337話 107でショッピング?
灰川たちは渋谷の有名なファッションビル、107に向かう。夕方の渋谷の道はどこも混み合っているが歩けない程ではない。
看板には明かりが点き始め、学校帰りの中高生や大学生、会社帰りの人達が夕暮れの自由な時間を楽しんでいる。
その逆にショップで働く人たちはこの時間からが本番だ、繁華街の忙しい時間は夕方から始まるのだ。
「桜、歩く速さは大丈夫か? 早かったら遠慮なく言ってくれよな」
「うん~、丁度良い速さだよ~、ありがとう灰川さん~」
「何回か一緒に出掛けて桜に丁度良いスピードも分かって来たしな、古本屋に行ったの楽しかったな!」
「むふふ~、灰川さんにそう言ってもらえると嬉しいな~、点字書籍がいっぱいあったの運が良かったよ~」
介助をしっかりしつつ歩いて行き、空羽と由奈も歩調を合わせてくれている。だが別に歩きが遅いという訳でもなく、順調に街中を進んで行く。
どこの飲食店に入ろうか迷ってる会社員グループ、カラオケ店に談笑しながら入って行く高校生グループ、夕方からの渋谷デートを楽しむカップル、今日も渋谷には様々な享楽を求めて人が集まっている。
灰川たちもその一団だ、日頃の鬱憤を忘れて買い物しに来ている。今日はややこしい仕事の話や気分の落ちる話はナシのショッピングだ。
「そうだ灰川さん、折角だし普段はしないような怖い話とかないかな? インナー関係の怖い話とか」
「いや、そんな怖い話とかあったかな、う~ん」
空羽がそんな話をして来るが、こんな容姿の整った子にインナーがどうとかの話をされると、灰川は内心では心臓が早くなる思いだ。
空羽の距離の置き方も絶妙だ、近いのに近すぎる感じはせず、親密さと好感がより深まる距離を歩いてる。
やっぱり空羽は美人だなと灰川は思う、可愛さと美人さの均整が取れたルックス、健康さのあるスマートな体型、サラリとした流れるようなセミロングの綺麗な髪が凄く彼女を引き立てる。
声もやっぱり良い、耳に心地よく響いて染み込む綺麗な声だ。ずっと聞いて居たくなる、聞いてるだけで気持ち良くなるような声質、この声の子とお喋り出来たら幸せになれそうだと確信できる声だ。そんな空羽と喋ってるんだったと、ハっと気付かされる。
「インナーのお話がなかったら、誠治の好きな靴下の話でも良いわよっ! 体操服の怖い話でもいいわねっ、わははっ!」
「ふふっ、灰川さんって靴下も好きなんだよね。体操服が好きなら、高校卒業する前に着て見せてあげた方が良いかな?」
「ちょ!そんな事はない! 特別に何が好きとかないから! 普通に落ち着いた服装とかの方が良いからな!?」
皆はVtuber活動を通して、そういう知識もそこそこ知ってはいる。由奈もネットやら母の興味深い話やらで色々と変に知っているのだ。
年齢制限に引っ掛かるものは率先して見たりしないのだが、それでも偶には何かの拍子で表示される事もあるし、自分のVのファンアートを検索したりしたら際どいイラストとかが出て来る事もある。
センシティブやマニアックな知識は年相応に持っており、年相応に耐性なんかも多少はある。それでいて好意を抱いてる灰川に対しては、それらの知識は活かすし、そういうトークもしてみたいという興味もある。
桜はイラストは見れないが文章読み上げ音声なんかでそういう知識は得ており、時折に自室で顔を赤くしながら聞いて知識を深めてたりなんかもするが、灰川にはそういうことは言ってない。空羽や市乃たちの仲が良くて口の堅い女子グループには少し明かしている。
「むふふ~、灰川さんはインナーと靴下と体操服が好きなんだね~、私はよく分かんない所もあるよ~」
「桜までぇ!そういうのじゃないっての! 外でそんな話しなさんなってっ」
「大丈夫だよ~、周りの人たちもセンシティブなお話してる人も多いから~、むふふ~」
「通行人の会話なんて誰も聞いてないよ灰川さん、ただのおふざけ笑い話なんだから、ふふっ」
センシティブトークなんて今時は普通なのだろうが、少し硬い考えを持つ灰川には慣れないものだ。男とそういうトークをするならまだしも、女子相手にそういう話をするのは本格的に慣れてない。
これがモテる男だったら清潔感を保ったまま爽やかにトーク出来るのかもしれないが、灰川は自分は違うと自覚してる。
通行人の話など空羽の言う通り誰も聞いてないものだし、現に誰かが聞き耳を立ててる様子もない。笑い混じりの話だし、そもそも周囲の喧騒に紛れて街中では他人の会話なんて聞こえないものだ。
所詮は冗談の笑い話トークだ、聞き耳を立てるに値しない話、そんな会話を4人で楽しんだりドギマギしながら歩いて行く。
「あ、そういやインナー関係の怪談ってあったな、これは前に聞いた話なんだけどな~…」
「「「あるんだ…」」」
そうこうしてたら灰川が怪談を思い出し、107に向かう道中の時間潰しに話し始めた。
ランジェリーデザイナーの体験
大手衣服メーカーの下着部門でデザイナーを務めるAさん(女性)は、ランジェリーファッションショーに出展するための良いデザインが浮かばずに居た。
このファッションショーは日本で最も優秀な下着デザインをした人を決めるコンテストでもあり、優秀賞を取る事は凄い名誉な事だ。
ここを逃せば次回の開催は3年後、会社で推薦され出場できたのは思ってもみない幸運だ。努力が認められた嬉しさもあるし、推薦してくれた会社にも感謝している。
Aさんは自分の今後のためにも入賞を果たしたい、デザイナーとして生きて行くなら箔だって大事なのだ。
「思い切ってウエストラインまで面積のあるショーツ…いや、やっぱり肉体美を際立たせるローライズも~……」
Aさんは会社に残ってデザイナー部署の縫製室で悩む、既に夜の9時を回ってるが気にも留めない。
外生地と内生地はどうするか、配色はどうすべきか、そもそもデザインはどうすべきか。専門的な悩みもあるし、審査員や大衆に受ける機能性もデザインも両立した優秀な構想がなかなか決まらないでいた。
そんな中で縫製室に誰かが訪ねて来た、Aさんが知らない若い女性であり、広告部署のBさんと名乗ったらしい。
「今度のショーコンテストに出すんですよね? なかなか決まらないようで」
「そうなんですよ、どうすれば多くの人に受ける物が作れるか悩んでて…」
内心ではストレスが溜まっていたAさんはグチを漏らしてしまうが、Bさんは話を聞いてくれた。
ストレスを吐き出せたAさんはスッキリしたが、やはり良いアイデアが浮かばない。
「悩んでいるなら会社の近くの神社に行くと良いですよ、悩み解決の御利益がありますから」
「あの小さい神社? そうなんだ、今度行って見ようかな」
そんな話をしてBさんは去って行き、Aさんも程なくして会社を出た。
会社を出た時にBさんと話した神社の事を思い出し、気になったから今から行こうと思い立つ。明日からも忙しいし、こういうのは気が向いた時に行くのが一番だろう。
少し歩けば会社近くの神社に着く、通勤途中にあるのに1回も入った事がない神社だった。
夜の神社は少し不気味だが、意を決して入って見ると意外にも安らぐ気持ちがする。小さい神社ではあるが神主なども常駐している神社で、明かりもある程度あるようだ。
「良いアイデアが浮かびますようにっ、入賞できますようにっ、デザイナーとして成功できますようにっ!」
お賽銭を入れて手を合わせ、しっかりと願掛けして帰宅したのだった。
次の日から出るわ湧くわのアイデアの嵐!、生地も理想120%の物が見つかり、デザインはロングショーツもショートショーツも思いのままに良い物が浮かんで、縫製作業も才能が爆発開花したかのように上手く行く。
そしてAさんは見事にショーで最優秀賞、念願の1流デザイナーの仲間入りを果たしたのだった。
しかし変な事があった、会社の人に聞いたらBさんという人は居ないと言われたのだ。じゃあアレは夢だったのかと思い、気になりながらも神社にはお礼のお参りをしに行ったそうだ。
「すいません、先日にこの神社で願掛けをさせてもらったのですが、お願いが叶いまして礼をと~~……あっ!」
Aさんはお礼に賽銭をしてから神社の御守りや御札を買って行こうとしたのだが、御守りなどの販売所に居た巫女さんに見覚えがあった。明らかにBさんだ!
「お願いが叶って良かったですね、おめでとうございます」
「あ、いえ…どうも…っ」
Bさんに見えるけど別人な筈だ、会社には関係者以外は入れないのだから。
「きっと神様がAさんの日頃の行いを見て下さっていたんですよ、例えば通勤途中に神社の前の道路に捨てられていたゴミを拾ってくれた事とか、ふふっ」
「えっ、そういえば、そんな事もあったような…何で知って…」
「そのゴミが放って置かれたら、車の運転手が動物と勘違いして避けて、大事故が発生して多くの被害が出ていたかもしれませんよ」
「えっ? えっ?」
「もしかしたら可燃物を積んでいたタンクローリーが事故に巻き込まれて爆発炎上して、この神社も燃えてしまっていたかも知れませんね。きっとその行いを神様が評価されたのでしょう」
やけに具体的で生々しい話だった、Aさんは少し怖いなと思いつつもお礼をしっかりして神社を出たのだった。その後も普通に会社でデザイナーをやっている。
Aさんは、もしかしたらあの巫女さんもBさんみたいに本当は居ないなんてこと……とも思ったそうだが、その巫女さんは会社近くのスーパーで普通に何度か会ってるらしく、挨拶も交わすとの事だった。
「こんな話があるんだよな、インナーがメインって程の話じゃないけどさ」
「デザイナーさんが体験した話ね! ちょっと怖さもあるけど良い話だと思うわ!」
「それってデザイナーさんが特定できちゃうんじゃないかな? 最優秀賞を取った人なんだし」
「名前は忘れちゃったから仮名にしたけど昔に本人がテレビで話した事だしな、問題はないんだろ」
「神様が巫女さんの姿を借りて御利益をくれたのかもだよ~、不思議なお話だね~」
古来から巫女は神通力を得ると言われたりするが、もしかしたらその一つだったのかも知れない。実話だったら何とも不思議な話だろう。
善を成して身を助ける、小さな行いが実は大きな悲惨な事故を防いでいた、もしかしたら世の中にはこんな話がもっとあるのかも知れない。
「到着だな、やっぱ107は若者が多いなぁ」
「灰川さんも若者だけどね、ふふっ」
「中学生と高校生もいっぱいね! みんな楽しそうだわ!」
「色んな音がするね~、ファッション系のお店の匂いも入る前からしてるよ~」
怪談をしてたら107に到着し、特徴的な形のビルに入る。店頭にはイベントスペースなどもあるのだが、今は特になにもやっていない。
中は入り口付近から所狭しとお洒落なファッションのテナントが並び、衣服はもちろん、バッグ、シューズ、アクセサリー、コスメ、雑貨にカフェ店、若い女子向けの色んなお洒落な店が並び立つ。
ここは若い女子のオシャレの聖地と言っても過言じゃない場所だ、現にここから始まったブーム商品や流行ファッションもあり、今も存在感と知名度は変わらず高いファッションビルである。
107の全盛期にはカリスマ店員という販売員が居て、その人が着た服は飛ぶように売れるなんて事もあったらしい。今でいうスーパーインフルエンサーみたいなものだろうか。
今は全盛期とは言えないだろうが若者女性ファッションの界隈においては無視できない存在の店だ。
ちなみに怪獣映画では偶に破壊されてる建物でもあり、特撮好きに107の話をしたら『○○の映画で破壊されてたよね!』とか返って来たりするとかしないとか。
「何処に売ってるのかしらっ? 1階には無さそうねっ!」
「じゃあ2階に行こうか、上の方が服系は多いしね」
「うへぇ~、やっぱ女子客が8割だな、男の居る場所じゃねぇや」
「むふふ~、女の子と一緒だから灰川さんも大丈夫だと思うよ~」
右を見れば女子大生、左を見ればギャルファッション、前を向けば女子高生が群れ成してショッピングに耽っている。
「さっきのタートルネックの方が良くない? あっちの方がミサに似合ってるって!」
「でさぁ!ミカのカレシがさぁ!」
「え~?マジ~!? 107って107式戦闘機のプラモ売ってないの~!? ありえな~い!」
色んな所から雑多に楽しむ声が聞こえて来たりしつつ、目当ての商品を探す以外にも皆でウィンドウショッピングを楽しむ。
「このバッグって凄い数のリボンが付いてるな、使い難そうな気がするぞ」
「こういうのは目立ち重視のバッグだよ、実用性より目立ちを特に気にする子が使うかな」
「私はバッグならこっちのブルーのショルダーバッグが使いやすそうって思うわ! 物もいっぱい入りそうねっ!」
「私は色とかは分からないけど~、ショルダーバッグが使いやすいかな~」
一口にバッグと言ってもオシャレな物からスタイリッシュな物まで色々とある、ショップ店員も冷やかし客の見極めには慣れてるので、わざわざ声を掛けて来たりはしなかった。
「あっ、ここのブランド、私は好きなんだよね。落ち着きと派手過ぎないデザインが好きなの」
「このスウェット可愛いわねっ! 誠治っ、私に似合いそうかしらっ?」
「う~ん、個人的には由奈にはこっちの色の方が似合いそうな気がするけどな」
「手触りの良い生地だね~、落ち着く感触だよ~」
ここのショップは若者がターゲットであり、高級なハイブランドは入っていない。値段も異常な高さという事は無く、一般中高生が小遣いやお年玉なんかを貯めて買える商品が多い。
「靴も色んなのがあるね、ブーツとかも揃ってるし見てるだけで楽しいよね、ふふっ」
「私は誠治とデートに行った時にショートブーツを履いてたわねっ! 今度はロングブーツにチャレンジしたいわ!わははっ!」
「灰川さん~、私に良さそうな靴ってあるかな~? そろそろ新しい靴を買おうかな~って思ってるんだ~」
「桜はスタイルも良いし靴なら何でも似合いそうだな、でも点字ブロックを識別しやすいスニーカー系がお勧めだな。靴底が厚いブーツとか履きたい時は俺とかに気軽に声掛けて介助させてくれよな」
そんな話をしながら施設内を歩くのだが……なんと107にはお目当ての品、ノンギルティインナーは殆ど売り切れ状態で、商品を選ぶ余地はなかったのであった。
「まさか売り切れてるなんて思わなかったかも、やっぱり流行ってるんだね」
「ちょっとはあったけど合うサイズが無かったりだったわねっ! 売れ筋のデザインは売り切れてたわ!」
「残念だったね~、せっかく灰川さんも一緒なのに~」
107は流行ファッションの商業施設として有名であり、ブームの品を若者がこぞって買いに来る場所だ。
入荷数や制作数も多いのだろうが売り切れるのも早い、そういう場所である。
「107だけじゃなくて、近隣のファッション店にもノンギルティインナー売り切れとかの札があったな、本当に売れてるっぽいぞ」
「うん、渋谷のこと甘く見てたかも…」
近場のファッション店も少し回ったのだが売り切れ状態だった、流行ってはいるが無謀な量の生産は何処もしてないようで、先を見据えたビジネスをしてるらしい。
ノンギルティインナーはコピー商品などもあるし、個人ブランドなどでも作っているようだが、それらも大量生産はしてないらしく軒並み売り切れ状態なのだ。
いったん休憩と称して灰川を尻目に3人のコソコソ話が始まる、もちろん灰川には聞こえないようにだ。
「う~ん…どうする由奈ちゃん、桜ちゃん? このままだと灰川さんを~~……」
「そうね空羽先輩っ、こういうことは早くしたいわっ、誠治の目をもっと私たちに向けさせてやるんだからっ」
「むふふ~、私も灰川さんにだったらアピール頑張れるよ~、色々と本の読み上げ音声とネットで調べたからね~」
そんな話を3人がしてるとは露知らず、灰川は少し不安な気持ちになっている。
時折に通行人が灰川一行の方を向く事があり、灰川以外の3人に視線が行ってしまう人が居るのだ。空羽は身バレ防止の格好をしてるとはいえ、それでも目を引いてしまうらしい。
目を引くと灰川はヒヤリとする、空羽は配信頻度は非常に低いしアーカイブも順次に消すとはいえ、実写チャンネルも持ってるから身バレの可能性は高めだろう。
由奈と桜も何気に目を引いてる、由奈はツインテールヘアが凄い似合ってるし、桜もナチュラルに可愛いし雰囲気の柔らかさが目を引くのかも知れない。
声バレの危険は実は少ないだろう、配信の時の声と普段の声は意外と違うものなのだ。それに声だけで本人だと確信できるほど耳に自信がある人も世の中には少ない。
それでも不安な気持ちはある、気にし過ぎなのは分かっているのだが、やっぱり不安が拭いきれないのだ。
「あっ、そうだっ」
そんな事を思っていた時、灰川は前に富川Pこと国家超常対処局のサイトウからもらった情報を思い出した。
「どうしたの灰川さん? なにかあったかな?」
「いや、実は思い出した事があってよっ、前に凄い良いブティックがあるって聞いたんだよ、紹介制だか会員制の完全プライバシー順守のブティックなんだってさ」
「えっ? 灰川さんってそんな所とか知ってるの?」
サイトウからは安心して遊べる安全で特別な場所を幾つも教えてもらっており、それらの場所に入るための証明カードも渡されたのだ。
「なんか渋谷には“銀座蔵立百貨店・渋谷”にその店があるらしくてさ、行ってみるか?」
「蔵立百貨店って高級志向のお店だと思うけど、流行りのインナーとかって売ってるのかな?」
「まあ、実は商品券ももらっててよ、買い物の足しになるだろ。俺は使い道ないし、普段から世話になってる皆へのお礼って事でパーっと使っちゃおうぜ! 個室ショッピングとかもあるらしいしな」
「むふふ~、灰川さんは市乃ちゃんと来苑先輩とはデパートに行ったことあるって聞いたよ~。でも自分で買えると思うから、商品券は取っておいた方が良いと思うな~」
「百貨店ってデパートの事なのねっ、面白そうだわ!行ってみたい!」
こうして一行は灰川が紹介された渋谷の百貨店に行く事になり、そこで目当ての品があったら買おうという話になった。
別に灰川が商品券を持ってようが持っていまいが彼女たちは収入はあり、多少の高いインナーくらい余裕で買える収益は入って来てる。由奈と桜は自由にお金を使える訳ではなく、親に管理されてるがインナーくらいは買える程度のお金が財布には入ってる。
とりあえず初めて高級ブティックなるもの、しかも会員制だか紹介制だかという凄い場所に行く事になったのだった。
その場所は国内外の富裕層や要人向けのプライバシー完全順守の店だ、店内で何があろうが決して外に情報が洩れる事はないし、誰が誰と一緒に来た等の情報も絶対に洩れない特別な店である。
壁の厚い試着室、希望者には個室でのプライベートショッピング、その他のサービスも充実した店なのだ。
もちろん灰川はその店に行った事もないし、デパートで清掃のバイトはしてたが、そういう部分は知らない。
そして空羽、桜、由奈の3人は『プライバシー完全順守』という言葉に少し惹かれている。更に個室もあるとの事であり、そういった点でも多少のアレコレをしても問題ないよね、なんて思っているのだ。
あけおめでぇ~す!




