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転生犬は陰陽師となって人間を助けます!  作者: 犬社 護
犬に転生、新たな飼い主との出会い
21/57

第21話 予想外の緊急事態、撃退作戦開始 (生後45日目)

前回のあらすじ

現実は映画のように甘くないですね。昨日誘拐されて、今日マスコミに流れたのですから、正直ピンチです。俺の選択次第で、和葉ちゃんと依澄ちゃんの生死が変化します。どうしよう?


☆☆☆


現在、予断を許さない状況だ。2人を今から助け出すか、それとも様子を見るか、どちらを選択しよう。


--------よし、今から助け出す。マスコミにばれた以上、騒がしくなる前に身代金を受け取りたいはずだ。おそらく、受渡しは今日の夕方、2人を殺すのは昼頃になると思う。最悪な結果となる前に行動開始だ。


そうとわかれば、遠方憑依だ。と、その前に、


『アリー母さん、昨日なんか寝付けなかったから、まだ少し寝ておくよ。』

『あら、それなら寝ておきなさい。レオ・リルも、ラッキーの側で暴れないようにね。』

『『はーい』』


☆☆☆


(ジェフ、お待たせ。準備は終了したかな。)

(ああ、全員の配置は完了している。ただ、気になることがあるんだが、あの罠、本当に作動するのか。)


ジェフが気にしている罠、ビル1階に大きな窓枠があり、その外側に置いてある物のことだ。この罠は、至って単純だ。長さ3m、硬く弾力性のある木の板と、円柱形の缶を用意する。円柱形の缶を倒し転がるようにセッティングし、その上の木の板を置く。ただし、缶は必ず木の板の中心にしておく。まあ、子供騙しの罠だな。森を散策していたら、あれらを見つけて閃いたんだ。カイ達に運んでもらってセッティングしてもらった。


(作戦内容は聞いているが、この罠にかかることは、まずないんじゃないか。)


(ええ、まず引っかからないでしょうね。それで、いいんですよ。この罠の成否、どちらに転んでもいいんです。失敗しても、奴らは一瞬戸惑います。その一瞬の間があれば、問題ありません。)


(ふ、そうか、それもそうだな。)


(この作戦の行動時間は、時間にして30分程度でしょう。失敗は許されません。全員のタイミングを完璧に合わせましょう。)


(ラッキー、始めるか。)

(はい!皆さん、作戦開始です。)

(((お~~~~~~、やーてやるぜ!)))


☆☆☆子分A視点


あーくそ、天堂さん、すげー怒ってるな。つうか、昨日誘拐して、身代金受渡しの時間と場所も決まったのに、なんでマスコミに漏れてんだよ。ありえないだろ、人質のこと、なにも考えてないんじゃないか。


「兄貴、どうなりましたか?」


「あー、なんとかまとまった。くそ、ふざけやがって!まあ、そのおかげで身代金の額も昨日の3倍まで釣り上げれたからな。いいか、お前ら、受渡し時間は15時、場所は-----だ。」


「わかりました。でも大丈夫ですか?マスコミ、うろついているんですよ。」


「心配するな。こういう予想外のことも考えて、逃走経路は確保してある。まさか、1日でバレるとは思わんかったがな。おい、お嬢ちゃん達、喜べ!お前らを今日殺すことになった。今から3時間後だ!マスコミにばらした父親を恨むんだな。」


こいつらも可哀想だな。俺はこいつらに偽の情報を与えて逃がすんだろうと思ってたんだが、天堂さんは俺たちに繋がるものは全て消す方針みたいだ、容赦ないぜ。今でも、目隠し、猿ぐつわされてて、耳だけが聞こえる状態だからな。怯え方が尋常じゃない。


------なんだ、下から何か音がしたぞ。


「兄貴、今、音が聞こえませんでしか?」

「ああ、確かに聞こえたな。おい、2人で見てこい。」


「「はい!」」


無垢の壁だからか。ところどころ、音が反響しやがる。それに、誰かに見られてる気がする。


「なあ、林、さっきから誰かに見られてる気がするんだが。」


「止めて下さいよ。ただでさえ、このあたり幽霊がでるて評判な場所なんですよ。早く確認して、兄貴と合流しましょう。」


1階に到着した。そこに居たのは、------2羽のカラスだった。なんだ、カラスかよ。邪魔だから追い払うか。


「おい、糞ガラス、邪魔だから消えろ。ぶん殴るぞ!」


このカラス微動だにしないな。うお、急に飛んだと思ったら、こっちに来やがった。くそー、うざったい、素早い野郎だな。なんだ、急に頭が重くなったぞ。


「先輩、なにカラスに舐められてるんですか。くふ、くふふ。」


「この、このくそガラス、ぶっ殺す。」


そう言った瞬間、ポトと俺の頭の上に何かがおちた。手で触ると、それは-----糞だった?ブチブチ、その瞬間、俺は切れた。


「カラスが~~~!絶対殺す。」


その時、頭の中に声が聞こえた。


(お前みたいな雑魚にやられるかよ。悔しかったら、ここまで来てみな。あと、そこのデブ野郎、てめえもなんなんだ。兄貴とかいう奴にくっついてるストーカーかなにかか。1人だとなにもできないもんな。なんせデブだから、ははははははは~~~!)


ブチブチブチ

「カラスがー、舐めてんじゃねーぞー!!!」


あのカラス、絶対殺す。俺は全速力で走り、窓枠をジャンプした。外に出た瞬間、そこに何かがあり、その上に乗った。なんだ、なんでこんな物が?次に後ろから大声が聞こえた。


「このカラス野郎、俺は1人でもなんでもできるんだー。どいつもこいつも俺を舐めてんじゃねー!」


林が全速力でこっちに来やがった。まてよ、このシチュエーションどこかで見たことがあるぞ。-------思い出した。やばい、あの映画通りになったら、俺が--------


「林~~、こっちに来るな~~~!!!」


だが遅かった。あいつはジャンプし窓枠を超え、木の板に全体重をかけて降りやがった。その瞬間、俺は宙を舞った。何メートル飛んだんだろうか、なぜかスローに感じる。

そして、地面に叩きつけられた。


「うわ~~、ぶはー!」


畜生、物凄い痛みだ。映画では、数分で動けるはずだけど、これは無理だ。

林は、この光景を呆然と見ていた。ち、ちくしょう、声が出ないし動けねー。


「「「カーカーカー」」」


森全体から唸り声が聞こえた。なんだ、なにが始まるんだ。その時、突然股間に痛みが走った。


「がー!痛えー~~~、なんで犬がーーー。」


なんで犬が俺の股間に齧りついてんだよ。は、なんだ、あれは何だ?空から黒い塊か何かが、一斉に俺めがけて降りてきた。そして--------


「ぐわーーーーー、やめろー、やめてくれ~~~!!!」


俺の股間に犬、手首、足首、頭に大量のカラスが噛んでいやがる。それに頭の髪の毛を抜き取ってやがる。しかも、こいつら人の構造をわかってるんじゃないか。手首の腱、足首のアキレス腱を必要以上に噛んで千切ろうとしてやがる。痛すぎてナイフが出せね~。


「痛え痛え~~~!!!、髪の毛はやめてくれ~~~。林、俺を助けろー、」


隙間から林を見ると、嘘だろ!あいつも俺と同じ目にあってやがる。

なんでこんな事になったんだ。どこかで間違えたんだ。いつまで続くんだよ?


(ははは、お前らのボスを恨むんだな。あいつは、俺たちの仲間を何十匹と殺しやがった。安心しろ、殺しゃしねーからよ。その代わり、お前達が生きていく上で、最も重要な物を奪わせてもらう。この状況ならわかるだろ、な、に、を奪われるかを。)


その言葉を聞いた瞬間、まさか、----髪の毛と股間か。


「うわー、痛い、やめてくれ、いややめて下さい、股間だけはやめて下さい、お願いします。」


(ははは、安心しろ。お前らは髪の毛だけにしてやるよ。毛根ごと奪ってやるからな。ははは~~~。)


悪魔だ。俺達いや兄貴は、とんでもない奴に狙われたんだ。



------その後、警察が来るまで、俺は犬やカラス達に何度も何度も、そう何千、何万回も全身を齧られ、股間はボロボロ、髪の毛は根こそぎ全てを奪われた。


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