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抹消サイト  作者: リィズ・ブランディシュカ
本編
6/7

06 祖母と祖父



 それから一年後。


 四度目に見る抹消サイトに書き込むのは、祖父母の名前だった。


 この間の、長い休み。

 その時、久しぶりに田舎にある祖父母の家に行った。


 何にもない田舎は嫌いだったけど、そんなに古びた家じゃないのが救いだった。


 誰だって、汚れてるより綺麗な方がいい。

 虫がはいってくるようなボロボロの家とかでも、埃まみれの部屋とかでもなくて助かった。


 けど、そこで最低な事が起こった。


 祖父母の住んでいる村の人達は、古い慣習やしきたりにとわわれていた。


 女の子はおしとやかで、男を立てるのが良い、とか。

 大人しく、清楚であるべきだ、とか。

 そんな考えがあたりまえ。


 皆が皆して、同じような事を言ってくるから、おかげで耳にたこができそうだった。

 ちょっと言葉遣いが悪いだけで、何よ。


 それだけならまだ我慢できたのに、お見合いまで薦めてきて、田舎に住む変な男を紹介された。


 写真をみせてきながら、「人間は外見じゃないのよ」とか「絶対にこの人なら幸せにしてくれるから」とか。何それ。


 ど~せ、村でいい相手を見つかられなかった可哀想な男なんでしょ?

 いい人どまりで、何の刺激的な面もない、平々凡々なつまらない男なんでしょ?


 そんなの、絶対、お断り!


 だから私は、祖父母を抹消することにしたのだ。


「抹消しました」


 やった。

 そう思った途端、私の意識は途絶した。



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