半分のリンゴ
そこには、今まで見たこともないような
綺麗な湖があった。
「何か願い事をしたら叶いそうだね」
「アレンは、何か願い事があるのですか?」
「ん~、僕は願い事は自分で叶えてる♪」
「自分で…?」
おねえさんはキョトンとした。
「うん、そう。だって、ただ祈るだけじゃダメでしょ?自ら行動しないとね♪」
「ふふ、そうですね♪」
「あ、そうだ。一緒にリンゴ食べようよ。」
「いいのですか?」
「うん」
僕は、腰に差してあった短剣で、リンゴを半分に切った。
「はい♪」
「ありがとうございます♪」
僕は、リンゴを一口頬張った。
「みずみずしくて美味しいね♪」
「はい…!すごく美味しいです!」
「あはは♪おねえさん目、キラキラしてるよ」
「私、リンゴ好きなんです♪」
「そうだったんだ♪あ、僕はこれ食べたら帰るよ」
「…もう帰ってしまうのですか…?」
「ん、これ食べてからね。おねえさんはまだ帰らないの?」
「あ、はい。私は願い事をしてから帰ろうかと…」
「そっか~。あ、そういや、おねえさん、名前は?」
「あ、サリー・ルルガーです。」
「サリーか、いい名前だね♪」
「そ、そんな…いい名前だなんて…」
サリーは顔を耳まで赤くした。
「よし…じゃあ、僕は帰るよ。」
「気を付けて帰ってくださいね。」
「うん。サリーも気を付けて帰るんだよ?」
「はい…!」
サリーは微笑んだ。