おい、まったりだっつってんじゃねえか!


 穏やか空気をブチ壊してドタバタと駆け込んできたのは、白藍の髪に肌も真っ白な痩身……普段それこそ穏やかで物静かなスカルグだった。


「なんだよ今寝るとこ……ん?」


 よく見ればスカルグの傍にはべったりとくっつく、まだ学童にもならないくらいの小さな子供が。


「スカルグ、その子は?」

挿絵(By みてみん)

 スカルグに子供がいたなんて話は聞いたことはないが、何故だかその子には見覚えがあるような、ないような……?


……いや待て、葡萄色の髪に児童にしては鋭すぎる紅の目……どっかで見たぞこいつ。


「なーんかマオルーグに似てるような……なんてな?」


 年齢差的に有り得なくもないし、もしかして隠し子とかだったりなんかしちゃったりして?


「……いえ、似ていると言うよりもこの方は」

「マオルーグさん本人ですよ、ユーシア姫」


 スカルグの後ろからひょっこりと顔を出した穏やか美人、マージェス王子。


「い、いろいろおかしくありませんこと……?」

「うっかり魔法薬の実験に巻き込んでしまいまして、こんな可愛らしい姿に」


 くそう、てへぺろをしても許される顔の造形しおって!

 犯人はあっさりと自白をすると「一日程度で元に戻るはずですから」と言い残し、風のように去っていった。


「正確には私に試そうとしたみたいなのですが、危険を察知したマオルーグ殿が咄嗟に私を庇って……」


 縮んでしまったマオルーグに申し訳なさそうな目を向けながら、補足の説明を入れるスカルグ。

 うーむ、前世で敵視していたとは聞いてたけどダークマージもといマージェス王子はスカルグのこと妙に構うよなあ……


「いろいろ言いたいことはあるが、災難だったな……」

「うう……」


 んで、このちびっこをどうするかだ。

 ちびルーグは話の流れがわからず、俺達の顔を交互に見上げている。

 とりあえずどのくらいお子様化してるのか調べてみるか、と俺はちびルーグの目線にあわせて屈む。


「えーと、マ……僕、おなまえ言えるかな?」

「ふん、とーぜんだぞ!」


 お、どうやら記憶も意識も当時のものっぽい?


「我が名はマオルーグ・コンセット。我は偉大なる魔王ぞ!」

「あっ……」


 あいたたたたたたマオたーーーーん!


「自分を魔王の生まれ変わりと信じてしまっているようで、何を聞いてもこのように……」

「信じてるも何も……!」


 本人ですから、とは言えず俺は頭を抱えるのだった。

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