騒がしい人たち
「さて本題に戻るが、俺らの主な仕事はそういった目に見えない方々のお相手なんだ」
「時々人間もいるけどね」
ぼそっと閃雪がつぶやいた。
「シッ!」
「そこに私をスカウトするってことは…」
じっと紅前を見た。すると紅前は目を閉じる。
(怪異とかが視えるからってことだよね)
自己紹介をしてもらった時、視覚の延長だけいなかった。おそらく私のように視える人がいなかったのだろう。国公認の組織になら一人ぐらいいそうなものなのだが。
「あぁ」
「……」
肯定の返事のみされた。そのまま見つめ合う。
少しの間見つめ合い、私はたまらず目を伏せた。
「…ごめん。ちょっと時間欲しい。新学期早々情報量多いかも」
「いきなり組織とかそうなるよね」
無理しないでとほほ笑む彩木。
「そればかりは申し訳ない。今日はもう解散にしよう」
そういって紅前たちと一緒に教室を出て校舎を歩いた。
新しい学年に切り替わったからか、校舎内に人は殆ど残っていなかった。
どうやら部活動も行っていないようだった。
「そうだ。和沙、連絡先教えてよ」
教室を出て早々に閃雪が突拍子もないことを言った。
「確かに。他に聞きたいこととか、変なのに巻き込まれた時用にいいね」
「慧、つまんない」
「俺はいやだ。お前らで交換しとけ」
「む、なら俺もか」
「紅がやるぐらいなら俺が交換する」
「めんどくさ」
「もうみんなで交換しようよー」
「なんでもいいから早く…」
ずっとQRコードを差し出したままなので思わず声をかけてしまった。
別に連絡先交換しなくてもいいのに…
(まあ、やばそうなのいたら連絡できるし…)
「紺はしなくていいよ。僕は個人的に仲良くなりたいし」
ひょこっと四人の輪から閃雪は抜け出し、私の連絡先を追加する。
「僕、1-4だから滅多に会えないし」
「えっ、年下?」
「言ってなかったっけ。慧は3年だよ。3-1だっけ」
「え、あぁうん。なんか分かる」
「紺は2年。和沙気を付けてね。あの冷静ヤンキーに」
「聞こえてるぞガキ」
「一年違いでガキは大人ぶりすぎ」
「あぁ?!」
「わかった気を付けるから」
また喧嘩が起こりそうで気を付けるなんて言ってしまった。
そのせいか紺汐がツカツカと寄ってきて、QRコードを読み取った。
「このガキに頼るぐらいなら同学年を頼れ。紅に頼るのは許さない」
「俺は構わないよ紺。それに俺が一番城沢に近いんだ」
「あれ、同じクラスなんだね」
紺汐に続いて、紅前と彩木が言いながらQRコードを読み取る。
(結局全員と連絡先交換した…まあいっか)
その後、流れで一緒に帰ることになった。




