195話 空羽の思惑
空羽は今まで灰川と一緒に居て、今まで知らなかった事、知ろうともしなかったこと、知らない事すら知らなかったことなどを知れたり体験出来たりした。
新たなインスピレーションを与えてくれて、彼が持つ自分とは違った優しさや思いやり、面白い部分、変な部分がいっぱい知れた。
欠点や短所だってあるけど、それは自分だって同じ。正しくあろうとして、自分を凡人と定義し、誰かの助けになれる人間でありたいと思う灰川の事を慕ってる。
それは最初は軽い尊敬という形だったが今は違う、今は確かに「好き」と言える感情に育ってた。
気付いたら好きだった、その気持ちは幾度かの助けや行動を共にする中で大きくなり、明確に自分、そして自分と想いを同じくする子達に振り向かせようと思っている。そして空羽はこうと決めたら決して曲がらないタイプでもある。
「ここが中野区バクフース・ランプ公園かぁ、良い所だな!」
「あっ、ランナーの人が走ってるね、芝生の上に寝転んでる人も居るよ」
この公園は通称でランプ公園と言われて割と広く、芝生地面や散歩道、大きな広場や小さな休憩区画とか様々な憩いの場所として利用可能な公園だ。
大から小まで区画で貸し切り出来て、ミニライブイベントとかダンス練習などに使える。配信や動画の撮影も貸し切りをすれば自由ということもあって、動画界隈から人気になってる都市型公園である。
「とりあえず写真とか撮りながら適当に歩き回ってみっか」
「そうだね、散歩道を歩けば1周できるみたいだよ」
空羽と一緒に公園内を歩いてロケとか屋外撮影が出来そうな場所を探す事にした。
「ここ全体を貸し切ったら相当色んな事が出来そうだな、金も掛かるだろうけどよ」
「全体貸出だと相当な料金になっちゃうだろうね、やっぱりスペース単位の貸し出しの方が良いと思うな」
公園内は芝生スペースだったり、通路からあまり見えないタイプの貸し切りに適したスペースだったり、色々なスペースがある。
池なんかもあってボートとかにも乗れるようだし、噴水広場とか小さな神社とか、動画映えしそうな場所も点在していた。
天気も良くて気分も晴れやかで散歩にはもってこいの日和、しかし人はまばらで、あまり歩いてる人などは居なかった。
「あんまり人が居ないね、思ってたより賑わってないのかな」
「今日って平日だろ、あんまり人が居ないのは普通だって」
「あっ、確かにそうだねっ、今日って世間は休みじゃなかったよね」
今日は平日であり、空羽の通う忠善女子高校は工事か何かで休みになってるだけなのだ。実は空羽はその事を失念しており、カップルとかもいっぱい居るんじゃないかと考えてた。
才覚があるとはいえ空羽はVtuberだ。インドアの精神が割と染み付いており、時間感覚とかが一般と少しズレて考えるようになってしまってた。
以前にも連休中に思ったより視聴者が来なかった時に、灰川に『たぶん視聴者は行楽に行ってる』と指摘されるまで気付かなかった事があり、そういう部分は少し抜けてる所がある子だ。
だがロケハンとしては都合が良く、あちこちの写真を撮ったり、この場所ではこんな事が出来そうとか、そんな話を進めていく。
例のカメラは紛失や盗難が怖いため持って来ておらず、見て想像するだけのロケハンだが、そこはナンバーワンVtuberの自由鷹ナツハが一緒なので問題なく進んでる。
「ここの小スペース、あんまり目立たないから身バレ防止の撮影に良いかもな」
「うん、でも動画映えはしないかな、ちょっと薄暗いと思うし。でも出来る事は色々ありそうだね」
小さい休憩スペースがある区画は身バレの危険が少ないが、少し華やかさに欠ける。だがダンスPVなどの動画を作る際に、シーン撮影で使えそうな場所だと空羽は言う。
「この小さい川がある場所、水遊びするVtuberとか配信するのに良さそうだぞ」
「ここ良いねっ、水も綺麗だし安全だし、綺麗な画が撮れそう」
幅が50cmほどのカラーコンクリートで整備された人工の小さな川があり、かなり動画映えしそうだ。
「噴水広場かぁ、悪くなさそうだよな? でもやれる事は少なそうだな」
「ここだと貸し切ってテーブルとか置いて、何人かでお喋り配信とかしたらお洒落かもしれないかな」
あれこれと見て回っていく、想像が膨らみ、貸し切りが出来る公園というロケーションで何が出来るか2人で考えながら歩いていく。
そうこうしてる内に少しづつ情報も纏まってきて、この公園は何かの配信や撮影に使えそうだという結論になった。
「けっこう歩いたな、ちょっと休もうぜ。おっ、販売車あるじゃん、飲み物買って来るからよ」
「ありがとう灰川さん、向こうのベンチで休もっか」
灰川は公園内に来てたキッチンカーでフルーツティーを買い、空羽は木陰になってて涼しいベンチを確保して足を休める事にした。
「ロケハンの真似事なんて初めてだったからよ、空羽が来てくれて助かったぜ。俺だけだったらヘンテコな所に行ってたかも知れねぇしな」
「ふふっ、灰川さんが一人で行ってたら、どんな所に行ってたのかな?」
「心霊スポット行ってたかもな、お寺とかよ、はははっ」
「お寺はまだ良いと思うけど、灰川さんの行く心霊スポットは動画に出来なそうだね。ふふっ」
空羽の柔らかい笑顔と聞き取りやすく透き通るような声が灰川の心を癒す。やっぱり空羽の声はヤバイ、聞いてるだけで日頃の疲れや世の中へのストレスが消されていくかのようだ。
まだ暑さが多分に残る今の時期の木陰のベンチは気持ちが良い、フルーツティーで水分補給しつつ木漏れ日の中で慣れないロケハンの疲れを癒していく。
もっとも渡辺社長は灰川のロケハンに大きな期待はしておらず、この探索だけで何かが決まる可能性は低い。だから灰川ものんびりやれてるのだ。
「あっ、カップルの人達が居るね、ああいうのって良いなって思っちゃうな」
「え? そうなのか、意外だな」
既に空羽のターンは始まっていた、灰川にカップルの姿などを見せて、そういう方面に意識や話を持って行く算段だったのだが、先程まではカップルの姿などは見えなかった。
ならば探せば良いという事であり、空羽はそっちの方向でも目星を付けつつ歩いてた。そして露骨には表に出さないが、息遣いや雰囲気などから灰川に『空羽は歩き疲れてる』と思わせ、休憩を取らせたのである。
実際には空羽はそんなに疲れてないし、普段のVtuber配信などでも疲労耐性やメンタルの強さは付いてる。しかも疲れなんて少し休めば吹き飛ぶ体質だ。
「カップルねぇ、デートには良さそうな場所だもんな」
「うん、こういう公園って高校生カップルとか大人のカップルでも行きやすそうだもんね」
こういう広い市民公園でのデートは王道コースの一つであり、上野公園とか代々木公園にはカップルが沢山いるものだ。
「灰川さんは彼女は作ったりしないの? 灰川さん優しいし、良さを分かってくれる人は居ると思うな」
「あのなぁ、作ろうと思ってポンと作れたら苦労しないっての。簡単に作れる人も居るけど、俺はそういうタイプじゃねぇんだわ」
「あははっ、確かに灰川さんってそういうタイプじゃなさそうかな」
「それに優しい男が流行った試しなんてないっての、女の人って大体は気の強い肉食男が好きじゃん。後は気の利かせ方120点の男とかよ」
昔からモテる男はイケイケの人が多い、そういう人達は女性に対する熱意とかも強いから自分から積極的に話しかけるし、好かれようと努力してるからそうなるのだろう。
気の利く男もモテる傾向にあり、荷物を持ってあげる時などに気の利いた一言を添えたりして、徐々に心を掴むという作戦で行ってる人が多いそうだ。
灰川は異性に対して強気にアタックする性格ではないし、気が利かない訳では無いが満点とは言えない。女性からモテる性格でもないし、ルックスも普通程度である。
つまりモテない、掴みとなる表面的な男性的魅力がない、選ばれし容姿やカリスマ性を持ち合わせた人間ではないのだ。霊能力だけは凄い。
「俺だってモテる奴に嫉妬する事くらいあるんだぞ、中学の頃に好きだった子がイケメンの先輩と付き合ったって聞いた時は、なんで俺はモテねぇんだって悲しくなったしな~」
「そうなんだね、でも灰川さんって深く知ると魅力的だなって気付く人、多いと思うな」
「褒めてくれるねぇ、でも深く知り合う所まで持って行けないってのが痛すぎるぞ~」
灰川は空羽に褒められて嬉しい気持ちになる。こんな魅力と才覚の塊みたいな人に良い人だと言われて、悪い気になる者などそうは居ない筈だ。
そんな会話の中でも灰川はやはり空羽に度々にドキリとさせられていた。
ベンチに座りながら何気なく空羽の方を見ると、しっかりと目が合って空羽の綺麗で可愛い顔立ちが目に映る。
灰川はベンチに座った時に空羽と少し離れた位置、パーソナルスペースを侵害しない距離に座ったのだが、いつの間にか空羽が近くなっていて、何かの拍子に空羽の手が灰川に触れたりする。
今日の落ち着いた服装の空羽も可愛いなとか、性格を褒めてくれたり人格を肯定してくれたりして有難いとか、今まで以上に澄風 空羽という女の子への認識の解像度が上がっていってる。
空羽も灰川に自分たちに気を向けさせる策を行使中ではあるのだが、言葉自体は本心からのもので嘘は一切言ってない。そして声に出す事によって、空羽としても自分の持つ灰川への認識の解像度が上がってた。
その結果として空羽はさっきまでよりも灰川への好意が増していき、気持ちは膨らんで行ってる状態になった。
「空羽こそ言い寄って来る男は多そうだよな、今までも告られたりしたことあるんだろ? 俺と違ってさ」
「うん、何回か告白されたよ。全部断っちゃったんだけどね」
「そりゃ空羽からしたら並みの男なんて付き合えないよなぁ、Vtuberやってなくたって交際相手は選び放題だろ」
「そんな事ないよ、だって私が今好きな人って、普通の人だから」
「マジか、これから芸能界に行くんだから、イケメン俳優とか金持ちミュージシャンとか狙えるだろ。ってか好きな人居るんだなぁ」
「ふふっ、その人は私たちの気持ちに気付いてくれてないけどね。あと俳優さんとかは私より美人な人と付き合えると思うな」
「おいおい、空羽より美人ってそうそう居ないだろ、美人もイケメンも羨ましくて仕方ねぇや」
恋愛トーク要素を含んだ会話が続き、灰川は空羽に『告白されたことあるよね?』という、異性から告白された事があるという前提を含んだ話題飛ばしをした。
今時はこんな話はセクハラ認定されかねないが、『告白された事ある?』という聞き方と比べたら、まだ失礼に当たらない聞き方だ。この聞き方だと異性に対して告白された事がある前提の下で話しておらず、気分を害する可能性がある。
それに対して空羽は『好きな人が居る』という意外性を含んだ話を展開しつつ、言葉の節々にいわゆる『匂わせ』を含ませていく。
普通の人が好き、その人は好意に気付いてない、こんな話は普通は人に話さないという一般心理も使いつつ、灰川の心にどんどんと迫るように会話を展開していった。
「その好きな人って奴、誰だか知らんけど幸運な奴だな、空羽に好かれるなんて男冥利に尽きるってもんだろ、はははっ」
「そうかな、ふふっ。そう言ってもらえると嬉しいかも」
なかなか決まり手が出ないが、空羽としては現時点で過剰に気持ちを引けるとは元から考えてない。
灰川はこれまで異性からモテた事がなく、好意を向けられても簡単には気付けない。それは鈍感だからとかではなく、今までの経験で培われて来た生き方なのだ。
勘違いするな、好かれてるなんて思うな、そう自分に言い聞かせて来た者の精神の壁を甘く見てはいけない。
流石に史菜や由奈のように直接的な言葉を送られたらドギマギするが、それでも『一時的な思い違いの感情を向けられてるだけ』と思う事にして、灰川は大して気にしないよう心掛けてる。
「灰川さんは好きな人とか居ないの? 周りに可愛い女の子いっぱい居るんだし、好きになっちゃう事もあるんじゃないかな?」
「俺は実感が湧かんわな~、確かに周りに空羽とか可愛い子は居るけど、まだ学生だからな。それに俺みたいな年上に好かれても困るか怖いかだろ」
「年下の子は好きじゃないって感じなのかな? それとも年下も年上も関係なし?」
「あんまり考えてないかもだなぁ…まあ最近は年下の子達って可愛いなとは思うぞ」
空羽は割としっかり順序立てて灰川との話を進め、恋愛に意識を向けさせるよう誘導したりする。
しかし何故か上手く行かない、その理由は平静を装いつつも空羽には緊張もあるからだ。灰川と目が合うたびに空羽はドキっとしたり、それとなく可愛いと言われて心が浮くような気持になってる。
才覚が有ろうと策を巡らせても1から10まで上手く行く訳じゃないし、あくまで好意を匂わせつつ灰川の興味を自分に向けさせたいから、自分から直接に好意を伝えるような事はしない。
だが空羽は思ったより伝わらない現状に少し焦ると共に、もっと攻めた形で気持ちを表現しないと伝わらないと感じていた。
「このフルーツティー美味しいね、灰川さんも私のフルーツティー試してみる?」
「え?」
空羽が次なる一手に出る、見方によってはかなり大胆な行動だ。自分が口を付けたストローを灰川に向けて飲んでみる?と聞く、間接キスを空羽の方から許容する申し出であった。
こんな申し出を凄い高レベルの美少女にされたら男はどうなるか、まず本心が気になるに決まってる。普通だったらそんな申し出はしない、普通でないのならきっと自分に好意を……と考えてしまうのが筋だろう。
「中身は同じだぞ? お勧めメニューのフルーツティー2つ買って来たんだから」
「えっ? そうなんだ、あははっ」
「空羽って間接キスになるのとか気にしない方なんだな、男はす~ぐ勘違いするから気を付けた方が良いぞ~」
「そ、そうだねっ、私も灰川さん以外の人にはしないかな」
「あ、モップみたいな犬だ」
空羽は普段とは違う質の緊張のせいで状況や雰囲気の読みに失敗、策は不発に終わったが、最後に結構な匂わせな思わせぶり発言を残す。
しかしたまたま2人の前をモップみたいな犬が横切ってしまい、灰川はそっちに気を取られて聞き逃す。
「そろそろ行くか、人も増えて来たっぽいしな」
「うん、次は何処に行ってみる?」
「ちょっと良い感じのハウススタジオがあるみたいでさ、そこに行ってみて欲しいってSNSメッセージ来たぞ」
「じゃあ行こうか、どんな感じなんだろうね」
公園のロケハンは終わり、使えそうな場所の写真などを保存して次の場所に向かう事にする。
空羽の胸中は灰川を難敵と認定していた、それくらい灰川は自分や皆に変な意識を持たないよう心掛けており、その壁を突破するのは簡単な事じゃないと感じたのだ。
軽いスキンシップや思わせぶりな会話、空羽の考えでは灰川は既に意識の変化が表れてると予測してた。その意識の変化が挙動に現れると考えていたが、それがない。
モテた事がないから好意に気付けない、その上で妙な考えを持たないよう気を付けてるから、今の程度じゃ伝わらないと空羽は考えた。
「……思わせぶりな匂わせくらいじゃダメなんだね、それなら…」
「空羽、次はちょっと離れてるから移動中に寝て良いからな」
「えっ、あ、うん。ありがとう灰川さん」
成人男性と少年期男性では精神が違く、この程度の匂わせでは足りないのだと空羽は気付く。もう少し踏み込まないと灰川の意識は変えられない、そう考えたのだった。
空羽の目的は灰川に自分の好意を気付かせる、ではなく。灰川の異性嗜好を明確に年下の女性に変える事である。
そのための思わせぶりな素振りだったが、まだ足りてない。もっと勢いがなければ灰川の考えを変える事は出来なさそうだと判断した。
そこからの空羽はロケハンに集中し、Vtuber活動に役立ちそうな事をロケ候補地で考えたり、良さそうな場所を探したりして落ち着いた仕事をしてる。
その内に精神もきちんと平静を戻してロケハンをしっかり進めつつ、得意の並列思考で灰川への次の手を考えてた。
「あと一軒くらい行ったら夕方だし次の場所で最後だな、どこにすっかなぁ」
「そういえば優子さんが縁結びの神社で収録したいなって言ってたんだ。人がそこまで居ない穴場で良い所って知らないかな?」
「縁結びの神社? それなら良い所があるぞ、ここから車で30分くらいだし、行ってみるか」
「うん、ありがとう灰川さん。恋の成就とかにご利益がある所、期待してるね? ふふっ」
同じ会社のVtuber仲間の名前を出汁に行き先を決める事に成功した。もし灰川が穴場神社を知らなかった場合は他の提案を打ち出すつもりだった。
代々木上原から少し離れた辺りの縁結び神社、その穴場スポットに灰川は車を走らせる。
その神社は穴場ゆえに人はあまり来ない立地、縁結びの神社、そんな場所にナンバーワンVtuberである空羽と、その空羽が強く気持ちを寄せる灰川が向かう。
空羽は精神が落ち着いたとはいえ、諦めとか策の中止など考えてない。むしろ必ず成果を出すと決めてた心が更に強くなってる。
澄風 空羽は今まで17年の人生の中で様々な事を成し遂げて来て、穏やかで明るいながらも、確固たる自分の心を持ち続けて来た。
小学校の時には作文大会で全国最優秀賞を複数受賞、中学では3年間成績オール最高評価、高校ではVtuberとして日本一の座をナンバー2である竜胆れもんと大きな差を付けて独走してる。
そんな才覚ある空羽の心が今すべき事を告げていた。
匂わせる程度でダメならば、しっかりと脳が融けるまで嗅がせれば良い。ここらで灰川さんに分からせてやる必要がある。
「灰川さんって女の子からどういう事をされたら嬉しいって思うのかな? 参考のために聞かせて欲しいな」
「う~ん、やっぱ優しく接してくれるとか、癒してくれるとかかね。あんま考えたことねぇかも」
「優しく癒してくれる子が好きなんだ、じゃあ少しやり方を考えておくね? ふふっ」
「やり方? よく分からんけど、ありがとな」
今日という日に灰川さんに『好意』という匂いを、頭を押さえつけて、異性の嗜好が変わってしまうまで嗅がせてしまおう。私たちの好意に敏感に反応出来るよう、貴方は私たちにモテてるという事を分からせてしまおう。
その後で市乃ちゃんや史菜ちゃん達と全員で総攻撃を掛けて、じっくりと灰川さんの心を料理してしまえば良い……的な考えに至ってる。空羽は割とこういう精神性を持った子である。
夢中になったなら何としてでも掴み取る、それは今まで特定個人に対して発揮される事はなかった精神性だ。
しかし今は明確に灰川という男性に対して、その精神と才覚を遺憾なく向けることに決めた。
次話をホラーにするかラブコメにするか悩み中です。




