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帰宅

本編に戻ります


その後は帰り道を歩きながら四人でずっと話していた。

私はあまり人と話さないから助かった。同じく帰り道を歩きつつ、それぞれ四人のことをよく観察することができた。

やはりみんなそれぞれの能力に関係するところからもやのようなものが出ていた。

案の定、全員よく目を凝らさないと視えなかった。



(五感の延長とこのもやは関わっているようだけど、どうしてこんなにも視えにくいのか…)



そのまま四人の会話を聞きながら帰り道を歩いていた。



「あ、私こっち」


右に行く曲がり角を指さした。どうやら他の四人は曲がる素振りがないためこのまままっすぐ行くようだ。


「そうか…同じ帰り道だったらよかったのだが」

「はあ?!何もよかねえだろ。むしろ別々の方がいいわ」

「違うよ紺。同じなら送ってあげられるだろう?女性一人の帰り道は危ないんだから」

「確かに。この後なにもなければ送ってあげられるんだけどね」

「?何かあるっけ」

「一回本部に戻ると昨日言っただろう」

「あー、忘れてた。和沙のせい」

「こら。インパクトが強いってことを端折らないの」


(それを言ったとしても、な気がするけど)


「それ言ってもフォローにならない気がするのは俺だけかい?」

「ならないね」

「あれ…?」

「無駄話してないでさっさと行くぞ」


気が付くと紺汐は数歩先に進んでいた。


「また話し込んでしまうところだった、すまないね。城沢気を付けて帰ってくれ」


送ってやれなくてすまないとでもいう風に少しほほ笑んだ。


「本部行きたくないから和沙についてく」

「だーめ。ほら行くよ。城沢ちゃん、気を付けてね?」

「大丈夫だと思うけど、気を付けるよ」


そういうと彩木は満足そうに閃雪を横に抱えた。

ひょいと擬音が付きそうなほど軽々しく。



(…抱えた????)



漫画でよくある驚いたときに目が飛び出す演出があるが、まさに今、自身の体でそれが起こったかと思った。


「慧、抱えんな降ろせ」

「降ろしたら城沢ちゃんの方について行くでしょ?」

「行かないから、降ろして」


なんてやり取りをしながら紺汐の方へと歩いて行った。

その光景を思わず指さし、紅前の方を向いた。


「ん?ああ、驚くのも無理はない。あの見た目であそこまで怪力な人間はそうそういないだろうからな」

「喧嘩弱いとかうそでしょ…」

「いや実際弱いんだ。まあ、弱いといっても喧嘩の仕方を知らないから、なんだが」

「それは、教えないで正解だと思う」

「ああ、俺もそう思ってる」

「おい紅。行くぞ」

「今行くよ。じゃあ気をつけて帰ってくれ」

「うん。じゃあね」

「ああ、また明日」


そういって紅前は紺汐たちの方へと歩いて行った。

私はその背中を少し見た後、曲道を曲がった。



そのまま自宅まで道なりに歩いていた。

薄暗いなか一人でいつもと同じ道を帰っているだけなのに、少しだけ風が冷たく感じた。



『がちゃ』


「ただいま」


『がちゃん』


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