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転生犬は陰陽師となって人間を助けます!  作者: 犬社 護
犬に転生、新たな飼い主との出会い
17/57

第17話 別の誘拐事件に遭遇しました (生後44日目)

前話のあらすじ

有希ちゃんの両親の捜索に必須となる術をマスターすることが出来ました。まずは目的地までの旅行です。出発して間もなく、良からぬニュースを耳にしました。目的地に到着するまで、一波乱ありそうです。


☆☆☆


昨日の離乳食は美味かった。これからは、離乳食とアリー母さんのミルクが主食となるんだな。レオ、リルも楽しみみたいだ。


『兄ちゃん、今日も離乳食なんだよね。楽しみだな〜、凄く美味しいもん!』

『そうよね、早く食べたいな〜、お兄ちゃんもそう思うよね!』


『そうだな。あそこまで美味いとは思わなかったよ。早く食べたいな。』


朝食の用意が出来たみたいだ。それでは、いただきます。


-------朝食後、みんなと遊び、身体が疲れ一眠りしたいと思った頃に遠方憑依を開始した。


ちょうどその時、テレビから誘拐事件の緊急ニュース速報が流れた。だが、俺がそのニュース内容を知ることはなかった。


☆☆☆


雀→ツバメ→カラスと順調に旅行を開始し、はや1時間、現在地は俺達が住んでいる場所から20kmとなった。さすがに誘拐された女性の波長は見つけられなかった。まあ、冷静に考えてみると、見つけるのは殆ど不可能か。俺が向かっている方向にいるかもわからないんだから。なんで、俺なら見つけられると思ったのだろうか?。霊能力に目覚めて、自分で術を開発できて、ちょっと自惚れてたのかもな。でも、諦めず索敵はやっておこう。よし、仕切り直しだ。気分を切り替えよう。ちょうど、カラスさんが電柱に止まって一休みするみたいだ。


(カラスさん、体調は大丈夫ですか?)


(ああ、余裕だよ。教えてくれた食料の場所や人間の常識のおかげで、すんなりと食事も出来たし、早くみんなにも報せてやりたいぜ。)


(でも、油断したら駄目だよ。人間を怒らせたらまずいからね。)

(わかってるよ。)


俺達が世間話をしているとき、不意に北の方角から波長や気配の乱れを感じた。結構近いな、行ってみるか。カラスさんにお願いし、北に300m程行ったところで様子を伺った。すると、前方10mのところに高校生と中学生くらいの女の子2人がいた。そして、それは起こった。黒いワゴン車がゆっくりと近づき、2人の人間が出てきたと思ったら、一瞬で2人の女の子を羽交締めし、車の中に連れ込み、走り去っていった。は、なんだ今のは?え、どうみても誘拐だよな。え、え、いかん、追いかけないと!


(カラスさん、あの黒いワゴン車、追いかけてくれませんか。)

(なんだ、どうかしたのか?)


(目の前で、女の子2人が誘拐されたんです。下手したら、殺されるかもしれない?)

(誘拐?そんなのほっとけよ。ラッキーには目的があるんだろ。)


(目的はありますけど、目の前で救える命があるなら救いたいんです。と言っても、俺は指示するだけですけど。それに、仲間が殺されたから、人間の男に復讐したいて言ってましたよね。女の子を攫った奴は仲間を殺した男ではないけど、悪いやつなのは

間違いないです。腹いせに仕返ししませんか。大丈夫、カラスさん達に怪我がないようにしますから。)


(女の子に興味はないけど、男に腹いせに仕返しか、面白そうだ。よし、至急、仲間に連絡だ。黒のワゴン車を追うぞ。)


☆☆☆


黒のワゴン車は、都市から離れた廃ビルに止まった。どうやら、ここを拠点にするみたいだ。男達が2人の女の子を車から出し、廃虚ビルに入って行った。ここから見た限り、女の子達は目隠し、猿ぐつわをされていて、凄く怯えていた。まずは、犯人の目的と人数を把握しないと。


(ラッキー、これからどうする?)


(まず、俺達の仲間をここに呼びましょう。犯人達はこの廃ビルを拠点に動くみたいですから。その次に、犯人に見つからないように建物内に入り込んで、犯人の目的と人数を把握しましょう。)


今、ここにいるのは遠方憑依しているカラスを含め、2羽しかいない。さすがに、少なすぎる。


(ふむ、ここに来る途中、何羽かに伝えてあるから集まるまで暫く時間がかかるな。それまでは、俺達だけで見張りということになるか。おい、ここに集まるように伝えてきてくれ。)


(ああ、わかった。ラッキー、多分、凄く集まると思うぞ。)

(え、どのくらい集まりそうかな?20羽くらい?)


せめて、それぐらい集まってほしい。


(はは、そんなわけないだろ。最低でも100羽はいくんじゃないかな?じゃあ行ってくる。)


うそ、さすがに集まりすぎでは?

まあ、いいか。あの男達には犠牲になってもらおう。


ここに到着するまで、数羽のカラスに出会い事情を話した。女の子を助ける報酬として、前払いで食料と人間の常識について教えた。それを実践して、どこまで役立つかを見極めてから仲間を呼び集めると言ってたからな。


(カラスさん、一度中に入って様子を見てみましょう。)

(そうだな、建物の内部を知っておいた方がいいからな。)


窓が壊されてるから入りやすくていいね。廃ビルの中は、シンプルな作りだ。これなら位置も把握しやすい。男共の声が聞こえてきたぞ。


「この2人、どうしますか?どうせ殺すんだし、先に頂いてもいいんじゃないですか。」


「やめとけ!今のところ、人質は殺さない。お前な、誘拐を舐めてるのか。俺達とわかる物は一切残すな。今の世の中、体液が一滴でも残ってたらDNA解析されて、前科がある奴は一発でばれるんだ。あと、兄貴から言われてると思うが人質の前で名前もだすなよ。あくまで目的は身代金だ!兄貴が、どこで想定外のことが起こるかわからないから慎重にいくと言ってただろ。女と遊ぶのは高飛びしてからでいい。」


「わかりました。今、兄貴はどちらに?」

「公衆電話から親に電話してるよ。財閥のお嬢様だからな、かなりの額を絞りとれるぞ。」


その時、高校生の女の子の猿ぐつわが外れた。


「あ、あなた達の目的は身代金だけなんですよね。私達を帰してくれるんですよね?」


「ああ、お前らが余計なことをしなければな!あと、大声をだしても無駄だ。ここは郊外にあるとある廃虚ビルの中だからな。」


「わかりました、なにもしません。せめて、妹の猿ぐつわを外してくれませんか?大声をだしませんから、お願いします。」


「どうします?」

「まあ、いいだろう、外してやれ。」


今のところ、犯人は最低でも3人いるということか。現時点では、女の子達に危害はなさそうだ。こちらも慎重に進めていかないとな。やり方を間違えば、女の子やカラスさん達も死ぬ可能性がある。ちらっと覗いたが、1人は年齢20代前半、身長180cm、髪はやや長く肩まであり、身体はやや筋肉質、今時の青年てところか。もう1人は、年齢10代後半、身長160cm、身体はデブ、見た感じ雑魚に見える。こいつらから女の子を奪還しないといけないのか。よし、とりあえず一旦ここを離れよう。


(カラスさん、一旦、外に出ましょう。奴らの目的の一部がわかりました。)


さて、どうする?このまま何も起こらなければ、女の子達は助かる可能性がある。ここは様子を見よう。迂闊に動けないぞ。


(カラスさん、今は様子を見ましょう。このまま何事もなければ、女の子達は助かる可能性があります。迂闊に動けば、女の子やカラスさん達にかなりの被害が出るかもしれない。)


(そうなのか?ふむ、なら仲間が来るまで待とう。)


(あと、一度身体を動かしたいから遠方憑依を一旦切るね。念話をできるようにしておくから、様子を教えてね。)


(ああ、わかった。ラッキーはどうやって退治するかを考えておいてくれ。)


(了解です。)


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