第1夢「夢創戦士誕生」
少し話をしようか
なぜ俺が今ここに居るのか
これは俺が辿ってきた嘘のような本当の話
話は約10年ほど前まで遡る
うちは遥か昔から天皇家に仕える忍の家系として人の世を影から守護する役目を担ってきた
決してその存在を人に悟られず
歴史にも名を刻む事の無い影の者として
決して誰の記憶にも記録にも残らない
誰からも語られる事の無い一族それがうちの家系だ
そして俺も例外無く掟に従い幼い頃より忍としての修行を重ね
夢創忍軍第127代目当主として先代当主の親父から後を継いだ
来る日も来る日も影から人を守る忍務に就いていた
時には地球を侵略しようとしている宇宙人と戦ったり
時にはこの世を支配しようしている妖怪や悪魔と呼ばれる類の奴らとも戦ったりもした
だが1番厄介な相手は組織として活動してる連中だった
あいつらは手を変え品を変えありとあらゆる方法で世の破滅を企んでいた
そんな組織はたくさんあった
そんな悪い奴らの組織全てと俺たち夢創忍軍は戦っていた
たがいつからかその組織が集まり手を組み1つの大きな組織となった
その組織の名は
「コシュマールメア」
リーダーのメアナイトを筆頭に全ての組織を吸収してデカくなった組織だった
そのメンバーは悪魔や妖怪、異星人やら怪獣やらサイボーグまで
もう全ての悪者の見本市とでも言わんばかりのメンバー揃い
更にはリーダーのメアナイトは誰も姿を見たことが無いと言う名前以外一切の詳細がわからないオマケ付き
奴らにはほとほと手を焼いていた
次から次へと何かを企み暗躍する
そしてその情報を政府が掴んで俺達が始末する
そんな無限に続きそうな日々に良い加減限界を感じ始めていたある日
奴らは夢創忍軍の当主が代々受け継ぐ夢想水晶を奪う為に戦いを挑んで来やがった
夢想水晶は当主以外の者には一切秘密にされている為、今は現当主である俺と先代当主の親父以外誰もその存在を知るはずが無い
いったいどうやってその情報を知り得たのかは謎であるが
事実として奴らはそれを狙って戦いを挑んで来た
戦いは熾烈を極めた
相手は数百を超えるであろう軍勢
対してこっちは俺1人
場所は人里離れた山奥にある夢想水晶が安置されている夢創忍軍初代当主が祀られている神社
最悪な事に奴ら俺がこの場所で1人になるのを狙って襲撃してきた
他の場所でも奴らが一斉に暴れ始め他の仲間達はそちらの対応に当たっていた
ここには俺1人
本当に用意周到な奴らだ
どれくらい戦っていたのかわからない
少なくとも朝日を3回見たあとから数える気力すら無くなっていた
援軍は来ない
倒しても倒しても次から次へと襲いかかってきやがる
このままだと本当にヤバイかもって思ったその時だった
突如として青い光が眩しく輝き辺り一帯を包み込んだ
その輝きに目がくらみ目を閉じる
しばらくして閉じていた目をゆっくりと開けると
俺の目の前に夢想水晶が宙に浮いていた
俺はとっさに夢想水晶に手を伸ばし掴んだ
そこで俺の意識は途絶えた
ただ気を失っていただけなのか
それとも眠っていたのかはわからない
だがふと気が付くと俺は全く知らない場所にいた
さっきまで居たはずの場所では無い
周りを見渡しても知らない景色
そして知らない川の河川敷に俺は居た
何が起きたのかを理解しようと俺は思考を巡らせたが恐らくワープのような現象が起きてどこかに転移したであろう事しかわからなかった
そしてもう1つわかった事は
俺の足元に夢想水晶と人形が1体落ちていた
現状は理解した
なので次はどうするかを考えていた時だった
黒いズボン、黒い靴、黒のニットのセーター、黒いコート、そして吸い込まれるような漆黒の黒髪、歳は俺と変わらないか少し上くらいだろう
そんな全身黒ずくめの1人の男が俺に話しかけてきた
男は名前を如月紫苑と名乗った
俺は驚いた
なぜなら周りに人の気配はいっさい感じなかったからだ
場所も決して見晴らしの悪い場所でも無い
人が歩いていれば気配を感じられるはずだし
誰かが近づくと足音で嫌でも気付く
それに俺は忍だ
例えどんなに人が多い街の中であろうと一定の範囲内の全ての気配を察知出来る事なんて当たり前の事だった
それなのに俺は話しかけられるまで全くその存在に気が付かなかった
紫苑の事は話せばかなり長くなるから今は割愛するが
更に驚く事に
紫苑は俺を知っていた
厳密に言えば会った事は無いが
俺の存在を知っていて
夢想水晶の気配を察知して俺を見つけたという事らしい
そして俺はとんでもない事実を知る事となる
俺は違う世界に来たらしい
え?言ってる意味がわからない?
つまり俺が元々居た世界はこことは違う世界
つまりパラレルワールドへ来たって事になる
正直信じられなかった
だがしかしそれを信じざるを得なくなる
この街の名前を知ったからだ
元々俺の居た街の名は日ノ本国家にあるMAD CITYと言う街だった
そして今俺がいるこの場所
日本と言う国の千葉県松戸市と言う場所
俺の居た世界には県と言う物が存在しない
国は天皇家を中心に5つに分かれた各エリアで統治されている
だが共通点はあった
国の形だ
日ノ本国家とは離島の形等々少し違いはあるものの
ほとんど変わらなかった
そして俺はこの現実を受け入れるしか選択肢は無かった
そこから俺の当面の目的は元の世界へ帰る方法を見つけると言う事になる
だがまずは拠点が必要だった
紫苑はまるで全てを知っていたかのように必要な物を全て揃えてくれた
住む場所や生活に必要な物や当面の資金等々
本当に世話になったよ
紫苑が居なければ俺は野垂れ死んでいたかも知れない
誰も俺を知らない世界
日ノ本国家では各エリアごとに拠点があったため
どこへ行っても困ることは無かった
でもここでは違う
この世界では俺は何者でも無いただの無力の人間に過ぎなかった
そこからは紫苑の提案でこの世界を知る事から始めた
1人の人間として働きごくごく普通の生活を送る
それは忍の忍務しか知らなかった俺には新鮮だったよ
忍務に就いていた頃は毎日戦っていたから戦いの無い日々なんて初めてだった
国同士の争いや紛争はあるらしいが少なくともこの日本ではそれは起こっていない
そんな平和な世界は違和感だらけではあったが徐々にこの世界を知っていけたよ
だが平和な事を納得出来るにはそう時間は必要なかった
この世界には悪と戦うヒーロー達がいた事だ
俺の居た世界じゃヒーローなんてテレビの中や物語の世界等の架空の世界だけにしか存在なかった
チェンジレンジャーシリーズや覆面戦士シリーズ等子供の頃に夢中だったよな
そんな戦士がこの世界じゃ本当に実在するとは思わなかったよ
この世界にも慣れてきた頃
俺はある出会いをした
紫苑が1匹の子猫を連れてきた
紫苑が言うには俺と同じで違う世界から迷い込んできた猫らしい
俺はもちろん引き受けた
これが俺が仕える事となる主との出会い
主にも色々事情があってな
どこかの国の王子らしい
普段は話すことが出来ないけれど
たまに数時間だけ話せる時がある
主の言葉を聞いて俺は決めた
主が元の世界へ帰れるように協力しようって
それは紫苑が俺にしてくれたみたいに俺もそうするべきなんだと思ったからだ
普段はみんなと同じように生活をして
時間を作っては元の世界へ帰る場所を探す
そんな日々をしばらく続けていたある日の事
俺は偶然1人のヒーローと知り合ったんだ
その時俺は突然怪人に襲われたんだ
俺は戦闘訓練は怠ってはいなかったから身体能力は普通の人間とはケタが違う
だけど忍び装束なんて着てないし装備も持っていない
それでも何とか怪人を倒した
その時その組織と戦うヒーローが来たんだ
彼は驚いていたよ
生身で戦える人間なんて初めて見たと
そして彼は俺に言ったんだ
戦える力を持ってるならばヒーローやれば?って
だけど俺はずっと影から守護する役目だったので表には出たくなかったしそんな思いすら無かったから断った
元の世界に帰るって目的もあるし
だけど力を持つ者は何かしらの役目が必ずあると彼は俺にそういった
その言葉が少し気になったので
それなら必要であれば助けに行くから呼んでくれ、と連絡先だけ交換した
その後は彼と度々共闘する事になる
俺は彼に全てを話す事は出来ないでいたが彼に対して信頼はしていた
そして彼も俺を信頼してくれ色々教えてくれたよ
この世界のヒーロー達の事や
彼なりのヒーローの在り方等
それは凄く勉強になったし
彼に対して少し憧れている自分もいた
まるで子供の頃に憧れたヒーローを見てる気分だったよ
そしてちょうど1年前の話
俺にとって運命の日が訪れる
俺はいつものように応援要請が来たから向かったんだ
するとそこにはヒーロー達が倒れていた
その目の前に居た相手を見て俺は驚愕した
忘れもしない、ましてや見間違いなんかじゃ無い
俺がこの世界に来る前に戦っていた組織コシュマールメアの幹部の1人ドリメア
奴が目の前にいる
奴は言う
ようやく見つけた
夢想水晶を奪いにはるばる追ってきた、と
いったいどうやってこの世界に来たのかは知らない
そしてそれを聞き出さなきゃならないとも感じている
でもそれ以前に俺は目の前で倒れているヒーロー達の事を思い怒りの感情を抑えきれずにいた
攻撃を仕掛けるも避けられ反撃を食らう
そして相手の思う壺にハマる
重い一撃を食らい意識が飛びそうになる
怒りに任せても勝てるはずは無い
戦いは常に感情を捨て冷酷に接しろ
飛びそうな意識の中で親父の言葉が頭の中で繰り返される
こんな時に失敗してしまうなんて情けない
そんな失望を感じていた時
聞き覚えのある声が聞こえた
紫苑だった
ハッと我に返る
ドリメアの攻撃をかわし
紫苑の肩を借りて何とか立ち上がって体勢を立て直す
紫苑がドリメアに攻撃を仕掛け俺は隙を伺う
そして紫苑が俺に叫ぶ
夢想水晶を使えと
俺は懐に忍ばせていた夢想水晶を掴む
使い方なんてわからない
でも夢想水晶には持つ者の願いを叶える力がある、と代々言い伝えられてきた
祈る気持ちで夢想水晶を握る
俺の祈りに応えるかのように夢想水晶は光り輝いた
その光は俺がこの世界に来た時と同じような眩しく青い光だった
光が収まると夢想水晶はオカリナの形へと姿を変えていた
そして俺は迷わずそのオカリナを吹く
青い風が吹く
そして俺の体を鎧が包む
この時俺は初めて変身した
まるで自分が風になったように体が軽い感覚
ドリメアの動きが止まって見えた
いやドリメアだけじゃない
全ての動きが止まって見えていた
そして俺は手に1本の剣を持っていた
その剣でドリメアを斬る
止まって見える相手を斬るなんて簡単だった
そしてトドメを刺そうとした所でドリメアは逃げた
そして俺はその場で意識を失った
気が付いた時にはヒーロー達が俺を囲んでいた
どうやらみんな無事だったらしい
俺はみんなに俺の全てを話した
みんなは共に戦おうと手を差し伸べてくれた
俺はその手を掴み
改めてみんなに感謝した
そこから俺の戦いは始まった
コシュマールメアは事あるごと夢想水晶を狙って襲ってくる
時には他の人を悲しませて俺を誘き出す
時には人質を取る
手段を選ばない奴ら
俺はそんな奴らからこの世界を守ると決めた
いつか奴らを全て倒し元の世界へ帰る日まで
そして俺は悪夢から夢を守り新しい夢を創る戦士
夢創戦士と名乗る事にした
ヴォルスレイバーってのは紫苑が決めた
夢を飛翔させると言う意味の外国の言葉らしい
これがヴォルちゃんが今ここにいるまでの話
え?まだ気になることがある?
紫苑の事や主の事や持ってた人形の事?コシュマールメアの事や元の世界の事も詳しく知りたい?
それはまた別の時にでも話そうか
その時までのお楽しみ
さて次は君の話を聞かせてくれないか?
今、君が叶えたい夢は何?
ここまで読んで頂きありがとうございました
松戸市のご当地ヒーロー
夢創∞戦士ヴォルス†レイバーの公式物語です
不定期更新になりますがよろしくお願いします




