趣味はケツ毛抜き
履歴書の趣味特技欄は応募先にあわせるよね
面接官:それでは趣味に毛抜きとありますがこれは?
応募者:はい!一番の趣味は鼻毛抜きです!
面接官:ほほう、詳しくお聞かせ願いますか。
応募者:子供のころから父の鼻毛を抜くのが好きでした。
面接官:きっかけは?
応募者:抱っこされて見上げると鼻からいつも鼻毛が飛び出していて気になってました。
面接官:で、引っ張ったの?
応募者:はい!ブチッと。
面接官:うへぇ、痛そうだな。
応募者:子供でしたので力加減が出来なく思いっきり引っ張ったと思います。
面接官:……
応募者:でも父は喜んでくれていました。
面接官:それはどうして?
応募者:お父さんの身だしなみをチェックしてくれるいい子だ、と。
面接官:建前でしょ?
応募者:どうでしょう、しかし喜ばれて悪い気にはなりませんので調子に乗りました。
面接官:子供ならおかしくないですね。
応募者:そうですそうです。しかも父は「いいぞもっとやれ!」と言ってくれましたので、
面接官:(なに言ってんだこいつ)
応募者:中学生までは続けていました。
面接官:それは仲が良くてうらやましいですね。
応募者:そのかわりに母との仲はあまり……
面接官:わかります。わかります。母親はどうしてもねー。
応募者:(おっ、なんか食いついてきた)
面接官:私は縮れ毛が落ちてると、よくいやみを言われたものです。
応募者:抜いてたんですか?
面接官:いえいえ、自然と抜けていたもののことですよ。
応募者:私は剃ってますよ。
面接官:えっ?
応募者:うちの部屋はフローリングなんで良く目立つんです。落ちているのを見たくないんで剃ります。
面接官:あれはなぜなんでしょうねぇ。髪の毛はあまり目立たないくせにね。
応募者:ですね。
面接官:でも抜かないんですか?
応募者:はい、抜きません。
面接官:でも趣味が……
応募者:趣味は毛抜きですよ。
面接官:じゃあ抜きましょうよ。
応募者:いえいえ、だって楽しくないじゃないですか。自分のちんち…性器周辺をまじまじと見ながら、って
面接官:毛だけを見ましょう!それに剃るときも見るでしょう?
応募者:いや、見るのはどうでもいいんで。あくまで抜くのが楽しいんで。剃るのは作業!
面接官:見ずに抜いてるんですか?
応募者:自分の鼻毛を抜くときはノールック。
面接官:た、たまには鏡で見るでしょ?
応募者:鏡で見たらついつい中のほうまで見て止まらなくなる。
面接官:止まらなくなるタイプですか。
応募者:マジで止まらない。
面接官:女性なんかで良く聞きますね、眉毛抜きすぎたって……もしかしてお父さんの鼻毛は全部抜いてしまったとか?
応募者:それで中学から辞めさせられたんだよ!
面接官:(やっべ、チョイ切れてる)すいません、いやなことを思い出させてしまって……
応募者:ま、親離れのきっかけになったからいいんだけどよ
面接官:(暴れてくれるなよ)
応募者:とにかく毛抜きが好きなんだって!特におたくの製品の先が斜めになったやつ!
面接官:御贔屓ありがとうございます。(あー落ち着いてくれるかな)
応募者:だからここを真っ先に応募したんですって!
面接官:アツいですね!
応募者:そういうあなたこそ自社の製品にアツい思いは無いんですか?
面接官:まー、長いことやってるとねぇ
応募者:最初はあった?
面接官:アツいってわけじゃなく、便利だなとは思ってました。
応募者:そんなもんですか。
面接官:メーカーは気にせず使ってました。将来なくなることの無い商品だとも。
応募者:嫌いになったことは?
面接官:開発の人間はどうしてもスランプでそうなることもあるみたいですが、さいわい私の場合は……
応募者:ふーんそうなんだ。
面接官:(嫌いになるようなもんでもないと思うけど)
応募者:ケツ毛は?
面接官:は?
応募者:ケツ毛はどうしてる、って聞いてるんだ?
面接官:………………
応募者:おい、どうした?
面接官:むしってるよ!ぶちぶちとな!いくら抜いても抜いても生えてきやがる!剃ったこともあったさ!そうしたら痛くてたまんねぇんだ、チクチクと刺さって!なんであんなもんが生えるんだ、なんであんなところに生えるんだ!いらねえじゃねえか、なんの役に立ってるんだよ!お前もそう思うだろ?まさかお前はケツ毛まで抜くのが楽しいとか言うのか!おかしいんじゃねえの?お前絶対おかしいよ!
応募者:いや、なんかすまんかった。