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ヘイサクウカン  作者: シキジ
ヘイサクウカン 4章
15/37

2話:平穏はゆっくりと流れて落ちる。

前回のあらすじ


シュウキたちは探索をした後、ゲームマスターに報道ゲームを強いられる。




ゲームマスター「それでは、皆様に役職をメールで提示します。」


直後、全員にメールが送られた。


──────────────────────

To:木狩 秀輝


From:ゲームマスター


木狩様の役職は《野次馬》です。


(この画面を他人に見せてはいけません。)


送.17:20


──────────────────────


シュウキ(野次馬は効果がない役職だな。俺はいつも通りか。…それより、画面を見せてはいけないって?)


イクタ「ねえ、ゲームマスター。この画面を見せてはいけないって何?」


ゲームマスター「言葉の通りです。つまりは、役職が確実に分かるような行為は禁止します。」


メイカ「自分たちの役職を伝えて信じさせるには《自分の言葉で》ってことっすね。」


ゲームマスター「では、ゲームをお楽しみください。失礼します。」


と言ってモニターが消えた。


ヒカリ「はい!わたし、《カメラマン》だよ!リポーターさんいない?」


ヒカリは手を挙げて言った。


シュウキ(そうか、リポーターと離れると…。)


ランコ「あっ!私です、ヒカリさん。」


ヒカリ「よかったぁー、女性で。」


ランコ「少しだけほっとしましたね。」


トオ「えっと、一応口頭で役職を言い合ってみようよ。」


シュウキ「そうだな。ちなみに俺は《野次馬》だ。」


サイト「…え?」


イクタ「サイトくん、どうしたの?」


サイト「いや、僕も《野次馬》なんだ…。」


シュウキ「それは本当か…!?」


サイト「うん、見る?…って、見せちゃダメだったね。」


イクタ「それは後で話すとして、とりあえず言うね。僕は《警察》だよ。」


トオ「あっ、僕も《警察》だよ。」


ヒカリ「な、何だか色々変になってるね…。」


ランコ「えっと、私は《リポーター》ですよ。」


ヒカリ「わたしは《カメラマン》!」


トオ「…メイカさんは?」


メイカ「あはは、どうやら《被害者》みたいっす。」


イクタ「じゃあ…!」


メイカ「大丈夫っすよ。カオルさんと約束したっすから。《この運を皆のために》って。だから、むしろ幸運っすよ。」


サイト「だけど、誰かがメイカさんを殺さないといけないってこと…?」


メイカ「それよりも、ゲームマスターに聞くことがあるんじゃないっすか?」


シュウキ「…そうだな。ゲームマスター、1つの役職が2人いるってあるのか?」


俺が聞いたとき、モニターがついてゲームマスターが言った。


ゲームマスター「なるべく違う役職となるようにしたのですが…おそらく手違いがあったと思われます。」


サイト「…じゃあ、僕とシュウキくんが《野次馬》で、トオくんとイクタくんが《警察》、メイカさんが《被害者》で、ヒカリさんとランコさんが《リポーター&カメラマン》ってことだね。」


シュウキ「《殺人鬼》と《第一発見者》がいないのか。」


ヒカリ「じゃあさ!わたしとランコさんが気を付ければ、誰も死なないってことだよね?」


ランコ「でしたら、メイカさんが殺される心配もないですね。」


メイカ「…そういうことになるっすかね?」


トオ「よかった。誰かが犠牲になる心配はないんだね。」


シュウキ(…なんか腑に落ちないが、犠牲がいなくなるのはいいことだな。)


イクタ「そうだ、武器庫の見張りはどうしようか?」


サイト「器具室は良いとして、武器庫は新しく班を決めたほうが良いよね?」


トオ「…今さらだけどさ、何で武器庫の見張りをするの?」


ヒカリ「それは、誰かが危険な物を取ろうとしないかを見張るためだよ。」


トオ「それって、《皆を信用してない》ってことじゃないの?」


サイト「と、言うと?」


トオ「その話ってさ、誰かが武器を取ろうとしてるって前提でしょ?」


その瞬間、俺は何かの衝撃を受けた気がした。どうやらそれは全員同じだったみたいだ。


ランコ「それは…。」


メイカ「…だからって見張りを外すことはリスクが高いっすよ。このゲームもあることっすし。」


トオ「…そうだね、ごめん。聞き流して。」


イクタ「まあ、班は一応考えてくるよ。」


サイト「じゃあ、次は僕から。」


シュウキ「どうした?」


サイト「こんな状況だけどさ、地下室に行ってみない?」


メイカ「それはどうして?」


サイト「一応、地下室には出れるかもっていう希望がある。…可能性は捨てきれないよ。」


ランコ「でも、少し怖いですよね…。」


サイト「僕は希望を捨てちゃいけないと思うんだ。だから、明日までに考えておいて。」


シュウキ(地下室か…。)


その後は自由行動になった。俺は、エマの審議の場所へと向かった。


やはり、扉は前回同様開くことはなかった。


シュウキ(開かないか…。)


次に武器庫へ向かった。


イクタ「シュウキくん、どうしたの?」


武器庫ではイクタとサイトが見張りとして居た。


シュウキ「見張りが居るのかどうか見に来ただけだ。」


サイト「そっか、大丈夫だよ。」


シュウキ(前のサイトなら、「武器でも取りに来たの?誰か殺すんだね♪」って言ってたはずだ。…改心したのは本当だったな。)


シュウキ「一応中を確認していいか?武器の種類は少ないしな。」


イクタ「うん、いいよ。」


サイト「そうだ、僕たちも中に入ろう。」


俺達3人は武器庫の中に入った。


シュウキ「やっぱり死体が無くなってるな。」


サイト「みたいだね。それどころか、棚も薬剤も全部元に戻ってるよ。」


シュウキ「でも、本当に種類がないな。隠し扉っていうのもないな。」


イクタ「みたいだね。…そうだ!ここの物を処分するっていうのは?」


サイト「でも武器はできないとして、毒薬はどこに捨てる?流しは何か危険そうだし…。」


シュウキ「処分はしない形にしよう。最終的に見張りが居ると安心だからな。」


イクタ「まあ、そうだね。」


俺は武器庫を離れ、他の人を探しに行った。


ついたのは階段を降りて、1階の図書室だった。残りの全員がそこにいた。


メイカ「シュウキさん。どうしたんすか?」


シュウキ「暇だから来た。そっちこそ、何で全員集まっているんだ?」


トオ「僕は1階の探索に来てるだけだよ。」


ヒカリ「わたしは単純にここが好きだから来たよ!」


ランコ「私はヒカリさんにお付き添いしないといけないので…。」


ヒカリ「何その保護者感!?」


メイカ「まあ自分もここが好きだからっすよ。」


シュウキ「そうだったのか。あと1つ気になったんだが…ヒカリとランコさん、距離近くないか?」


肩スレスレの距離だ。


ランコ「えーと、どのくらい離れたらいけないのかが少し怖くて。」


ヒカリ「うんうん。それに何か離れたくないというか…」


シュウキ「ヒカリは無視するが、確かにどのくらいの距離か分からないな。」


ヒカリ「無視された!」


ランコ「なので、こうして距離を近づけているんですよ。」


シュウキ「なるほどな。」


シュウキ(本来、殺しが起きやすそうな2つの役職だが、この2人だと大丈夫な気もするな。)


トオ「シュウキくん。この後どこか行く予定はある?」


シュウキ「予定はないが、ここに長居もしないな。どうした?」


トオ「えっと、一緒に探索手伝ってくれないかなって思って…。」


シュウキ「俺は全然いいぞ。」


俺とトオは探索に行くことにした。


そんな中、ロビーで…


トオ「そういえば、ここで最初に皆と会ったんだよね。」


シュウキ「そうだな。あのときは俺を含め12人居た。」


トオ「今は7人…5人も減っちゃったんだね。」


シュウキ「そういえば、トオは1回目と2回目の審議はどんな心構えだったんだ?」


トオ「あのときは、最後には皆死ぬんだからどうでも良いやって思ってた。」


シュウキ「…そうか。」


シュウキ(トオも今はいかにして生きるかを考えてる。…トオも変わったみたいだ。)


トオ「じゃあ、他のところに行こうか。」


シュウキ「そうだな。」


俺とトオはしばらく探索をしていた。そのとき、メールが届いた。


──────────────────────

To:全員


From:イクタ


夜ご飯食べよう。だから1度食堂に集合だね。


送,18:20


──────────────────────


トオ「…確かに少しお腹減ったね。」


シュウキ「まあ、とりあえず食堂に行こうか。」


俺達は食堂に向かった。


イクタ「よし、全員集まったね。」


テーブルには7個のカップ麺があった。


シュウキ「…こんなものまであったのか。」


シュウキ(そうか、料理が上手な人たちはもう…。)


メイカ「とりあえず冷めないうちに食べるとするっすか?」


サイト「そうだね。じゃあ、いただきます。」


各自でカップ麺を食べ始めた。


ヒカリ「ランコさん。今日はどっちの個室使って寝る?」


ランコ「そうですね。じゃあ私の個室にしましょうか。」


メイカ「ヒカリさん。ランコさんにいたずらしちゃダメっすよ?」


ヒカリ「しないよ!た、多分…。」


ランコ「多分!?」


シュウキ「イクタ、サイト、俺が来たあとに何かあったか?」


イクタ「いや、特に何もなかったよ。」


サイト「うん。異常はなかった。」


トオ「シュウキくん、1階には調べたとこ以外にどこかある?」


シュウキ「いや、ないはずだ。」


トオ「じゃあ、2階だね。そこで…」


シュウキ「言わなくてもいいぞ。分かってる。」



夕食を食べ終わった俺達はまた自由行動になった。俺は階段前でトオをおぶった。


シュウキ「おいしょっと…。」


トオ「シュウキくん、僕って重いかな?」


シュウキ「そんな気にする必要ないぞ。重くはないしな。」


俺達はそのあとゲームマスターのアナウンスが入るまで探索をした。そして、


ゲームマスター「皆様、就寝時間15分前となりました。個室にお戻りください。」


トオ「時間か。シュウキくんありがとうね。」


シュウキ「いや、大丈夫だぞ。」


俺はトオと別れて個室に戻った。


俺は疲れていたのか、そのまま寝てしまった…。


朝起きて、俺は食堂に向かった。


食堂に全員集まった頃、


イクタ「じゃあ、今日は久々に会議を始めよう。」


とイクタは、カップ麺を片手に言った。


《9日目─会議開始─》


メイカ「まず、新しく解放された部屋についてっすね。」


シュウキ「何もない部屋と、3階が解放されて、3階には暗いだけの部屋と、1階と繋がるはしごがあったはずだ。」


ヒカリ「確か、何もない部屋には防音性能があったね。」


ランコ「そして、はしごはトレーニングルームと繋がっていましたね。」


トオ「あれはなんのための部屋なんだろう?」


サイト「部屋もそうだけど…地下室のこと考えてくれた?」


イクタ「うん、考えたよ。」


サイト「みんなの意見が聞きたいんだけど、地下室に行きたくない人は?」


…。


メイカ「誰も手を挙げないっすね。」


サイト「ということは…皆行くってことでいいの?」


トオ「僕は、サイトくんの言う希望を見たいからね。」


サイト「じゃあ、早速ご飯が終わったら行こうか。」


イクタ「他には…無さそうだね。」


《9日目─会議終了─》


そして俺達はご飯を食べ終えて、地下室に向かった。

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