表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

夏、存在証明

作者: 海月 くらげ

 蝉の大合唱が始まっている


 7日間の命を嘆くように


 それはまるで断末魔のように



 土の中で一生の大半を過ごし


 太陽を見たいと

 空を見たいと


 飛びたいと

 羽ばたきたいと


 願ったからこそ土の外へと飛び立つ


 外へ出てみれば


 鳴きたくなるほど眩しい


 叫びたくなるほどに広い



 自身の存在を証明するように鳴いて叫ぶ



 生きた証を残すため



 人間のように悩むことはない



 生きる意味は存在証明


 空を見るため

 太陽を眺めるため


 叫ぶため



 蝉は大合唱をやめない


 きっとそれこそ命が枯れるまで



 叫び続ける



 私はここにいたのだ、と




 ここにいたいのだ、と




 悲しくはない


 嘆きはするけれど


 それは尽きる命にではなく

 まだこの世界を見たことがない


 兄弟へ



 早く出てこいよ


 美しいぞ、世界は



 断末魔であり

 讃美歌であり



 私の全てである







いつも自分の書いたもののジャンルが分からないくらげです、こんばんは。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ