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転生犬は陰陽師となって人間を助けます!  作者: 犬社 護
犬に転生、新たな飼い主との出会い
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第9話 人間の友達が出来ましたー2 (生後31日目)

前回のあらすじ

南条有希ちゃんと出会い、人間と初めて念話で会話をしました。でも、遊んで途中で力尽きました。だって、子犬なんですから、体力ないんだよ!


☆☆☆ 有希視点


ラッキー寝ちゃったみたいね、可愛い。まだ、生後1ヶ月だものね。

念話を使える犬なんて初めてみたわ。それに、普通に人間の言葉も理解してたし、何者なんだろう?琴美ちゃんもラッキーやレオ・リルのこと気に入ったみたいね。


「あー楓ちゃん、いいなー。あんな可愛い子犬、毎日見れるんだもん。」


「琴美ちゃん、有希ちゃん、そのことなんだけどね。3回目のワクチン接種が終わったら、ラッキー・レオ・リルを新しい飼い主に渡す予定なんだけど。まだ、その飼い主が決まってないんだ。」


「マジで!それなら、私が飼いたい。3匹は無理だけど、2匹なら大丈夫。今の時点で、躾け完璧だし!親は、なんとか説得する。」


「本当、ありがとう。有希ちゃんはどう?」


ラッキーも、まだ決まってないんだ。それなら、あ、でも、


「私は、まだなんとも言えないわ。でも、もっと触れ合いたい。」


「そっかー、ふふ、有希ちゃんの微笑んでいる顔、久しぶりに見たよ。」


え、私、微笑んでたの。気づかなかったわ。ひょっとして、楓ちゃん、私を元気づけようとして、家に招待してくれたのかな?だめだなー、私。


「楓ちゃん、今日はありがとう。なんか、最近、暗くなってたよね、私。みんなにも、悪いことしたかな。」


そう言った途端、琴美ちゃんが


「なにいってんの!そんなことないわ。状況が状況だし、誰も気にしてないからね。」


「そうだよ。みんなを見せて良かった。少しでも、元気になってくれたら、私は嬉しいよ。」


そう言われて、私は涙が出そうになった。お父さんとお母さんが行方不明になってから、いろんな人に声をかけてもらった。でも、お父さんとお母さんが、今でも土の中で苦しんでいることを考えると、どうしても前を向いて歩けなかった。


「うん、ありがとう。3匹の中でも、ラッキーから不思議な感じがするわ。」


「そうなの!3匹の中でも、ラッキーが一番不思議なんだ。一昨日なんかね、ここで、算数の宿題をやってて、わからないところがあったの。そしたら、隣にいたラッキーが、足で教科書のある箇所を指したの。そこを見てみると公式があってね、その公式を問題に当てはめたら、簡単に解くことが出来たんだよ。」


え、ラッキー、貴方は何をやっているのかしら?そして何者なの?

普通、犬が算数出来るわけないでしょ。案の定、琴美ちゃんが凄い反応を示した。


「えー、いや流石にそれは偶然でしょ。」


うーん、これは絶対に後で話し合わないとだめね。

一応、フォローをいれといた方がいいわね。


「もしわかってのことだったら、天才犬だね。アイドル犬の誕生かな!」

「止めておきなさい。ラッキーに噛まれるわよ。多分、あの子、そういうの嫌がると思うわ。」


「ははは、冗談だよ。」


☆☆☆ ラッキー視点


うん、なんかいい匂いがする。


(もう夕食よ。ラッキーもミルク飲んでおきなさい。)


あ、念話で有希ちゃんが話しかけてきた。


(もう、そんな時間なんだ。起こしてくれてありがとう。)


(いいのよ。後で、ラッキーに話があるの。みんなが寝た時にでも、ゆ〜っくりと話し合いましょうね。)


気のせいか、有希ちゃんがなんか怖い顔したような気がする。まあ、いいや。俺もミルク飲もう。


夕食後、楓ちゃん、有希ちゃん、琴美ちゃんの3人は部屋でゲームをするみたいだ。俺も行きたいぞ。おねだりしてみよう。、念話付きで。


「クーンクーン」(俺も行きたい。連れてって。)


有希ちゃんの顔がなんかヒクヒクしてるぞ。


「楓ちゃん、ラッキーが行きたそうな顔してるわ。」


「あれ、ラッキー、遊び足りないの。でも、行っても遊ぶのはゲームだよ。て言ってもわからないか。アリーやレオ・リルはどうする?」


一応、みんなにも聞いてみるか。

『今から、楓ちゃん、部屋でゲームするみたいだけど、どうする?』


レオ・リルともに、首を傾げた。


『『ゲームて何?』』


ゲームか、どう説明しようか?

すると、アリー母さんがフォローをいれてくれた。


『ゲームなら、私達は邪魔になるから行かない方がいいわ。それに行っても暇よ。全く、遊んでくれないから。』


『『そうなの?なら、僕(私)達は行かないよ。』』


『じゃあ、俺だけで行ってくるよ。』


念話で伝えよう。本当に便利だ、念話。


(俺だけ、行くことになったよ。)

(色々と言いたいことがあるのだけど、まあいいわ。)


「じゃあ、ラッキーだけ、連れて行きましょう。私はあまり得意じゃないから、ラッキーを見ておくわ。」


「ごめんね。途中から、全員参加のゲームをやろう。」


有希ちゃんが抱っこしてくれた。

ゲームか、28年の間にどれだけ進化したのかな?楽しみだ。


---------今、俺は猛烈に驚いている。みんなが遊んでいるのは、レースゲームだ。だが、俺の頃より遥かに進化していた。なんだ、これは!約30年でここまで進化するのか。キャラから声が出るし、レースの臨場感も半端ないぞ。コントローラーも昔より複雑になってるし、操作しにくいはずなのに、みんな軽々とやっている。あ、レースが終わった。順位は、1位 楓ちゃん、2位 琴美ちゃん、3位 有希ちゃんだ。


「やった、際どかったけど、私が1位だね。」

「あー、あと少しだったのにー。」


有希ちゃんも楽しかったみたいだ。笑った顔が可愛い。


「久しぶりにゲームをしたわ。やっぱり楽しい。」


一息ついたところで、桜さんがやって来た。


「みんな、お風呂の準備出来たわよ。ラッキーはアリーのところに戻りましょうね。」


お風呂の準備をしてる途中、有希ちゃんが桜さんに何か尋ねていた。


「あのおば様、ラッキー達と一緒にリビングで寝ることは可能でしょうか?」


「ええ、大丈夫よ。3人なら、ここはちょっと狭いわね。お風呂に入っている間、準備しておくから。」


「ありがとうございます。」


有希ちゃんがこっちをチラッと見た。

やっと、2人だけで、話が出来るぞ!


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