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ヘイサクウカン  作者: シキジ
ヘイサクウカン 6章
28/37

3話:人の繋がりは彼らを困惑させる。

前回のあらすじ


シュウキたちは、最終審議への調査の1日目で様々な証拠をメモした。



起床したあと、俺達は食堂に集合した。


ランコ「今日はどうしましょうか?」


シュウキ「解放された部屋が1つ残ってる。そこを見てから、今まで解放された部屋を見てみよう。」


トオ「うん。それでいいと思うよ。」


俺達は調査を始めた。


俺達はプレートに、「三途の部屋」と書かれた部屋に向かった。


ヒカリ「なんか…禍々しいところだね。」


シュウキ「ああ。これは…手記か?」


俺は近くのテーブルに置かれていた手記を手に取った。


────────────────────────

こんちはー!!オレは根は真面目君の霊能者でーす!


────────────────────────


という出だしで始まっていた。


トオ「言っていいのか分かんないけど、なんか…バカっぽいね。」


ランコ「そ、そうですね…。」


俺達は苦笑いしながら続きを読んだ。


────────────────────────

まず、最初に死んだ明日見んから見ていくよ!


…おかしいな。幽霊さんの気持ちが読み取れない。だけど、怨みの要素が多いね。●●くんに殺されたからかな?


何回も死ぬってことはあり得ないんだけどな…。そういえば、ゲームマスターはこのゲームが繰り返してるって言ってたけど、もしかして、オレ達は、ずっと死んでは生き返ってるってこと…!?


だったらすげーな!じゃあ明日見んともいつか、また会えるか!



じゃあ次に音浦んだね。


…やっぱりおかしいね。幽霊さんの気持ちがぐちゃぐちゃだ。うーん。これといった要素が無いね。…なぜか楽しさが入ってるし。


ふえー。訳がわからなくなってきたぞー。でも、まあいっか!もう寝よ!



ありゃ?幽霊さんが何か訴えてくるぞ?…ああ、オレの番か。じゃあ逝ってくるな!んじゃ!


────────────────────────


それ以降のページはなかった。また塗りつぶされた箇所があった。


シュウキ「…死んでしまったのか。」


ヒカリ「この人の言うとおりだとすると、このゲームは《何回も同じ参加者で繰り返された》ってことだよね…?」


トオ「記憶が消されてるし、生きては死んでるし、まるで、《ゲームマスターのおもちゃ》みたいだ。」


ランコ「つまり…死んだら記憶を消されて生き返って、そしてまた死んで…その《永久機関》ということですか?」


シュウキ「しかし、俺達はゲームを行っている。もしそうだとしたら、この人達はどうやってその《永久機関から抜け出した》んだ?」


俺たちは疑問を解決できないまま部屋を出た。


シュウキ「じゃあ…一度解放された部屋を見てみようか。まずは図書室だ。」


トオ「いいね。そこなら情報が豊富そうだからね。新しい本も増えてるかも。」


俺たちは図書室に向かった。


図書室に入ると、ある変化があったのに気がついた。


それは、「臨界の部屋」というプレートがあったことだ。


シュウキ「…既存の部屋にもプレートはあるのか。」


ヒカリ「じゃあ本をみよう!気になる本とか新しい本があったらお互いに教え合おうね!」


と、ヒカリは食堂で作ってたであろう、昼食用のサンドイッチを手にして言った。


ランコ「そうですね!そうしましょう!」


俺たちは情報がありそうな本を探した。


しばらくして…


ランコ「すみません!これ見ていただけますか?」


俺たちはランコのもとへ集まった。


シュウキ「これは…前にも見た、個人情報のノート…言わば名簿だな。いろんな人が乗っているが…。」


ヒカリ「あっ、陰野かげの しのぶっていう人がいるよ!陰野の部屋ってあったよね!?」


トオ「こっちは三途みと 川禍せんかさんが…。でも、名前の隣にある、この「×」ってなんだろう?」


シュウキ「《プレートに書かれていた人全員についている》な。」


ランコ「そして、ちょうどシュウキさんの後の人が塗りつぶされているのですが…。」


これは五十音順に並んでいる。塗りつぶされた人の次は《五月雨 幾太》のため、その人の名字は「こ」か「さ」のどちらかだ。


シュウキ「…今分かるのは、この名簿は、《ゲームの参加者を記したもの》ということだな。」


それと、この名簿には最後のページに、《没》と書かれているのが気になるな。


ランコ「そのようですね。私の弟もこの名簿にはいないですし。」


トオ「ランコさんに弟さんが?」


ランコ「ええ。宝井たからい みだりという名前です。」


ヒカリ「…。」


シュウキ「ヒカリ、どうした?」


ヒカリ「この名簿にはお兄ちゃんの名前がある。つまりお兄ちゃんはゲームの参加者だったの?でも、わたしがここに来る直前でもお兄ちゃんは家にいた。…どういうこと?」


トオ「ここに来る直前の記憶…それって、何ヵ月っていう長期間の記憶なのかな?」


シュウキ「…?」


俺たちは一旦その話題を置き、再び本を探したが、何も見つかることなく時間が経過した。


シュウキ「そろそろ他のところへ行こう。もう収穫がない。」


トオ「そうだね。」


俺達は移動して、部屋を散策したが、図書室でそこそこの時間を使ったこともあり、すぐに夕食の時間となった。そのため、俺達は食堂に向かった。


シュウキ「夕食も用意したし、昨日と同様で今日1日で集めたものを整理しよう。」


トオ「僕たちは「三途の部屋」っていうところで、少し不安定な証拠を手に入れたね。なんでも、《僕たちは生き返っては死に、また生き返るというように、何回も死んでいる》らしい。それと前回の証拠と合わせると、塗りつぶされた、《●●っていう人がゲームで数々の人を殺してた》らしいけど、前回のルールはどうなっているんだろう?そして、手記を一通り見ると、《プレートの人は全員同じゲームを行っていた》ことになるね。」


ランコ「図書室は「臨界の部屋」となっていましたね。新しく追加された本は無いのですが、名簿に新しく追加された箇所がありましたね。《プレートに書かれていた人の名前の隣に「×」が書かれて》いました。それと、《塗りつぶされた人》がいましたね。ちょうどシュウキさんとイクタさんの間にいました。最後のページには《没の文字》もありましたね。」


ヒカリ「わたしが気になったのは、名簿にお兄ちゃんの名前が入っていたことだよ。確か《名簿は今までのゲームの参加者を記したもの》だったんだよね。そこにお兄ちゃんがいて、ゲームの参加者だったとしても、わたしがここに来る直前にお兄ちゃんは居たはず。つまり、《ここに来る前の記憶は、およそ数ヶ月間失われた》ことになるね。」


シュウキ「俺達は図書室を出たあと、色んな部屋を調査したが、《プレートはなかった》な。ある部屋と無い部屋があるらしい。ということは、《プレートに書かれた人には同じゲームの参加者ということ以外に、何らかの共通点があった》と推理できそうだ。」


俺は、《命の永久機関》、《●●》、《同じゲームの参加者》、《×》、《名簿の塗りつぶされた人》、《没》、《名簿の正体》、《記憶喪失の量》、《プレートの有無》、《プレートの人の共通点》をメモした。


俺達は夕食を食べ終え、昨日同様、就寝時間まで一度行ったところを散策した。


結局新たな発見は無く、就寝時間となり、俺達は部屋に戻った。

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