一話
よろしくお願いします。
僕と紅茶の物語。 一話
【あらすじ】
僕は、小さい頃から紅茶が好きで、こうやって大人になっても紅茶を飲み続けている。たまあに、新しい紅茶を買うけど、僕は今ある紅茶だけで十分だ。
しかし、今日アールグレイを飲もうとしたらこの前、紅茶でスイーツを作る時に使ったら、すっかりなくなっていた。僕はため息をつき、いつも行ってる紅茶専門のお店へ向かった。
【1章 アールグレイちゃんの行方】アールグレイ編
私はこの店にずっといる。
誰も買ってくれない。
私は孤独の中にいる売り物。
アールグレイは人気があるのに、なぜかみんな私を選んでくれない。そう、私は棚の一番奥の方にいて影がうすい紅茶なの。いつも、怖くて震えながら暮らしている。前にいる紅茶たちは買ってくれる人を待ちながら、話している。私のことなんか無視をして。
私は何も喋らずに賞味期限と言うなの命が短くなっていくことに怯えていたのだ。
そんなことを、ずっと考えると綺麗なお姉さんがアールグレイが売っているところまで顔を近づけ、買おうか迷っていた。
私は、まだ希望があると少し明るい顔をして手を差し伸べていた。しかし、人間は私たちのことをただの紅茶の缶にしか見えないから、手や顔は残念ながら見えないのだ。
結局、綺麗なお姉さんは前にあるアールグレイを手に取り、会計に向かった。
~2時間後~
『カランカラン』
ドアのベルが鳴り、茶髪の背が高い、優しそうな男の人が入ってきた。
「いや〜、お兄さん久しぶりだなぁ」
ここの店長の小太りしたおじいさんが言うと、
「そうですね。僕、基本紅茶がなくなったら買いに来るのでね」
と、お兄さんは言った。
「今日は、何を買いに来たんだい?」
「アールグレイです」
「なら、新しく入荷したのがあるぞ」
と言い、よっこいせと立つと、
「あっ!あっ!!大丈夫です!…自分で選びたいです」
と、店長さんを止め、アールグレイがあるところまできて、
「僕、いつも紅茶を買うときは、奥の方から取るんですよね」
お兄さんは微笑みながら、私の方を見ている。
!!っ。私は、何かドキッとするようなものを感じ、お兄さんのことをまじまじ見た。まるで、初恋をした女の子のように。
お兄さんは、私のことをスッと手に待ち、会計へ向かった。
会計が終わり、紙袋の中に入っている私は、とてもドキドキしていた。たまあに、紙袋からひょこっと顔を出し、外を見たりしていた。
「寂しかったよね」
お兄さんが言うと、私のことをなでなでした。私は顔を赤くしてコクリと頷いた。
「僕、なぜか君たちが擬人化してるように見えるんだ。変な目をしてるのかわからないけどね。前から君のこと見てて、次買うときはこの子に決めようとしてたんだよ」
ふふッと笑ったお兄さんはまるで神様のようで、手の温もりが私を癒してくれたのだった。
家に着くと、私を見ながら絵を描いてくれて、
「君、こんな姿してるよね?」
と言った。私は、自分そっくりな絵を見て、恥ずかしながらコクリと頷いた。
「やっぱ、僕は変な目をしているなぁ」
あははと笑って言ったのだった。
「ここには、いろんな紅茶達がいるから仲良くするんだよ。みんなも仲良くしてあげてね」
お兄さんは私を紅茶達がいる箱の中に置いた。
私は、周りを振り向きながらに見ると、いろんな紅茶達が本当にいて、仲良くできるか不安になりながらも「よろしくおねがいします」と小声で言った。
「そんなに、緊張しなくていいわよ」
と、青いドレスを着て、茶髪のショートカットのお姉さんに言われた。
他のみんなも優しく接してくれて私はホッと安心した。
【そんな、僕の個性的な紅茶達が繰り広げていく物語が始まっていくのだった。】
~続く~
アールグレイの香りはとても好きです。