夏、存在証明
蝉の大合唱が始まっている
7日間の命を嘆くように
それはまるで断末魔のように
土の中で一生の大半を過ごし
太陽を見たいと
空を見たいと
飛びたいと
羽ばたきたいと
願ったからこそ土の外へと飛び立つ
外へ出てみれば
鳴きたくなるほど眩しい
叫びたくなるほどに広い
自身の存在を証明するように鳴いて叫ぶ
生きた証を残すため
人間のように悩むことはない
生きる意味は存在証明
空を見るため
太陽を眺めるため
叫ぶため
蝉は大合唱をやめない
きっとそれこそ命が枯れるまで
叫び続ける
私はここにいたのだ、と
ここにいたいのだ、と
悲しくはない
嘆きはするけれど
それは尽きる命にではなく
まだこの世界を見たことがない
兄弟へ
早く出てこいよ
美しいぞ、世界は
断末魔であり
讃美歌であり
私の全てである
いつも自分の書いたもののジャンルが分からないくらげです、こんばんは。