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ヘイサクウカン  作者: シキジ
ヘイサクウカン 5章
21/37

3話:その少年はまるで、観衆を惑わす奇術師だった。

前回のあらすじ


険悪な雰囲気だったシュウキたちだったが、互いの過去を話すことによって、和やかな雰囲気に変わっていった。



俺は個室に戻って朝を待った。



昨日のように俺達は合流した。


ランコ「おはようございます。サイトさんを探しましょう。」


ヒカリ「うん!《ルール変更》のことを聞くんだね!」


トオ「…むやみにサイトくんに近づいていいのかな?」


シュウキ「一応俺達には武器はあるが…警戒はして接しよう。」


俺達はサイトを探し始めた。



探し始めて2時間ほどでサイトを見つけた。俺達は覚悟を決めてサイトに話しかけた。


シュウキ「おい、サイト。」


サイト「わっ!びっくりした!」


シュウキ「ルール変更ってどういうことだ?」


サイト「ああ…何かあまり殺し合いが全然起きないから、前のゲームのルールに戻すってだけだよ♪」


ランコ「そのルール変更は明日ということですか?」


サイト「まあ…正確に言えば《明日の午前中にこのルールが終わって、午後に前のルールに戻るってこと♪》ちなみに《ルールは僕が変えるから、変えた時、メールで連絡する》ね♪」


トオ「ちょっと待って!例えば9時に今のルールが終わって、15時に前のルールが元に戻ると、その間のルールは?」


サイト「うーん…《特にない》よ♪」


ヒカリ「えっと、つまり、どういうこと?」


サイト「要は、一時的に何してもオーケーな無法地帯になるね♪」


シュウキ「…!」


サイト「ふふっ。その間で何するかは君たちの悪知恵に任せるよ♪」


ヒカリ「悪知恵って…。」


サイト「どうせルール変更になるんだし、今日は君たちを襲ったりしないよ♪あっ、でも君たちは僕を殺しに来てもいいからね♪」


ランコ「私たちは殺しなんて…」


そう言い残してサイトは去っていった。


ランコ「…行ってしまいましたね。」


シュウキ「ルールが無くなる…か。つまり、カメラを壊したりもできるわけか。その間にサイトを捕らえることができたら…。」


トオ「このゲームの真相を知ることができるかもね。」


俺達は明日、サイトを捕まえるために器具室から縄を手に入れた。


ヒカリ「わたしたちでも何かゲームの真相に近づければいいんだけどね…。」


ランコ「はい。サイトさんを捕まえる時に、あらかじめ私たちも真相を知っていれば答え合わせのようになりますね。」


シュウキ「情報がありそうなところは…図書室か?」


トオ「そうだね。じゃあ行こうか。」


俺達は図書室へ向かった。


ランコ「それでは、全員で情報を探し合いましょうか。」


ヒカリ「ご飯はここにあるからね!」


ヒカリはそう言うと、野菜の入った袋を置いた。


そして、俺達は分担して情報収集した。



シュウキ「皆、情報はあったか?」


ヒカリ「うーん。これといったのはなかったよ。」


ランコ「私もです…。ごめんなさい。」


シュウキ「俺もだ。気にするな。」


トオ「僕も無し。やっぱり、この個人情報のノートが一番の情報かな?」


トオは適当にページを開いた。


トオ「僕達が知らない人ばかりだ。」


トオは一応最後のページを開いた。


トオ「最後のページも…あれ、これは?」


そこには一面に大きく、《没》と書かれていた。


ヒカリ「没?この本、ボツになったのかな?」


ランコ「何か深い意味がありそうですね。」


シュウキ「…とりあえず、今は何時か確認しよう。」


俺は携帯を開いて、《14:50》と見ることができた。


シュウキ「もうすぐ3時か。」


ヒカリ「とりあえず、まだどこかに情報があるかもしれないから、探索してみよっか。」


トオ「そうだね。」


俺達は就寝時間が来るまで探索をした。



ランコ「結局見つかりませんでしたね。」


シュウキ「そうだな。もう就寝時間だから個室に戻ろう。」


俺が気になったのは、情報もそうだが、サイトを見つけられなかったことだ。…俺の考えすぎだろうか。


そして俺達は個室に戻った。


──────────────────────


ある少年は一言呟いた。誰に聞いてもらう訳でもない、完全な独り言だ。


???「ふふっ。《ドミノ倒し》の始まりだ…♪」


そうして夜は明けていった。


──────────────────────


シュウキ「…今日でルールが元に戻るのか。」


俺は独り言を呟いて外に出た。


トオ「おはよう、シュウキくん。」


ヒカリ「今日が運命の時だね!」


シュウキ(サイトを捕まえて真相を掴もう。)


ランコ「今は8時ですが…まだメールは届いていないようですね。」


俺達は食堂でメールが届くのを待った。…武器を傍らに置きながら。


11時頃、異変は起きた。


バチンと音がして、周りの電気が消えた。


ヒカリ「えっ、《停電》!?」


ここは窓もないため、朝と夜の暗さの差がない。つまり…


ランコ「な、何も見えないです!」


トオ「落ち着いて!僕が周りを確認しておくから!」


幸運なことに、トオの暗視で最低限の危険からは守れそうだ。


5分ほど経って電気が復旧した。


シュウキ「皆無事か!?」


ヒカリ「うん!」


ランコ「大丈夫です!」


トオ「周りでも特に異変はなかったよ。」


シュウキ(今の停電は何だったんだ?)


12時を過ぎて午後になったが、サイトからメールは届かなかった。


ランコ「もう午前は過ぎているはずなのですが…。」


ヒカリ「サイトくんが騙したのかな…?」


トオ「サイトくんが何か企んでるのかも。」


シュウキ「とりあえず、サイトを探しにいこう。」


俺達はサイトの捜索を開始した。


13時半頃…


俺達が2階にいる頃、パリンと大きな音がした。


シュウキ「今の音は…?」


ランコ「上のほうからです!」


トオ「行ってみよう!きっとサイトくんだ!」


俺達は急いで3階へ向かった。


3階に着いた瞬間に目に付いたのは、


ヒカリ「あっ!カラオケボックスの扉が開いてる!」


カラオケボックスに入ると、


シュウキ「これは…メモ?」


──────────────────────


問題です!!


ここから階段を使わずに1階に着くにはどうすればいいでしょうか!


アンサーはそこのルートを通ってね♪


──────────────────────


ランコ「これは…サイトさんでしょうか。」


トオ「恐らくそうだろうね。ここから階段を使わずに1階に行くには《はしご》を使うんだね。」


シュウキ「はしごに行ってみよう。」


俺達は、はしごの所へ向かった。


ランコ「このはしごを使って下に降りればいいんですね。」


そう言って、俺達は下を覗きこんだ。


覗きこんでしまったんだ。


そこには頭から血を流して、微笑を浮かべている、


複坂(ふくさか) 才人(さいと)の、最後の姿があった。



シュウキ「なんで…お前が死んでるんだよ…サイト…。」


ヒカリ「えっ、ど、どういうこと…なの?」


ゲームマスター「皆様、これから3時間を捜査時間とさせていただきます。」


トオ「ちょっと待って!ゲームマスター、今のルールってなんなの?」


ゲームマスター「…ではこうしましょう。特別ルールで、もし複坂様の死因を当てることができたならば、複坂様とのルールである、《直接抗議権》を皆様に差し上げます。逆に皆様が当てられなかった場合、《全員に死を与えます》。」


シュウキ「…そのルールは分かった。だが、ゲームマスターは、今のルールが一体どっちなのか分かっているのか!?」


ゲームマスターはそれに答えずにモニターは切れた。


ただ、俺達は会話もなく、思考を整理するのに精一杯だった。


──────────────────────


死亡者



・サイト



残り4人…

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