3話:人の繋がりは彼らを困惑させる。
前回のあらすじ
シュウキたちは、最終審議への調査の1日目で様々な証拠をメモした。
起床したあと、俺達は食堂に集合した。
ランコ「今日はどうしましょうか?」
シュウキ「解放された部屋が1つ残ってる。そこを見てから、今まで解放された部屋を見てみよう。」
トオ「うん。それでいいと思うよ。」
俺達は調査を始めた。
俺達はプレートに、「三途の部屋」と書かれた部屋に向かった。
ヒカリ「なんか…禍々しいところだね。」
シュウキ「ああ。これは…手記か?」
俺は近くのテーブルに置かれていた手記を手に取った。
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こんちはー!!オレは根は真面目君の霊能者でーす!
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という出だしで始まっていた。
トオ「言っていいのか分かんないけど、なんか…バカっぽいね。」
ランコ「そ、そうですね…。」
俺達は苦笑いしながら続きを読んだ。
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まず、最初に死んだ明日見んから見ていくよ!
…おかしいな。幽霊さんの気持ちが読み取れない。だけど、怨みの要素が多いね。●●くんに殺されたからかな?
何回も死ぬってことはあり得ないんだけどな…。そういえば、ゲームマスターはこのゲームが繰り返してるって言ってたけど、もしかして、オレ達は、ずっと死んでは生き返ってるってこと…!?
だったらすげーな!じゃあ明日見んともいつか、また会えるか!
…
じゃあ次に音浦んだね。
…やっぱりおかしいね。幽霊さんの気持ちがぐちゃぐちゃだ。うーん。これといった要素が無いね。…なぜか楽しさが入ってるし。
ふえー。訳がわからなくなってきたぞー。でも、まあいっか!もう寝よ!
…
ありゃ?幽霊さんが何か訴えてくるぞ?…ああ、オレの番か。じゃあ逝ってくるな!んじゃ!
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それ以降のページはなかった。また塗りつぶされた箇所があった。
シュウキ「…死んでしまったのか。」
ヒカリ「この人の言うとおりだとすると、このゲームは《何回も同じ参加者で繰り返された》ってことだよね…?」
トオ「記憶が消されてるし、生きては死んでるし、まるで、《ゲームマスターのおもちゃ》みたいだ。」
ランコ「つまり…死んだら記憶を消されて生き返って、そしてまた死んで…その《永久機関》ということですか?」
シュウキ「しかし、俺達はゲームを行っている。もしそうだとしたら、この人達はどうやってその《永久機関から抜け出した》んだ?」
俺たちは疑問を解決できないまま部屋を出た。
シュウキ「じゃあ…一度解放された部屋を見てみようか。まずは図書室だ。」
トオ「いいね。そこなら情報が豊富そうだからね。新しい本も増えてるかも。」
俺たちは図書室に向かった。
図書室に入ると、ある変化があったのに気がついた。
それは、「臨界の部屋」というプレートがあったことだ。
シュウキ「…既存の部屋にもプレートはあるのか。」
ヒカリ「じゃあ本をみよう!気になる本とか新しい本があったらお互いに教え合おうね!」
と、ヒカリは食堂で作ってたであろう、昼食用のサンドイッチを手にして言った。
ランコ「そうですね!そうしましょう!」
俺たちは情報がありそうな本を探した。
しばらくして…
ランコ「すみません!これ見ていただけますか?」
俺たちはランコのもとへ集まった。
シュウキ「これは…前にも見た、個人情報のノート…言わば名簿だな。いろんな人が乗っているが…。」
ヒカリ「あっ、陰野 忍っていう人がいるよ!陰野の部屋ってあったよね!?」
トオ「こっちは三途 川禍さんが…。でも、名前の隣にある、この「×」ってなんだろう?」
シュウキ「《プレートに書かれていた人全員についている》な。」
ランコ「そして、ちょうどシュウキさんの後の人が塗りつぶされているのですが…。」
これは五十音順に並んでいる。塗りつぶされた人の次は《五月雨 幾太》のため、その人の名字は「こ」か「さ」のどちらかだ。
シュウキ「…今分かるのは、この名簿は、《ゲームの参加者を記したもの》ということだな。」
それと、この名簿には最後のページに、《没》と書かれているのが気になるな。
ランコ「そのようですね。私の弟もこの名簿にはいないですし。」
トオ「ランコさんに弟さんが?」
ランコ「ええ。宝井 漫という名前です。」
ヒカリ「…。」
シュウキ「ヒカリ、どうした?」
ヒカリ「この名簿にはお兄ちゃんの名前がある。つまりお兄ちゃんはゲームの参加者だったの?でも、わたしがここに来る直前でもお兄ちゃんは家にいた。…どういうこと?」
トオ「ここに来る直前の記憶…それって、何ヵ月っていう長期間の記憶なのかな?」
シュウキ「…?」
俺たちは一旦その話題を置き、再び本を探したが、何も見つかることなく時間が経過した。
シュウキ「そろそろ他のところへ行こう。もう収穫がない。」
トオ「そうだね。」
俺達は移動して、部屋を散策したが、図書室でそこそこの時間を使ったこともあり、すぐに夕食の時間となった。そのため、俺達は食堂に向かった。
シュウキ「夕食も用意したし、昨日と同様で今日1日で集めたものを整理しよう。」
トオ「僕たちは「三途の部屋」っていうところで、少し不安定な証拠を手に入れたね。なんでも、《僕たちは生き返っては死に、また生き返るというように、何回も死んでいる》らしい。それと前回の証拠と合わせると、塗りつぶされた、《●●っていう人がゲームで数々の人を殺してた》らしいけど、前回のルールはどうなっているんだろう?そして、手記を一通り見ると、《プレートの人は全員同じゲームを行っていた》ことになるね。」
ランコ「図書室は「臨界の部屋」となっていましたね。新しく追加された本は無いのですが、名簿に新しく追加された箇所がありましたね。《プレートに書かれていた人の名前の隣に「×」が書かれて》いました。それと、《塗りつぶされた人》がいましたね。ちょうどシュウキさんとイクタさんの間にいました。最後のページには《没の文字》もありましたね。」
ヒカリ「わたしが気になったのは、名簿にお兄ちゃんの名前が入っていたことだよ。確か《名簿は今までのゲームの参加者を記したもの》だったんだよね。そこにお兄ちゃんがいて、ゲームの参加者だったとしても、わたしがここに来る直前にお兄ちゃんは居たはず。つまり、《ここに来る前の記憶は、およそ数ヶ月間失われた》ことになるね。」
シュウキ「俺達は図書室を出たあと、色んな部屋を調査したが、《プレートはなかった》な。ある部屋と無い部屋があるらしい。ということは、《プレートに書かれた人には同じゲームの参加者ということ以外に、何らかの共通点があった》と推理できそうだ。」
俺は、《命の永久機関》、《●●》、《同じゲームの参加者》、《×》、《名簿の塗りつぶされた人》、《没》、《名簿の正体》、《記憶喪失の量》、《プレートの有無》、《プレートの人の共通点》をメモした。
俺達は夕食を食べ終え、昨日同様、就寝時間まで一度行ったところを散策した。
結局新たな発見は無く、就寝時間となり、俺達は部屋に戻った。




