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ヘイサクウカン  作者: シキジ
ヘイサクウカン 5章
19/37

1話:その少年はまるで、浮世で笑う夢魔の複製だった。

こんにちは、シキジです。


5章の開幕です。全体的に短くなる予定なので、1話1話の文字数も少ないです。


5章は「トリッキー」をイメージしています。読者様の予想を覆せるように頑張りたいと思います。


これからもシキジを宜しくお願いします。

4章のあらすじ


ゲームマスターの悪巧みによって、《報道ゲーム》が始まった。シュウキは野次馬という、何も効果がない役職だった。メイカは被害者、イクタは第一発見者、サイトは殺人鬼という役職を与えられた。


そして、サイトの提案によりシュウキたちは、地下室の試練である《玉集め》を命からがらクリア。さらにゲームマスターから、試練はあと2つだと告げられる。


すべてが順調だと思われたのだが、そこでメイカが殺されるといった事件が起きてしまった。その犯人はイクタのもう1つの人格、《アツキ》だった。


アツキはイクタと真逆の性格で、残虐で自己中心的なサイコパスだった。さらに、アツキとサイトは協力関係だった。


イクタは、ゲームマスターと《真実を少し話すこと》を約束し、イクタの契約である《契約を全員に知られることの禁止》を声に出して叫び、なんとか審議が終わったが、重たい雰囲気がシュウキたちを襲っていた。



俺達は、モニターが消えても動けなかった。


ランコ「イクタさんは…何も悪くないじゃないですか…。」


トオ「イクタくん、僕たちに相談してくれれば良かったのに…。」


シュウキ「…恐らく、無理だったんだ。相談してしまえば、その瞬間にアツキになって大量虐殺する。」


ヒカリ「…わたし、誰に怒れば良かったの?アツキなんて人、初めて知ったし…。」


サイト「ははっ!アツキくん、いい性格だったのに…死んじゃった♪」


サイトは笑みを浮かべていた。


シュウキ「…。」


トオ「…。」


もう、ここにいる全員がサイトのことを100%信用しなくなった。サイトはそれに気づいたのか、無表情で言った。


サイト「もう…分かってるんだろ?僕が《裏切り者》だってことにさ。」


ヒカリ「本当に、君が裏切り者なの?」


サイト「そうだよ♪僕はゲームマスターと繋がってる…グルなのさ♪」


ランコ「じゃああなたは、ゲームの真相も、ゲームマスターの正体も…?」


サイト「まあ…ね♪」


シュウキ「お前は何が目的なんだ!?皆が苦しんでるんだぞ!?」


サイト「ははっ!《それが楽しい》んじゃん♪」


シュウキ「何…?」


トオ「君には、今すぐ、この場で、このゲームの真相を全部吐いてもらうよ!」


サイト「はぁ?誰相手に言ってんのさ。そう簡単に言うわけないじゃーん!」


シュウキ「じゃあ、お前に聞きたいことがある。」


サイト「なーに?」


シュウキ「俺は武器庫を隅々まで調べたはずだった。その時は隠し部屋なんてなかった。だが、お前は、審議の前に隠し部屋を見つけた。…開く条件はなんだ?」


サイト「じゃーん!これなーんだ?」


と、サイトは《リモコン》のようなものを見せびらかした。


サイト「これで扉を開閉出来るんだー♪僕はこれを使って、《わざと》皆に隠し部屋を見つけさせたんだよ♪僕って偉い!」


ヒカリ「そのリモコンはどこにあったの…?」


サイト「え?最初からあったよ♪」


トオ「最初からってどういうこと?」


シュウキ「そうか。武器庫が開いたとき、最初に武器庫に来たのはお前だった。そのときに盗ったのか。」


サイト「そうだよ♪だから、皆このリモコンの存在どころか、隠し部屋の存在そのものに気づかなかったんだ♪」


ランコ「まさか、そのときに隠し部屋から何か…」


サイト「ああ、これのこと?」


と、サイトはバタフライナイフを持っていた。


サイト「いやー!お陰さまでこんな素晴らしいものをゲットしちゃったよ♪」


サイトは戦いの技術と力がある。現に、ライオンと犬型の化け物を退治したくらいだ。…俺達4人がかりでもサイトを捕らえられないだろう。武器を持っていたら尚更だ。


サイト「そうだ…♪もう人数が少ないからさ、《ルール変更》といこうか♪」


ヒカリ「ルール…変更?」


サイト「今までの殺人ルールはぜーんぶ無し!新しいルールは、僕vs君たち4人!もし僕が死ねば、君たちに《ゲームマスターとの直接抗議権》をプレゼント!」


トオ「直接抗議権?ゲームマスターと直接話せるってこと?」


サイト「惜しい!つまりはゲームマスターとのラストバトルさ♪バトルでゲームマスターに勝てば皆はここから出られる。負ければ普通のルールに戻り、2人になるまで殺し合い♪」


ゲームマスター「復坂様、さすがにルール変更は…」


サイト「いーの!じゃないと、《君の目的》が達成されないでしょ?」


ゲームマスター「それは…。」


ゲームマスターは少しの沈黙の後、


ゲームマスター「…ルール変更を許可します。」


シュウキ「それと、ゲームマスター、イクタの約束はどうしたんだ?イクタは、ゲームマスターに《ゲームの真実を少し話すこと》を約束したはずだ。」


ゲームマスター「申し訳ございません。私なりに、どこを話そうかとまとめていました。」


ゲームマスターは話し始めた。


ゲームマスター「…私も元は《ゲームの参加者》でした。しかし、訳がありまして私はゲームマスターとしてゲームを運営する立場となりました。」


トオ「それって、《このゲームは何回も行われてる》ってこと!?」


サイト「それをバラすんだ♪」


ゲームマスター「はい。ルールも同じです。それと、私には《目的》があります。」


ヒカリ「目的?ゲームマスターの目的って何!?」


シュウキ(ゲームマスターの目的…。俺のこの手紙と関係してるのか?)


と、俺は部屋で見つけた手紙をこっそり見た。


──────────────────────



木狩へ



お前がこれを読んでいるということは、俺はまた失敗したのか。ゲームマスターから詳しいことは書かないように言われたから、手短に。



なんとしてでも生き残れ。それがお前の使命だ。もう、この惨劇を、お前が止めろ。



P.S.この願いはきっと、俺と、あいつの願いだ。



──────────────────────


シュウキ(これって、どういうことなんだ?)


ヒカリ「ねえ!サイトくん!」


サイト「目的は言わない言わない!ゲームマスターももう帰って!…それより、僕は君たちを殺す目的で行動するよ♪だから、今すぐ僕から逃げたほうがいいんじゃない?」


サイトはバタフライナイフを手に持って言った。


トオ「と、とりあえず逃げよう!」


俺達は一斉に走り出した。



ランコ「ど、どこに逃げたら…?」


ヒカリ「個室は?誰かの個室に…!」


シュウキ「いや、サイトにピッキングされるぞ。」


トオ「じゃあ、新しく解放されたところへ行こう!何か…逃げられる何かを探そう!」


俺達は3階へ向かった。



1つ目の部屋は裁縫道具がたくさん並んでいた。


シュウキ「糸とか針とかあるが、全部サイトを封じる策にはならなさそうだな…。」


ヒカリ「一応ハサミは持っとこうよ!…武器代わりにさ。」


トオ「そう…だね。」


俺達はハサミを1人1つずつ持ってそこを出た。



2つ目の部屋はカラオケボックスのようだった。


ランコ「マイクにマラカス…武器のようなものはないですね。」


トオ「今さらこんなとこ出たって…もう仲良くなれないよ…。」


シュウキ「トオ…。」


俺達は部屋を出た。


トオ「だめだったね…。」


ランコ「ええ…。全く良い物がありませんでしたね。」


俺達は、食べ物を食べようと食堂へと向かった。



サイト「やあやあ!皆を殺しに来たよ♪」


ランコ「え…?」


サイト「やっぱり居座るなら食堂だよね♪」


シュウキ「俺達を…餓死させるつもりか?」


サイト「まあそれでもいいんだけど…どう死ぬかは皆に任せるよ♪」


ヒカリ「私たちは死にたくないよ!」


サイト「大丈夫だよ♪今、ここで死ぬから…さ♪」


トオ「や、やばい…!」


俺達は会話をする余裕なくバラバラに逃げた。



俺は近くの個室に逃げ込んだ。


シュウキ「他の皆は無事か…?」


恐らく、皆個室へと向かったはずだ。なぜなら…


ゲームマスター「皆様、就寝時間となりますので個室にお戻りください。」


就寝時間だからだ。


サイトは恐らく個室に戻っただろう。


シュウキ(明日は早く起きないとサイトに殺される…。)


そんなことを思って眠りに落ちた。



就寝時間終了とともに俺は個室を出た。


他の3人も同じ事を思ったのか、外に出てきた。


トオ「今日はどこに逃げる?」


シュウキ「なるべくサイトへの対策をしたい。武器庫に行こう。」


俺達は武器庫に向かった。

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