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第208話 遭遇する魔物


「……」

「ん? どうしたのユリア」

「いや別に……」


 ダンジョンに潜った僕たち。そこで早速、魔物と遭遇したのでそれに対処していた矢先のことだ。先ほどまではシェリーは薄暗いこの空間を怖がっていたというのに、戦闘が始まればすぐに意識が切り替わった。


 そして僕が先行して戦う間もなく、シェリーはあっという間に魔物を倒してしまった。遭遇したのはスネークの類だったが、所持している刀で全て一閃。


 今のシェリーは腰に刀と魔剣の二種類を差している。魔剣の方は使用することはないが、普通の刀であってもこの危険区域のレベルの魔物を余裕で倒すことができるみたいだ。


「ふぅ……」

「流石だね」

「ありがと。戦ってみると、緊張も解けてきたわ」

「そっか。それならよかったけど」


 微かな灯りをつけて、二人でさらに深部へと進んでいく。今回の目的はあくまで調査という名目だ。完全にこのダンジョンを攻略するつもりは毛頭ない。しかし、ダンジョンでは魔物が大量に発生している。原理自体は不明だが、地上に溢れ出している魔物はダンジョンから来ているかも知れない……と言われているほどだ。


 そして、二人で階段を降りていく。


 シェリーもすっかりとなれてしまったのか、今は怖がる様子もなくただ真剣な様子で僕の後ろをついてくる。


「ユリア……感じる?」

「うん。この先に、何かいるね」

「どうする。戦うの?」

「少し様子をみようか。それに、僕とシェリーなら大丈夫だよ」

「それもそうねっ!!」


 と、僕が素直にそういうとシェリーは嬉しそうに声をあげた。これは何もシェリーを元気付けるためだけにそう言ったわけではない。純粋に今の僕とシェリーの実力があれば、このレベルの地域であっても十分にやれると思っている。


 この先から漏れている魔素はかなり濃いものだった。それを知覚しつつも、二人で互いに臨戦態勢に入りながら進む。


 広い空間に出てくると僕たちはその魔素を纏っている魔物を発見した。


 あれは……。


「あれはキマイラだね」

「そうね。実物を見るのは初めてだけど」


 そう。その先にいたのはキマイラだった。


 体の後ろはヤギ、前の方は獅子に加えて背中にはドラゴンの皮膜の翼。頭部もヤギ、獅子、ドラゴンのものが組み合わさっており異質な雰囲気を放っている。また地面にはおびただしい量の血液が流れていた。


 どうやらちょうど他の魔物を捕食していたようだ。


 そしてどうやらキマイラは僕らの存在を知覚。血の滴る口を開きながら、大声を上げてきた。


「キイイイアアアアアアアアアアアアアッ!!!


 僕たちはその声を聞いて、早速戦闘を開始するのだった。


「シェリーいくよ」

「えぇ。前衛は任せて頂戴」

「了解」

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