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クラス替え

東京都某高等学校 AM8:10

四月、高校二年生にあがりクラス替えをするこの時期

私、城沢和沙(しろさわかずさ)は友人、堂仙(どうぜん)一香(いちか)と登校しお互いに自分の名前を探した。



「あった!」

「お、何組だった?」

「3組、だね」

「私もいるかな」


友人と二人で唸りながら自分の名前を探す


「な~い...」

「離れちゃったか」

「ガチでショック。今日の朝起きてから家出るまでずっと祈ってたのに」

「そこまで同じクラスになりたかったの?」


私は自分の名を探しながら一香に聞いた


「だって新しい友達作りってしんどくない?み~んな必死だし、猫かぶらないとだし」

「要は面倒くさいってことね」


私は屈めた腰を伸ばす


「もちろん和沙と離れたくない気持ちも大いにあるんだよ??」

「そりゃどーも。そこに残念なお知らせ。6組だってさ」

「うわ結構離れた最悪」

「隣だったら何かと接点あるけどさすがに3クラス離れてると接点なくなるね」

「はあ...友達作りしなきゃか~」

「とかなんとか言ってるけど同じ部活の子とか一人はいるでしょ?」

「いるけど~...」

「ならなんとかなるでしょ。うじうじ言ってても始まらないからほら、移動するよ」

「んー」


私と一香はクラス替えの表が張られていたボードの前から校舎内へと移動した

途中そういったモノをちらほら見かけた。クラス替えとか新学年とか何かが変わっても私の見る景色は何も変わらなかった。


「はぁ...」


思わずため息をついてしまった。この景色にはもう慣れてるというのに。

一香を見るがどうやら溜息には気づかれなかったようだ。

ほっと一息ついていつもの景色の中、一香と校舎へ向かう


「そういえば新しい学年、新しい年だから転校生とか来るのかな?」

「さあ?なんか異常にそういう情報詳しい子いるよね」

「いるいる。うわー聞いとけばよかった」


そう言った一香はスマホを取り出す


「あ、この高校にもいるんだ」

「うそ。知らないで言ったの?」

「中学まではいたなーって思って」

「あーね。うん。この高校にもいるよ。どこから情報得てるかわかんないけどね」


暫く触ったあとスマホを仕舞う。どうやら今連絡しても意味がないと悟ったようだ。



「ふーん。先生と仲いいとかじゃないんだ?」

「うん。そういう雰囲気ない。でも当たるんだよね。あだ名は預言者」

「何それ。転校生来るかどうかわかるだけじゃないの?」

「さあ?そこまで詳しく知らないし」

「一香って友達関係広く浅くだよね」

「この流れでそれは褒めてる?」

「褒めてる褒めてる」

「嘘っぽーい」

「そんなことないって。ほらついたよ教室」

「あ、ほんとだ」



一香とそんな会話をしながら歩いていたらいつの間にか教室へとついていた。一香とわかれ自身の教室に入る。



”転校生が来るかどうかを完璧に当てる人、私みたいに殆ど役立たない能力を持ってる人がいるらしい。”



自分の席を探しながら先ほどの一香との会話を思い出していた。

転校生が来るかどうかを完璧に当てる、殆ど役立たないと言っても私よりは役立っている。こんな目よりそういう能力が欲しかった。


...ってそんなこと考えたけどまず本当にそういう能力なのかわからないのに何でそんなこと思ったんだろう。


それでいえば先ほどもいつもの景色に思わずため息をついてしまった。いつもの景色にため息なんて。まるでそれに嫌気がさしてるみたいじゃないか。今までそんなことなかったというのに。何かおかしい。もうとっくの昔に諦めたことだというのに。


自席を確認しながらそんなことを考えたせいか、確認したはずの席の場所を忘れてしまった。


(また確認しなきゃ)


そう思い、座席表が張られている黒板へと引き返した。が、ちょうど見ている人がいたため少し離れて待つことにした。急がなくていいですよのアピールとしてスマホを取り出す。



「名前は?」



ロックを解除してスマホをいじろうとした時、声が聞こえた。

顔をあげると席を確認している人がこちらを向いていた。

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