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元ヒロインと、元悪役令嬢の作戦会議


 私の身体を奪うという恐ろしいことを行なった人物が、ダリア様を陥れるようなことをしている。この事実は、今まで静観していたダリア様に危機感を抱かせた。

 ダリア様はまず、現在ユリーの取り巻きとなっている男子生徒に圧をかけた。もともと、ダリア様が見逃してくれることが暗黙の了解となっていたから、彼等は好き勝手できただけ。公爵令嬢に目をつけられる危険性があると分かるや否や、彼等は迅速にユリーから離れた。

 取り巻きが消えれば、自ずとみんな察する。ユリーのたかが知れているご褒美は完全に効果がなくなり、この一ヶ月でユリーは完全に孤立した。


 きっとユリーは何か行動を起こすだろう。そう思っていたのだが。




「ユリーは相変わらず、家族と話をしようとしません。彼女を理解しようと歩み寄る両親を、ただただ遠ざけるばかりです。」



「そう...。」




 完全に孤立無援となったユリーのこれまでの愚行は、被害者であるダリア様が動き出したこともあり、瞬く間に社交界全体へと拡がった。今までは学生の間でのみ公然の事実だった彼女の本性は、いまや貴族全体に知れ渡っている。

 家では良い子でいたユリーの悪評を聞いた両親は、ユリーにも事情があるのだと考え、寄り添おうとした。悩みがあるなら話してほしい、一緒に公爵家に謝りに行こう。両親は様々な言葉をかけたが、ユリーはこれまでの愛想の良さを捨てて、両親と一切会話をしなくなった。




「私はてっきり、ユリーは噂を否定するのだと思っていました。ダリア様に貶められている、とか。」



「えぇ、私もよ。...なぜ彼女は、両親にすら口を噤むのかしら。なんだか不吉だわ。」



「そうですね...真意が掴みきれない...。」




 私とダリア様の当初の予定は、悪足掻きをするユリーを上手く躱しつつ、私が身体を取り戻す方法を考えるというものだった。しかし、公爵家の力を使って調べてみても、やはり彼女は何も怪しいことをしていない。

 ユリーが何も反抗していない今、私たちはとりあえず体を取り戻す方に注力できる。注力はできるが...なんとなく、釈然としていないのも事実だ。




「今度、王家主催のパーティーがあるでしょう?私としては、何かあるならそこだと思っているわ。きっと、今の彼女では何をしてもみんなから相手されない。だから、大きな舞台で何かをするつもりじゃないかって。」



「そ、そんなの一か八かじゃないですか!王家主催の場で、次期王太子妃殿下を貶めようとするなんて...あまりにも愚かだわ。」



「今までだって充分愚かなことをしてるじゃない。だからこそ、賭けに出るのよ。」



「...場合によっては、処刑されるかもしれない...ですよね...。」



「よっぽどのことをすれば、ね。それよりも可能性として高いのは、無期投獄よ。そうなったら、もし取り戻す方法が見つかったとしても肝心の身体は檻の中。鏡の世界で自由に動ける方がよっぽどマシだわ。」



「つまり、そのパーティーで彼女が事をしでかすまでに、体を取り戻す必要があるのですね。」



「そうね。できるだけ早いに越したことはないと思っていたけれど、まさかこんなに早くタイムリミットが迫っているとは思わなかったわ。」




 王家主催のパーティーまで、およそ一ヶ月半。

 それまでに、方法を見つけなければならない。方法を見つけたとして、すぐ実行ができることかどうかも分からない。




「リリィ。貴女は今日から、情報集めをしてくれる?おそらくユリーを監視していても、進展は見込めないでしょうから。」



「分かりました。図書館の本とか、色々と漁ってみますね。」



「私も私で、ちょっと動いてみるわ...。」




 ダリア様がどのような考えをお持ちなのか、私にはよく分からない。でも私は、ダリア様を信じて動くと決めていた。


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