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転生犬は陰陽師となって人間を助けます!  作者: 犬社 護
擬人化(制限付)と悪霊退治
55/57

第55話 初めての幽霊退治-5

前回のあらすじ

平賀との戦いが始まりました。シュミレーションを充分に行った事で、勝算はあります。始めは、平賀が圧倒していましたが、徐々に有希の勢いが増してきました。さて、どちらが勝つのでしょうか?


☆☆☆ 南条有希 視点


時間は少し遡る。1時間前、古民家の林付近に到着したところで、有希とラッキーは最終チェックをしていた。


(有希、今回使用する念珠玉は、【吸収】と【放出】、【変換】、【補助】、【回復】の5つ、そして俺自身が【幻惑】の言霊を使う。


【吸収】 平賀からのあらゆる攻撃を念珠玉に吸収する。また、平賀が持つあらゆる技

術を有希の霊力に吸収させる。ただし、急激な吸収は、かなりの負担になる

ので、少しずつ行う。


【変換】 念珠玉の中で、吸収したエネルギーを有希自身の霊力に変換


【放出】 変換した霊力を1点に絞り放つ


【補助】 吸収した技術を扱えるよう、身体と霊力のバランスが崩れないように支える。


【回復】 消耗した体力を少しずつ回復させる。


【幻惑】 平賀からは、致命傷の攻撃は通ったかのように見える。


以上が言霊の機能だ。これを確実に発揮させるためには、有希自身が信じないといけない。大丈夫か?)


信じる心ね。


「問題ないわ。ラッキーを信じているし、自分自身も信じているから。」


(よし、ただ気になるのは念珠玉の予備が5個、これに吸収したエネルギーをストックしていくから注意してね。)


これだけは、本当に注意しないとね。戦いに夢中になってたら、ストックの限界がきて私ごと爆発という未来は避けたいわ。



(最後に【放出】を使うけど、ある程度セーブして欲しい。止めは俺がしたいんだ。)


「どういうこと、何か考えがあるのね?」


(まあね。あの手のタイプは、成仏する時も何かやらかしそうなんだ。一番可能性があるのは舞さんを道連れにして、記憶を持ったまま一緒に転生し、同じ時代を生きるというパターンかな。)


なにそれ、一番最悪な未来ね。でも、あの平賀という男、舞さんへの執着心が凄い。ラッキーのように、記憶を持ったまま転生という可能性もありそうだわ。


「ラッキー、平賀をどうする気なの?」


(平賀自身の存在を魂自体を分解する。あの手の奴は転生しても、ろくな事をしないと思う。それなら分解して、地球の肥料にすればいい。)


「さらっと、とんでもない事を言うのね。前世の罪は、来世に引き継がれるらしいから、放っておいても大丈夫と思うけど。」


(有希、甘いよ。自分の欲望に強い奴は、前世の罪自体も巻き込んで、もっととんでもない事をする可能性がある。だから、この世から永久に消えてもらう。)


ひょっとして、ラッキー凄く怒っているの?犬だから表情が掴めないけど、多分怒ってるのね。フィリカでいる時、やり過ぎないようにしよう。あとが怖いわ。


「わかった、ラッキーに任せるわ。さあ、行きましょう。」


-----平賀との戦いが始まった。最初から全力で対処しているのに、まるで歯が立たない。いきなり、心臓を刺し貫かれた。動きが全然見えなかった。でも、言霊の力を信じる。全力でいきつつ、焦らず技術を吸収していくことに集中しよう。


10分後


少しずつだけどわかってきた。平賀の脚さばき、重心の位置そしてずらし方、効率的な力の使い方、どんどん頭に入ってくる。む、余所見をしている、今だ。


「余所見をしていいのですか?」


腹に全力の一撃を叩き込んだ。

全く、全力でやってるのに、あまり効いてない。でも、少しずつ実力差が縮まってきてる。もう少しだわ。


「少し油断しましたか。まさか、ガキのくせに、ここまでの実力があるとはね。いいだろう、私の本気を見せてやろう。」


え、消えた。気付いた時には、頭を貫かれていた。なに、今の動き!これはそうだわ、以前お父様に見せてもらったことがある。これが、陰陽師最高峰の足技、縮地ね。覚えたわよ、今度はこちらの番よ。


「貴様、なぜその年で縮地を使える!くそ、やはり全ての技術が向上している。」


いけない、念珠玉のストックのうち、3つが満タンになってる。でも、まだイケる。


さらに10分後


あなたの技術を完全に吸収したわよ。観念なさい。


「いきます。」


冷静に縮地を使い、相手の死角を移動し懐に飛び込む。平賀の急所(みぞおち)に衝撃破を打ち込んでやる。


「ここですよ、どこを見ているんですか?はあ!」


急所は外れたけど、内部に確実にダメージを与えれたわ。


「貴様などに負けるか。甘くみるなー!」


そこに平賀はいなかった。油断した!

懐に潜り込まてる、避けられない、すぐそこに平賀の抜手があった。そして、首を貫かれた。危ない、これで3回死んだわ。もう、油断しない。


「まさか、子供相手にここまで手こずるとはな。光栄に思うがいい。この術を使うのは、貴様で2人目だ。私を怒らせた事、後悔させてやる。


【地獄の業火よ、奴を滅せよ】、ふははは、消えてなくなれ~。」


なに!この黒い炎、切れないし避けても追跡してくる。く、浄化するしかないわ。念のため、お札も持ってきているし、大丈夫。平賀から技術を吸収した今なら、あの術も使えるはず、自分自身を信じる。


黒炎が私を包み込もうとした瞬間、あの術を唱えた。


【神炎】



炎の外で、平賀が何か言ってるわね。


「おい、ラッキーと言ったか。いいのか、主人が死ぬぞ。は、もう手遅れだが、あのガキは肉体も魂も喰われているだろうがな。」


私が死ぬわけないでしょう。こんな黒炎、吹き飛ばしてやる。


(おい、また余所見をしているな。お前の自慢の術かは知らないが、じゃあなんで、有希は平然とた立っているんだよ。)


黒炎が吹き飛び、私の姿を確認すると平賀は唖然としていた。


(有希、ここまでで3回死んでるぞ。まだまだだな。)


「わかっているわ。悔しいけど、こいつ本当に強いわ。でも、もう大丈夫。奴の全てを吸収出来たから。」


(それでも、その吸収した後、1回死んでるぞ。油断大敵だ。)


「う、わかっているわ。霊力がかなり溜まったから、この一撃で決めるわ。」


「貴様ら、一体何を企んでいる!」


「敵であるあなたに言うはずないでしょ。」


イメージはレーザー、射程距離は20m、平賀の身体みぞおち周辺を狙って風穴が開くように放つ。


「【放出】」


すると、直径20cmの圧縮されたレーザーが物凄いスピードで発射された。気がつくと、平賀の身体には風穴が出来ていた。そして、射線上にあった木々にも大きな風穴が出来ていた。


えー、聞いてないわよ、ラッキー。


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