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繊細な王子と暴れん坊令嬢が恋に落ちました

作者: 茜カナコ

「狐が逃げましたわ!」

「待って下さい、アデル様」

 狐狩りに誘われたハワード王子は、令嬢アデルに振り回されていた。

「そろそろ、休憩の時間ですよ」

「はーい」


 草原に広げられたシートの上に食事を並べる。

 ランチマットには、可愛らしいラズベリーの刺繍がされていた。

「凄い、綺麗な刺繍」

「ありがとうございます」

「え? ハワード王子が刺繍をしたんですか?」

「はい。細かい作業が得意なんです」


「いただきます」

 アデルは、サンドウィッチを頬張った。

「美味しい!」

「よかったです」

 ハワード王子は嬉しそうだった。

「え? まさかこのお弁当もハワード様が作られたのですか?」

「はい、料理は楽しいですから」

 アデルはハワードの事をまじまじと見つめた。


「狐狩りは楽しいですか?」

「ええ」

 ハワードの問いかけにアデルは元気よく頷いた。

「アデル様は政治などにも関心があるようですね」

「ハワード様は違うのですか?」

「仕事ですから出来はしますし勉強もしますが、好んでというわけではありませんね」

「そうですか」

 アデルはため息をついた。


「私たち、性別が逆だったら良かったですわね」

「そうですね」

 アデルとハワードは笑い合った。


「さあ、そろそろ王宮へ戻りましょう」

「そうですね」

 アデルは少し寂しそうに頷いた。

「アデル様の前では、素直な気持ちが言えるので気が楽です」

「私もハワード様の前なら、趣味が政治や狐狩りなどといってもとがめられないので嬉しいです」


 二人はアデルの狩った狐をハワードが捕まえたことにして、王宮へ帰っていった。

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― 新着の感想 ―
[一言] 需要と供給。 割れ蓋に綴じ蓋。 蓼食う虫も好き好き。 うーん。実に素晴らしい!(笑) いい夫婦になりそうですね! 面白かったです! 有難う御座いました!
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