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配信に誰も来ないんだが?  作者: 常夏野 雨内


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102/317

102話 真・動物!配信

 天国見つけた記念配信!マタタビもあるよ!


  自由鷹ナツハ(実写) 視聴者登録数70万人


  同時視聴者数 2万人


「こんにちわ、自由鷹ナツハだよっ。今日は~…可愛い猫ちゃんたちと遊んじゃう配信してくねっ!」


コメント;始まった!

コメント;なっつん実写は久しぶりだなぁ

コメント;猫いっぱい居る!どこかの猫カフェ?


 最初は普通に挨拶をして配信が始まる、既に部屋の中には猫たちが多数おり、そこら中に猫が寝転んでたり歩いてたりするファンシーな画面が映されていた。


「場所は言えないけど人懐っこい動物がいっぱい居る場所でね、私も凄いいっぱいの猫ちゃんとかと仲良くなれたんだ」


 ナツハはある程度の配信プロットを組んでおり、最初は猫たちを見せながら挨拶で今の所は順調だ。コメントも増えて視聴者も増えていく、今は23000人になっており、こちらも順調だ。


 ちなみに、にゃー子の出演は灰川が許可しなかった。理由は にゃー子を生で写すと心霊動画になってしまう可能性があるのためで、猫叉の霊気に当てられて幽霊とかが近づいて来るのだ。


 その代わりに、にゃー子は灰川が頼んで猫たちへの指示出しをしてもらってる。あまり動き過ぎないようにとか、なるべくナツハの近くに居るようにとか言ってあるのだ。言い換えればヤラセみたいなものだが、猫叉が指示出ししてるとか信じる人は居ないからセーフだ。


 やがて挨拶や状況説明が終わって配信は次の段階に移る、次はナツハに一番懐いてる巨大ネコのオモチの登場だ。にゃー子が画面外でのんびり待っていたオモチに『オモチ行って良いにゃ!』と声を掛ける。にゃー子はボス猫という事もあり猫たちは言う事を聞いてくれるし、猫たちもにゃー子には世話になってるから仲も良くて順調に指示を聞いてくれてる。


「この子が私の一番の仲良し猫だよっ、オモチ~こっちに来て~」


「にゃ~、なゃ~」


 早くナツハと遊びたかったオモチが画面内に入り、ナツハの膝元に行ってすりすりと甘えだした。その時から配信のコメントが一気に加速する。


コメント;デッカ!!

コメント;なんだこの猫!デケェ!

コメント;尻尾含めず体長80cmくらいないか!?

コメント;CG?特撮?AI動画??

コメント;か…かわいい…!なでたい…!


 視聴者がオモチの登場に湧き立つ、その直後に市乃がナツハのスマホを操作して自由鷹ナツハのSNSにオモチの写真を載せ、Vtuberファン達や動物愛好家にも向けて告知を広めた。


 その瞬間から視聴者の数が更にどんどん増える、有名人と一般人のSNSを比べれば見る人間の母数が違い、情報は瞬く間に拡散される。


「オモチ~、やっぱり可愛いなぁ~、毛並みもフカフカで最高!肉球も大きくてプニプニだねっ!」


 ナツハは配信では2割増しで明るくなるタイプだが、動物関連のゲームの配信では更に明るくなる。アザラシシティの配信の時もテンションは高かったし、今もかなりテンションは高く表情はニヤケが隠せない程に笑みがこぼれてた。


コメント;なにこの子!私もモフモフしたい!

コメント;初見、デッカ!猫多いっ!!

コメント;普通の猫ちゃん達もカワイイ!

コメント;猫に混ざってキツネとタヌキも居るぞ!


「猫ちゃん達の紹介してくよっ! この子は新聞紙の上で寝るのが大好きなシンブン、寝てる時は尻尾の毛がボワッてなって可愛いんだよね! この子は招き猫の置物ガチ恋勢のモモで~~……」 


 ナツハがどんどん猫たちを紹介していく、灰川家の父にベッタリ懐いてるラップ、何度も梅干しの匂いを嗅いではその度に酸っぱい顔をするウメボシ、どんどん視聴者たちに紹介しては同時視聴者が増えて行き、遂には4万人を超えてしまった。


 それに伴ってナツハ実写チャンネルの登録者数も上がっていくが、ナツハ本人は配信中で画面が見えないため気付きはしない。


コメント;凄い数の猫だな~

コメント;最初の時より猫が増えてない?

コメント;犬は居ないの!?犬!?

コメント;狐のテブクロと狸の福ポン可愛い!!


 視聴者にも灰川家に来る動物たちは好評で、普段は都会ではあまり見る事が出来ない狐と狸の存在も喜ばれてる。にゃー子がそこに向けて灰川家に先程やってきた新たな動物、ナツハも初めて見る動物に「よし、行くにゃ!」と声を掛けて進ませた。


「えっ!? フクロウ!? しかも子供のフクロウも連れて来てる!」


 ここで新たな灰川家動物であるフクロウのモン助と、その子供たちの『モジャモジャ綿毛の赤ちゃんフクロウ』を投入するという、にゃー子からのサプライズが出てきた。モン助は何故か野球中継を見に来る習性があり、灰川家のテレビの付け方やチャンネルの変え方を記憶して、勝手にテレビを付けて野球を見てるフクロウだ。


コメント;フクロウ可愛い!

コメント;子供フクロウが付きまわってる!

コメント;人慣れしてるのか?大丈夫?

コメント;猫と狐と狸とフクロウ!スゲェ!


 カンペを出してナツハにモン助の事を教える、モン助も子供たちも人懐っこいから安心だ。野球中継番組のチャンネルを変えるとジっと見つめて来て圧を掛けて来るが、決して灰川家に居る者を襲ったりはしない。


「フクロウっ、モン助っ!赤ちゃんフクロウ! 最高!あったかい!スベスベなのにモフモフ!」


「………」


「ピャー! ピャー!」


 モン助は特に鳴き声は出さないが、雛たちは独特な鳴き声を出してる。それも視聴者に受けてるしモン助も大人しく撫でられたり抱きしめられたりしてる。雛たちも元気にピョコピョコ動き回って、可愛くも騒がしい画面になっていた。


「はぁ、はぁ、可愛いっっ! みんなフカフカで人懐っこくてっ、どう考えても私に都合が良すぎるっっ! これ夢かなっ??」


 ここら辺からナツハの様子が少し変わって来る、ナツハ好みの動物がどんどん自分に寄ってきては大人しく撫でられたり、可愛い鳴き声を出して甘えてくる。


 動物好きからしたら居ても立ってもいられない状況だろうし、ナツハは幸せ過ぎて普段の配信では聞けないような質のテンションの声になってた。


コメント;ズルい!私も仲間に入れてよぉ!

コメント;ナツハちゃん顔がヤバい感じになってないか?ww

コメント;そこって何処の動物カフェなんだよ!?俺も行きたい!

コメント;動物園みたくなってるwww

コメント;うちの子が羨ましいって言いながら泣いてるwww


「それではここで、皆さんお待ちかねのマタタビを使ってみようと思います! どうなっちゃうのかな~、猫ちゃん達は寄ってくるかなっ!?」


「にゃ~、にゃ~」

「にゃん~」

「なゃぁ~」


 既に猫も他の動物も寄ってきてるから本来ならマタタビなんて使う必要はない、だがナツハとしては猫たちに喜んで欲しいという気持ちがあり、絶対に使うという硬い意志が感じられる。


「あれ? 袋がなかなか開かないなっ…! むんっ!むんっ! むぎゃ!」 


 ナツハから聞き慣れない感じの声が出たと思ったら、マタタビを封入してた銀色の袋が勢いよく裂けてしまった。しかもその商品は粉末タイプだったらしく、思い切り裂けたと同時にブワっと舞い散り、ナツハの体に降りかかってしまった。


 その瞬間から猫たちがゾロゾロこぞってナツハに近寄って来る、離れて遊んでた猫たちも寄ってきたため総勢で10匹以上!しかもテブクロと福ポン、モン助と雛鳥たちも楽しそうな事が起りそうという雰囲気に感じたのかナツハに更に体を寄せていた。


「猫ちゃんたちっ、すごい寄って来る! さすが高級マタタビ! 目がトロンってなってるっ!みんな気持ち良さそうな顔になっちゃったっ! 可愛い!」


 ナツハに寄って来た猫たちはナツハににじり寄ったり、体を登って抱き着いたりして、猫好きなら歓喜の声を上げる状況にあっという間になってしまった。


コメント;マタタビ凄いな!

コメント;こんなに寄って来るの!?

コメント;どこに売ってたの?なんて商品?

コメント;うちの庭に生えてるマタタビにも猫が来るよ

コメント;酔っ払い猫ちゃんたちwww


 三毛猫、トラ猫、灰猫、白猫、黒猫、大小さまざま選り取り見取り、ここに自由鷹ナツハの猫ハーレム+αが完成した。


 高級マタタビの匂いに釣られて気の弱いギドラまで仲間に入り、マフ子も『せっかくだから』とでも言わんばかりにナツハの首に尻尾を巻いてる。


「最高!最高すぎるっ! なにこれ!理想郷!?天国極楽!? フカフカ温かフワフワのモッチリ! お腹も尻尾もお触りOK撫で放題! 最高だよー!」


コメント;ナツハちゃんヤバい感じだwww

コメント;そこ代われ!今から行くから!

コメント;場所を教えて!お金出してでも行きたい!

コメント;猫布団だ!

コメント;ナッちゃん可愛いwww


「肉球最高!ずっと触ってられるよ! 私いま世界で一番幸せだぁ!オモチも皆も最高すぎるー!」


 ナツハにかなり甘えて懐いてるオモチも3割増しで甘えてる、オモチは腰に抱き着いて顔を埋め、ナツハの膝の上にはギドラが3匹で所狭しと乗り、肩には白猫と黒猫、腕にはフトンとトラ猫が抱き着き、どいつもコイツも離れる気配がない。マタタビ恐るべしだ。


 その姿はまさに『猫フルアーマー』だ、服の代わりに猫を着てると言っても過言ではないレベル、RPGゲームで防具屋に入って猫を装着して出てきたみたいな事になってる。頭の上にもマフ子が居る、狐と狸とフクロウも混ざって訳が分からんくらいだ。


「すごいッ!しゅごいッ! 幸せだぁ!天国だよー! 猫最高ッ!狐と狸とフクロウも最高ッ! サッ、サイコーー!」


コメント;ナツハちゃんが壊れた!

コメント;…………うらやましい

コメント;気持ち良くなり過ぎて目が回ってる!

コメント;こんな美人なのに表情がヤバイwww


「もう顔当てて猫吸っちゃうもんね! クンクンっ、すーはー! 猫吸っちゃた!イイ匂い! モン助撫でながら猫ちゃん吸おう!んぁ~!これも良い!」


コメント;猫ふんじゃったみたいに言うなwww

コメント;フクロウ撫でながら猫吸ってる!

コメント;この女ヤベェ!表情が向こう側に行ってる

コメント;配信中って分かってるのか!?顔がヤバイって!

コメント;顔がヤバくなってるけど可愛いから問題なし!


 だんだんナツハの表情が崩れに崩れてトロけそうになってる、行動もヤバイ感じになってきて、動物たちへの愛は凄く伝わるが見境が無い感じになってる有様だ。


 視聴者たちもマタタビを使ってるとはいえ、ここまで人懐っこい動物たちを見るのは初めての者が多いようで、ナツハを羨ましがってる。灰川家に来る動物たちは人懐っこさが半端じゃないのだ。


 SNSを見るとトレンドワードに『ヤバめの猫ガール』というワードが入ってる、クリックして検索するとナツハが激スマイルで猫たちを愛でてる画像や切り抜きGIFが拡散されてる。


 それもあって同時視聴者数は今は10万人を超えており、海外からも視聴者が寄ってきてる。ナツハの実写チャンネルは登録者数がたったの1時間で5万人も増えていた。しかしそんな時間も終わりを迎える、マタタビの効果時間が終わったのだ。


「という訳でっ、そろそろ終了のお時間ですっ。猫ちゃんたち可愛かったぁ! またこういう配信したいなっ!」


コメント;面白かったよ~

コメント;みんな可愛かった

コメント;ナツハちゃん実物も可愛い!

コメント;今日から猫派閥に鞍替えだな俺

コメント;狐と狸とフクロウも良かった!


「じゃあ皆またねっ、Vtuberの自由鷹ナツハもよろしくねっ! それじゃバイバイ……あっ、鼻血がっ…!」


「にゃん」


 最後の最後でナツハが猫たちの可愛さと幸せのあまり鼻血を流し、にゃー子が映しちゃいけないと感じて肉球でカメラを塞いで配信は終わった。その終わり方も話題となり、配信後も更に名前が売れたのだった。


 終りの方では最初に組んでたプロットよりテンションが大幅に高くなって、半ばトリップしてたが結果オーライだ。ナツハも視聴者も楽しめてSNSの話題にも上ったのだから大勝利だと思う。


「終わったねー、配信切れたの確認したよ、声出してOK」


「アーカイブに残しといたわ! 再生数がまだ増えてる!」


「空羽先輩おつかれさま~、好評だったみたいだよ~」


「ありがとうみんなっ、配信楽しかったぁ~!」


 鼻血を拭いて自由鷹ナツハから澄風 空羽に戻って礼を言い、部屋を片付けながら全員で余韻に浸る、配信は大成功で、その煽りを受けて自由鷹ナツハのVtuberチャンネルにも人が流れたようだった。


 猫たちも部屋から出して居間などに戻って行き日常が戻る、ギドラやマフ子も市乃と桜の所に戻り、テブクロと福ポンも由奈の足元をうろちょろしてる。


「TwittoerXもバズってるし、頑張った甲斐があったってもんだ」


「うん、灰川さんありがとうございます。にゃー子ちゃんもありがとう、私の家に来る?」


「にゃ~」


 にゃー子は『止めとくにゃ』と答えつつ機材を片付け終わり、いまだネットでは自由鷹ナツハの話題が鳴りやまぬまま配信は終わったのだった。




 配信が終わると時間は既に夕方を回っており、今夜の夕食はどうするか決める時間になっていた。


「せっかく配信も大成功に終わったんだし、夕食はバーベキューでもするか?」


「えっ? 本当っ? 良いの灰川さんっ!?」


「バーベキューか~、私やった事ないかもしれないな~」


「良いわね! お腹も減ったわ!」


 市乃たちはかなり乗り気だ、空羽も異論はないようだが灰川に話し掛けてくる。東京に暮らしてるとバーベキューをする場所は限られ、気軽には出来ないため灰川の提案は喜ばれた。


「じゃあバーベキューのお金は私が出すね、いっぱいお世話になっちゃったし、お泊りのお礼とは別に奢らせて欲しいな」


「良いのか!?やったぜ! さっそく肉買って来ようぜ!車出せるからよ」


 灰川家の自家用車は母の車が家に残ってあり、車に乗って買い出しに行く。目的地は何キロか離れた場所にあるスーパーで、そこには地元野菜や良い肉が売ってある。


 

「なんでも遠慮なく好きに買ってね、灰川さんと皆へのお礼なんだから」


「よし! 和牛買おうぜ!豚肉もブランド豚売ってるぞ!地鶏もあるぜ!」


「野菜も美味しそうね! ジュースも欲しいわ!」


「スーパーの中涼しいー、お肉のタレは何が良いかなっ?」


「むふふ~、バーベキュー楽しみだな~、お外で食べるなんて初めてだよ~」



 それぞれにカゴに好きな物を入れていく、腹が減ったという事もあって凄い量の買い物になってしまった。


 炭や着火剤なども買って抜かりはない、会計を済まして安全運転で急ぎつつ、家に戻ってバーベキューの準備を整える。


 その日の夕食は特別な味がした、皆の仲が深まり笑い合い、猫たちも灰川たちの周りに集まってきて一緒にゴハンを食べる。今まで姿を見せなかった野焼き大好きの猫のケムリも火の匂いを感じて来て、ここに来て新たな猫の出現にナツハが喜んだ。


 にゃー子も楽しそうにしながらも、猫たちが火に近付き過ぎないように見張ってて少し忙しそう。


 夏のバーベキューは特別美味しく感じる何かがあるんだろう、和牛とかの高級肉だから美味しいとかじゃなく、人間の原始的な『食べる』という欲求を原始的な形で満たす何かがある気がする。それと本格的な夏の始まりを感じさせる午後7時の夕日の情景の涼しさ、全てが心地よく心と胃を満たしてくれた。


「美味しかったー! ご馳走さまでした空羽先輩!」


「誠治も用意してくれてありがとっ! すごく楽しかったわ!」


「こんなに楽しいお食事は初めてだったよ~、バーベキューまたやりたいな~」


「灰川さん、また皆でバーベキューしようね、私も凄く楽しかったな」


 良い肉と美味しい野菜をたらふく食べた灰川はまたしても腹が膨れて少し苦しそうだ、少し休んでから皆で片付けをして、風呂に入ったり動物たちと遊んだりして思い思いに過ごす。


 だがそこには灰川の実家に来る前のような壁は感じられない、4人でどの子が一番可愛いか論じてたり、空羽はオモチの感触と重みを自慢してたり、桜がマフ子の尻尾は何物にも勝る宝とか言ってたり、笑顔も笑い声も尽きる事が無い。


 4人は灰川の実家に来て、それぞれに大切な事を学んだり、何にも代えがたい思い出が出来たりと有意義な時間を過ごす事が出来た。


 普段は彼女たちは大勢の視聴者に有意義な時間を提供する側の人間だ、苛烈な競争の世界であり視聴者たちは『有意義でない』と感じたら去ってしまうという厳しい世界である。


 有意義とは言い換えれば楽しいとか勉強になる、良い情報が知れるとかだ。楽しければ笑顔になれるし、何かを学べば何処かで活かせる機会が来るかも知れない。それらを提供し続けるのは非常に難しい事だ、継続し続けられるのは限られた人だけだろう。


 そんな戦いのような世界で生きるためには休息だって必要だ、何より自分たちが楽しんで生活をしなければ心からの笑顔で配信なんて出来ない。


「じゃあそろそろ寝るか」


「うん、今日も楽しかったー」


「マフ子、また一緒に寝ようね~」


「テブクロ!福ポン! 一緒に寝るわよ!」


「にゃー子ちゃん今日は灰川さんと一緒に寝ちゃうんだね、でもオモチは一緒だよっ!」


 それぞれに懐いてる猫らを連れて布団に入る、今日も良い夢が見れそうだ。


 宿泊の最後の日である2日目が終わり、幸せな気持ちのまま眠ろうとしたのだが、なかなか寝付く事が出来ず、一回起きて皆でコンビニにアイスを買いに行った。そんな些細な出来事ですら皆で笑顔になれる。


 夏の田舎の夜のコンビニの、独特で特別な場所感のある空気に触れてから星空の下で食べるアイスの味は、きっと忘れられない思い出になった事だろう。


 こうして何一つやり残した事なく2日目を終えて、また布団に入り、今度こそ満足して眠りについたのだった。



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