表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/9

自己紹介

体育館では始業式が行われた。校長をはじめ様々な先生たちが云々かんぬん話をしたのち、表彰が行われた。始業式開始から約一時間弱で私たちは体育館から解放され教室に戻った。戻る前に学年主任の先生から学年集会は後日行うと伝えられた。


ぶっちゃけ体育館はあんまり好きじゃない。なんか変なのが多いから。慣れてるとはいえ変なのはなるべく見たくない。



「おし。じゃあ自己紹介やってくぞ!前の人が言ったことに合わせるも合わせないも好きにしてくれ!ただ最低限言ってほしいのは名前と趣味または好きな何かだ。それ以外は好きに自己を紹介してくれ!」


全員が教室に戻り、自席に座ったのを確認した先生はさっそく自己紹介について話し出した。


じゃあ出席番号1番と33番の二人じゃんけんしてくれ。と先生。


勝った方が先か後か決めるやつだろう。1番の子と33番の子が立ちじゃんけんを始める。

結果1番からスタートすることになった。


順調に自己紹介が進んでいき、とうとう私の番になった


「城沢和沙です。好きなこと、は」


しまった。好きなことを考えておくのを忘れていた。


ぱっと出るような趣味などは生憎持ち合わせていない。

好きなこと、もの...


「猫が好きです。一年間よろしくお願いします」


そういって私は椅子に座る。


危なかった。と.胸を撫でおろした。


咄嗟におばあちゃんの家で飼っている猫を思い出せてよかった。実際私は犬派か猫派だと猫派なため嘘は言っていない。ただ近場に猫と触れ合える場所がないってだけで。


その後も自己紹介は順調に進んでいき、転校生の番となった。


「さっきも聞いたと思うけど紅前樺月です。今年の春休み中に引っ越してきました。まだここら辺について詳しくないので教えてくれると助かります。好きなことは誰かと話すことです。これからよろしくお願いします」


転校生もとい紅前くんの顔を改めて見て驚いた。先ほど私の席を教えてくれた子だったのだ。始業式前に見る機会はあったのだが丁度私より後ろの席だったので自己紹介時に見ればいいか。と思ってしまい今の今まで気が付かなかった。


驚いた理由はもう一つある。紅前君の守護霊だ。先生のように光り輝いているわけではない。また別タイプの特殊な守護霊だった。普通の守護霊は体全体から出ているような感じなのだが、紅前君の守護霊は両耳から出ていた。さらにそういった体の一部から出ている守護霊は決まってみな普通の守護霊より薄いのだ。目を凝らせば形がぼんやり見えるが、普段はもやのように見える。まあ私からしたら人が見やすいので助かるのだが。


そんなことを考えていたらいつの間にかクラスメイト達の自己紹介は終わっており先生の自己紹介に移っていた。そんなに考え込んでいたのか私。



そして先生の守護霊、相変わらず眩しい。見続けたら目つぶれそう。



藍田光一(あいだこういち)だ。今年からこの高校に新任されたから色々教えてほしい!好きなこと兼趣味はお菓子作りと筋トレだ。他に聞きたいことはあるか?答えられる範囲で答えるぞ」


キャラが濃い。とにかくキャラが濃かった。筋トレとお菓子作りって。対局に存在している趣味だと思っていたんだけど。


「はーい、先生質問」

「なんだ?」

「その話し方は素なの??」

「いや!威厳あふれる話し方を調べてマネしているだけだ!」

「じゃあ素の話し方ってどんなの??」

「素は、普通の話し方ですよ。友人からは上品と言われたんですけどね」


どっちで話しても結局キャラが濃い。でも素のほうだとお菓子作りが趣味と言われたら納得できる。筋トレはできない。


「素の話し方のほうがいいよー話しかけやすそう」

「そうですか、夜なべで頑張って威厳を出したんですけど...」



結局威厳が強くなる話し方は怒るときにすることになった。新学年そうそうに担任の先生の話し方で議論するとは思っていなかった。



その後、明日以降の予定と持ち物などを伝えられ解散となった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ