表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生犬は陰陽師となって人間を助けます!  作者: 犬社 護
犬に転生、新たな飼い主との出会い
16/57

第16話 術の修得とはじめての離乳食 (生後43日目)

前回のあらすじ

ワクチン接種1回目が終わりました。ちょっとしたトラブルがあったけど、無事乗り越えました。けど、なんかやっちゃったみたいです。


☆☆☆


ワクチン接種1回目が終わり、家でレオ・リルと一緒に遊んでしばらくしてから身体が怠くなった。結局、レオ・リルと一緒に眠ってしまい、その日はそこで終わった。翌日、有希ちゃんに念話で昨日の出来事を話した。


(ラッキー、あなたはまたやらかしたのね。)


(え、なんで。黒部先生は霊力を持ってたし、動物達と話せた方が仕事の都合上いいのでは?)


すると、話を聞いていた明希さんが話しかけてきた。


(確かに、教えた方が都合がいいわね。でもね、その黒部先生が悪人だったらどうするの?例えば、動物と話が出来るのなら、密輸に利用される可能性もある。)


(あ、そこまで考えてなかった。俺は良ければと思って。)


(次からは、例え霊力を持っていたとしても、うかつに念話を教えてはだめよ。黒部先生に関しては、こちらで調査しておくわ。)


(すいません明希さん、御迷惑をおかけします。)


(反省してるみたいだから、これ以上は言わないでおきましょう。)


(有希ちゃん、これからは気をつけるよ。ワクチン接種2回目は1ヶ月後だから、今度黒部先生に会ったら、俺も言っておくよ。)


(今度から周辺で霊力を持った人がいたなら、私かお祖母様に言ってね。)


(はい、そうします。)


うーん、前世では大学生だったのに、これではどちらが年上かわからん、気をつけねば。


(あと2回のワクチン接種が終われば、有希ちゃんの家に行けるんだよね。どんな家なのか、楽しみだよ。)


(ふふ、まだ2ヶ月もあるんだから、今はレオ・リルと一杯遊んであげてね。じゃあ、私は今から宿題するから切るわね。)


少し叱られたけど、あまり怒ってなくてよかった。


☆☆☆


さて、俺も霊力に大分慣れてきた。練習を重ねた結果、第3段階のマーキング、第4段階の遠方憑依も修得出来た。そうそう練習中、不思議に思ったことがある。憑依や遠方憑依している時は、霊力がほんの少しずつ消耗しているにも関わらず、不思議と身体に負担がかからないことが判明した。憑依している俺の精神体が仕事をしていて、身体はただ寝ているだけみたいだ。これはいい事だ!


これで、本格的に有希ちゃんの両親を捜索できる。行方不明場所は、明希さんから聞いているから、あとはそこまで行くだけだ。かなりの長距離だから、少しずつ進めていこう。これまでに、カラスのカーくんを起点に飛び回って周辺の動物達(ほとんど犬と猫)と触れ合い、人間の常識と食料の確保方法を教え、それと引き換えにマーキングを施してもらった。ただ、誰1人(カーくんを除く)、俺の姿を知らないんだよな。まあ、現在位置を把握できたからいいか。さあ、今から憑依を利用した旅行だ。桜さん達やアリー母さん達に怪しまれないようにしないといけないから、1回の憑依は2時間にしておこう。不思議と憑依している間、都合が良いことに身体は寝ている状態なんだけど、それでも2時間だ。


(カーくん、今日は宜しく頼むよ。)

(あー、けど途中までだぞ。縄張りがあるからな。)


(うん、次の縄張りが来たら、そこを治める鳥達と相談して移動していくよ。目的地は、遥か先だし遠足のつもりで少しずつ進めていくよ。)


(お前のおかげで、この周辺は大分住みやすくなったからな。協力するぜ!)


そう、カーくんと俺は周辺のカラスと話し合い、この地域の人間の常識を教えたことで、カラスは余計な争いをしなくなったそうだ。例えば、畑にある果物を無闇やたりに食べるのではなく、一区画の各畑から一部分だけをもらい、それを各カラスに配分することで、人間の被害を最小限に抑えることができた。お互い共存していくのが一番だからな。


(ありがとう、これから憑依していく鳥達にも教えていくよ。)


(ああ、そうしてくれ。余計な争いはお互いしたくないからな。おっと、俺はここまでだ。次の奴に代わってくれ。)


(ありがとう。)


俺は、カーくんと別れ、別のカラスに憑依し移動を開始した。


☆☆☆


今日はここまでか。観光気分で飛んでもらってるから、あまり進んでないな。場所を確認したら、楓ちゃんの家から10km程てところか。


(今日はここまででいいよ。明日、また念話するね、ありがとう雀さん。)


(良いってことよ。ラッキーに教えて貰ったことは、この程度の恩じゃ返せそうにないからな。いつでも、連絡してくれ。)


念話を切って、時間は17時になっていた。


『ラッキー、よく寝てたわね。レオ、リルがすぐ横で暴れたのに。』

『そうなの、気付かなったよ。』


横を見ると、2匹はぐっすり寝ていた。


『夕飯は離乳食になるわ。気づいてる?あなた達、歯が生え始めたのよ。』

『本当!離乳食か、どんな味がするのかな、楽しみ〜。』


そんな時、桜さんがテレビをつけると、ニュース番組が始まっていた。キャスターが最新のニュースを言うみたいだな聞いておこう。


「それでは、次のニュースです。N県K市で羽田京子さんが誘拐されてから丸4日経ちましたが、犯人からの連絡は2日目以降ありません。身代金1000万の受け渡しは昨日終了しており、犯人が受け取ったかどうかは依然として不明です。----」


おいおい、誘拐かよ。犯人は捕まっていないか。最悪な結果になってなければいいけど、桜さんも気にしているみたいだ。


「怖いわね。最近は物騒だから、楓にも気をつけるように言っておかないと。」


陰陽師の術が使えてたら一発で解決なのに、無い物ねだり言ってても仕方ないな。無事を祈っておこう。


----待てよ。俺だって、初心者だけど一応霊能力者だ。何か役に立てないだろうか?[索敵]はスマホの電波を利用して波長を覚えた人間やマーキングしたもの(動物)の現在位置を把握する術だが、誘拐された女性の波長を知らない。うん、テレビにその女性の動画がでてる。よし、波長がわかるか試してやる。---やってみるもんだな、分かっちゃたよ!でも、俺が出来るのは、憑依していく鳥達を借りて索敵を繰り返していくだけか。N県なら俺の目的地でもあるし、探してみるか。


☆☆☆


さて、夕食の時間がやってきました。犬用の離乳食、どんなのだろう?桜さんが持ってきてくれたぞ。


「みんな、お待たせ。餌の時間よ。ラッキー、レオ、リル来なさい。待て!」


レオ、リルも尻尾を振りまくってるな。初めての離乳食だからな。


レオ『早く食べようよ。』 リル『早く早く』


『待てだ、2匹とも。動いたら、量を減らされるぞ。』

『『う〜〜』』


「よし、食べよて良いわよ。」


『『やった〜〜、美味しい〜〜!』』


おいおい、2匹ともがっつき過ぎだろ。俺も食べよう。

う、うまい!!!マジで美味いぞ!がぶがぶがぶ------。

横から直哉さんが覗いてきた。


「凄い、がっついてるな。余程、美味しいんだろうな。」

「初めての離乳食だもの、当然よ。楓はカメラ撮ってる?」

「ばっちり撮ってるよ〜。みんな可愛いよ〜。」


あー、結構な量あったのにもう食べ終わってしまった。美味しい物は、すぐ無くなるな。でも、お腹一杯だ、満足だ。なんだか眠くなってきたな。レオ、リルも同じみたいだ。


「あらあら、3匹とも、お腹一杯だから眠くなってきたのかな。ケージの中に行きましょうね。」


俺は、そのままケージの中に入れられ眠ってしまった。お休み〜。


ブックマーク、評価、感想をお待ちしています。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ