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終末の時計 Armageddon Clock  作者: 著:水無月龍那/千歳ちゃんねる 原作・GM:烏山しおん
4:Riptide Laboratory
126/202

SCENE2 - 3

 みあがドアを開けると、そこには物が乱雑に積まれた空間が広がっていた。


「ここは……ただの倉庫みたいね」

 何かあるかしら、と電気をつけて荷物を少しどかしてみたり、箱を開けてみたりする。

 大体は何に使うか分からない機械が殆どだったが、その中に衣服のような物が詰め込まれた箱を見つけた。

 取り出してみると薄手のコートのようだが、内側に固い物が仕込んである。

 軽く叩いてみると、こんこんと固い音がした。

「何かしら。衝撃吸収材……? これ着ておけば少しは何かの役に立つかしら……」

 でも、と広げたコートに眉を寄せる。

「サイズが大きいわね……」

 ショート丈とはいえ、大人用のコート。丈は合っても袖が長すぎた。

 もっと小さいのないかしら、と箱の奥を探る。


 いくつか取り出しては畳んでいくうちに、それなりに小さいサイズを見つけた。

「あ。これなら袖を少しどうにかすればいけるかしら」

 袖を通して確かめてみる。ぶかぶかではあるものの、袖を少し折ればなんとかなりそうなサイズだったことを確かめ、満足げに頷く。

「何かの役に立つかもしれないし、これは持っていきましょう」

 とはいえを着て歩くのはなんだか暑苦しい。一旦脱いで、袖を肩にかけて結んでみる。

「これならまあ……いいでしょう」


 それ以外に何もない事を確認して廊下に出ると、ワンテンポ遅れて向かいのドアが開いた。

「お。みあ」

「あら司。何か見つかった?」

「ん。まあまあかな。そっちは……そのコートか」

「そ。司も何か探してみる?」

 そっちの部屋には武器もあったわよ、と隣のドアを指す。

「マジで。見てみる見てみる」

 司は迷う事なくみあの示したドアを開け、入っていく。


 みあもその後ろからついていくと、司はあれこれと物色を初めていた。

 動物が支配する島だからか、持ち運びに便利なナイフや、中距離、遠距離に適した火器が多い。みあには使いどころがなくてさっさと出て行った部屋だった。


「お」

 司が声を上げて何かをがしゃりと取り上げた。

「何か見つかった?」

「うん」

 その声はいつもより少し機嫌が良さそうだ。

「なにそれ……ライフル?」

「似たようなもんかな。ちなみにこれはグレネード」

 しかもスイス製だ、とどこか嬉しそうに呟く。

「ふうん……」


 いくつか異なる武器が並んでいるが、みあにはどれがなんだかよく分からない。

 だが、いつにない司のそわそわした空気から、何か良いものなのだろう、という事だけは分かった。


「良いもの見つかった?」

「うん」

 とりあえずこれだけ持っていってみる、と彼は先程見ていた物を肩に担ぎ、それに使うらしい弾をいくつか鞄に詰め込んでいた。

「しっかしこれだけ火器があるのは……やっぱり色々あるんだろうな」

 ぐるりと部屋を見渡して、司がぽつりと言う。

「そうね。何に使う可能性があったのかは……もう分からないけどね」

「だな」

 よし、そろそろ出るか。と司が鞄を軽く叩いて立ち上がる。


「他の二人はどうしてるかしらね」

「さあ。様子見に行ってみるか」

 そうね、と二人で頷いて、その部屋を後にした。

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