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ヘイサクウカン  作者: シキジ
ヘイサクウカン 6章
34/37

9話:その話は彼らを解決に導いた。

前回のあらすじ


前回のゲームのおおよそのあらすじが見えたシュウキたちは、最後に、このゲームの真相を推理する。



証拠4,《直前の記憶の喪失》と、証拠13,《記憶喪失の量》を使用。


シュウキ「俺達はここに来る前の記憶を数ヶ月間失ってる…ということが本当なのかを確かめよう。」


トオ「たしか…この話ってヒカリさんがここに来る前にはお兄さんが居たからそういう話になってたけど…。」


ヒカリ「…わたしとお兄ちゃんは同じゲームの参加者ってことが分かったから、数ヶ月間って訳じゃなくて、本当にここに来た瞬間の記憶が無いってことだね。」


シュウキ「恐らくな。そして、それと関係すると思うのが…DVDだ。」


ランコ「確かに…関係はありそうですが、あれは私たちの記憶なのでしょうか?それにしては私たちの姿が無かったですが…。」


シュウキ「…確かにそうなんだ。しかし、あの塗りつぶされた人がどうしても気になる。」


と、俺はあることを思い付く。


シュウキ「…全員、記憶がなくなる直前の《外の状況》を教えてくれ。」


トオ「外の…状況?」


シュウキ「ああ。少しでも何かの取っ掛かりを見つけたいんだ。例えば…俺は晴れた日の朝だ。それ以降の記憶がない。」


ヒカリ「私は…雨が続いてたかな。そのうちの1日の夜だったよ。」


ランコ「私は晴れた夜です。」


トオ「僕は…《雪が降っていた夜》だったよ。」


ヒカリ「…えっ!?雪!?」


トオ「うん。出身は高知県だけど、色々あって秋田県に行ってたんだ。」


ヒカリ「だって、北海道でさえ雪が降って無かったんだよ!?」


ランコ「そもそも、私の認識だとおよそ8月だったはずでしたが…。」


シュウキ「8月…?4月じゃないのか?」


トオ「いや、12月だったはずじゃ…?」


ヒカリ「いや、6月だよ!?」


シュウキ(全員…違う?)


ランコ「まさか拐われた時期もこんなに差が?」


シュウキ「…もしかして、《12人》という数は…。」


ユウヤ「…《月の数》だ。」


シュウキ「どういうことだ?」


ユウヤ「惜しいところまで行ったら教えてやる。」


ヒカリ「じ、じゃあ、頑張って惜しいところまで行こう!何か他の話題は…?」


トオ「…じゃあ、記憶がなくなる直前にあったニュースは?」


ランコ「それは…50人を殺した連続殺人鬼が捕まったということです!」


トオ「あっ!僕もそれ!」


ヒカリ「えっ?わたしは《過去最大の超大型台風接近》だよ?」


ランコ「ヒカリさん、それは去年では?」


ヒカリ「嘘!?…いや、今年だよ!」


シュウキ「…《なんだ?それ》。」


ランコ「え?」


シュウキ「いや、ここ最近、台風なんて聞いたことが無いし、そんな連続殺人鬼も知らない。」


トオ「…本当に?」


シュウキ「なぜなら、俺には小学校卒業後以降の記憶がないからな。…それより、ランコさんとトオは、ヒカリのニュースを去年と言ったな?」


トオ「うん。実際、東北の辺りを台風が通過して、被害は甚大だったらしいし。」


シュウキ(ヒカリは前回のゲームの参加者だ。…ということは。)


シュウキ「…ゲームマスター。もしかして、このゲームは1年ごとに行ってるのか?」


ユウヤ「…ああ。1年ごとだ。」


シュウキ「じゃあ、前回のゲームの参加者で、今でいう俺やヒカリのような、裏切り者は、《その間の1年間の記憶はどうなる》?」


ユウヤ「まあ、簡単に言えば、《空白》だ。」


ヒカリ「…え?」


ユウヤ「ただ1年間、勉強も何もできず…という記憶になる。」


シュウキ「…じゃあ、俺だけこんなに記憶が抜けてるのは…《ゲームで裏切り者に成り続けたから》…?」


ユウヤ「ははっ!気づいたか!」


ヒカリ「…シュウキ…くん?」


トオ「シュウキくんが…?」


シュウキ「…だが!俺が…例え、《小学6年生》でここに来ても、ここまで生き残れない!幼少の俺に、そんな知恵があるはずない!」


ユウヤ「いや、お前にはあった。他の子供にはない何かが…!小さいときは絵本じゃなく、推理小説を。人を信じるところからでは無く、疑うことから。お父さんとお母さんは言ってなかったけど、飛び級も十分あり得るほどの学力。…先天的な天才なんだよ。シュウキは。」


シュウキ「…じゃあ、俺は…ここに来る前から…手は汚れていた…?」


ランコ「…。」


ヒカリ「…そん…な。シュウキくんがすでに…人を?」


ユウヤ「…シュウキ。この言葉で推理しろ。《今まで、1人で裏切り者というケースは無かった》。」


シュウキ「…じゃあ!俺はここに来るまで…。」


俺は安堵した。


ユウヤ「ああ、ちなみに、さっき惜しいところまで行ったら教えてやるって言ったな。…惜しいところだから教えてやる。ここでは、毎月1人ずつ、《ある条件》で選ばれている。もちろん、1年たったら12人になる。それでこのゲームを始めるんだ。」


トオ「…その条件って?」


ユウヤ「それが推理できたら全てクリアだ。」

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