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記憶の欠片を辿って  作者: 赤白 青
2/15

久地ノノ花


学校の自分の席に着くとすぐに仲良しの、久地ノノ(くじののか)が聖恵の前の椅子に座り、話しかけてくる。

「あんた聞いたわよ、綾小路先輩からの告白断ったんだって!もったいないなぁ~。イケメンでお金持ち、成績優秀で社交的文句なしじゃない。」

「あはは。なんといいますか、なんか違うなと思って。」

聖恵は笑いながら頭を掻く。

久地ノノ花は、桜井家と家が近所で記憶無くした聖恵にとって、最初の友達がノノ花である。

身長は162㎝で、髪を上げてのお団子ヘアーがトレードマークである。目元を少しメイクしていて、可愛いく見える。人見知りしない面倒見のいい性格の為、聖恵とも出会ってすぐに友達になれた。記憶を無くして不安しかなかった聖恵を、今のような明るい性格に変えたのはノノ花の影響が大きいだろう。ちなみに聖恵からは、ノノちゃんと呼ばれており、空手の有段者でかなり強い。

「はぁ~~もったいない。先々月はスポーツ万能でファンクラブもあると言われる、宮野先輩。先月は次期生徒会長と言われる、イケメン上條くん。そして、今月はついにこの高校の象徴とも言われるあの綾小路先輩。なんで私じゃなくて、皆こんなの好きになっちゃうんだろうな~」

ノノ花は呆れたように言うと聖恵を見て、深いため息をつく。

「あはは、なんでだろうね?みんな見る目ないね。」

聖恵は笑いながら頭を掻く。

困った時は、とりあえず笑っとく。これが聖恵の人生の教訓であり、記憶を無くして辛かった時に、消えずに頭の中に残っていた言葉でもある。

「それに比べて、なんで私には誰からのお誘いも来ないの!見る目無さすぎ。」

力強く机を叩くと、とても悔しそうな顔をする。

「あはは。」

「んで、やっぱ綾小路先輩も違ったんだ。あなたの心に響く人だっけ?」

ノノ花はフッと息を吐くと、少し呆れた顔して机に肩肘をついて、聞いてくる。

「うん。思い出せないんだけど、なんか胸の奥に引っ掛かるんだよね。思い出させないんだけど、この人じゃないってなんか身体が言ってる気がするの。」

聖恵も少しシュンとして、俯く。ノノ花は聖恵が自分自身でも答えを出せていないのを悟ると、すぐさま次の言葉を投げ掛けた。

「そっかぁ。けどホントいるのかね。あの3人よりいい男なんて、そうそういないと思うけどな~」

大きく伸びをしながら、席を立ち身体全体で伸びをする。

「ノノちゃんのいい男の条件と私の条件は一緒じゃないだろうからね。」

聖恵はそんなノノ花を見上げてニヤニヤしている。

「ほほ~言うわね。ならあなたのいい男の条件、聞かせてもらおうじゃない。」

少しカチンときたノノ花は再び椅子に座ると、聖恵を挑発するように見る。

「ん~とね、まずは·······って違~う!聞いてよノノちゃん」

いい男の条件を考えている際に、昨日のことを話すと決めていた事を思い出した聖恵は、机をバンっと叩くとノノ花の肩を持って、大きく前後に揺らす。

「私の昔を知ってるかもしれない人に会ったのよ。昨日、男子がヘッドホン消えて、眼帯つけた公園で。」

「いや、わからんわ。落ち着いて話してみ。公園が眼帯どうやって着けんのよ。」

冷静にノノ花はツッコミをいれた。聖恵は、深呼吸して、落ち着いた所で昨日の公園での出来事を話した。

「あんたまた?そう言って、近所のおじさんや町内会長、長距離運転のトラックドライバー、三毛猫だったこともあったわよね?」

「今度こそホントだもん。」

「はいはい。じゃあ今日の放課後行くんでしょ?付き合ってあげるわよ。不審者の出る公園に1人で親友を行かせられるかっての。」

「ノノちゃん、ありがとう♪」


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