表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
194/210

第194話 戦闘開始


「作戦通りで行くぞっ!」

「「了解ッ!!」


 ギルさんの言葉を合図にして、僕らは散開。前衛はシェリーに任せて、僕は遊撃、ギルさんは後衛で戦いを繰り広げる……と思いきや。


 目の前ではシェリーが尋常ではない勢いで疾走していき、一閃。


 持っている刀を一振りだけ振ると、その場で暴れ出そうとしていた巨大蠍ヒュージスコーピオンを真っ二つに。


 その後、彼女は僕らのカバーを必要とすることなく、たった一人でこの場にいる巨大蠍ヒュージスコーピオンの群れを屠ってしまった。


 キン、と音を鳴らして納刀。


 広がるのは巨大蠍ヒュージスコーピオンの死体のみ。決して弱い敵ではなかった。この黄昏危険区域レベル5ということもあって、それなりに強化された個体ではあったはずだ。


 だというのに彼女は一人で全てを終わらせてしまった。


 正直なところ、彼女は強くなっているのは知っていたが流石にここまでとは予想していなかった。


「ふぅ。終わったわね」


 そう声を漏らす。


 シェリーは相手の返り血すら浴びていなかった。まるで演舞を踊るかのよう、刀で舞い続けていた。


「……どうやら、俺たちの出番は必要なかったみたいだな」

「ですね」


ギルさんと僕は臨戦態勢を解除して、目の前に転がっている死体の方へと向かっていく。


「うーむ。パッと見る限り、特殊な個体とはいうが相手はできそうな感じだな」

「そうですね。まだこのレベルだと、一級対魔師でもどうにかなりそうなレベルではあります」

「そうね。全部一人でやろうとは初めは思っていなかったけど、ちょっと拍子抜けって……感じかしら」


 それなりに警戒していた僕ら三人ではあるが、実際のところシェリーの言うとおり拍子抜け……と言った方が正しいだろうか。


 でもきっとそれは敵が弱いという意味合いではない。


 僕が一人で放浪しているときよりも、僕は強くなった。それに、共にいるシェリーもギルさんも強い。


 純粋に僕らの方が強くなっていた。それだけのことだろう。


 その後、レベル6にはもともと行かない予定だったので、切りのいい所でもう一度休憩を取ることにした。

 

 進んでいく途中に、何度も魔物と戦闘をすることにはなったが、僕ら三人であれば容易に対処することができた。それにギルさんも黄昏に慣れてきたのか、だいぶ楽そうな表情をしていた。


「さて、と。今回はここまでにしておくか? 拠点を作るにしても、もう少し人数が必要だしな」

「そうですね。目的は達成できたと言っていいでしょう」


 今回の目的は敵情調査。それは十分にこなすことはできただろう。


 特級対魔師のレベルであれば、対応することができる。さらには、一級対魔師も上位のメンバーにはなりそうだが、戦うことができると思った。


 基本は特級対魔師の人で前線を切り開いて、残りのカバーは任せる……という感じがいいのかもしれない。


 そうして僕らは、レベル4にある拠点へと戻っていくのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ