知らない天井
今から寝まーすおやすみなさい
目覚めたら、知らない天井が見えた。
「あ、起きたの?」
横から声が聞こえた。昔、一度だけ聞いた事のある声だ。
「魔臨さん?」
「ああ、そうだよ」
相変わらず、男性の様な話し方だ。
「ここは何処ですか?」
「こっちの竜牙の家だ。ちょっとした治療をしにね、ちょっと高価な物を使いたかったから」
魔臨さんはこちらを向いて、小瓶を見せてくれた。
【鑑定】を使って、その小瓶を見ると、
―超級回復薬
失われたとされる伝説の薬。飲んだ者の肉体の傷から心の傷、魂の傷まで治すと言われる。
値段:レフ金剛石貨10000000000はくだらない
「こ、こんな物使わして頂いていいんですか!?」
「いいんだよ、竜牙が暇潰しで作った物らしいから」
………あの人は本当に規格外の存在だ。
「竜牙に常識を同時に考えたら頭痛が起こるよ」
「はい、わかりました………所でハーン達は?」
「竜牙と話が終わったら帰したよ。レナも話が終わったら帰すから、早く話してきな?」
「わ、わかりました」
まさか私が1番最後だったなんて、そう考えながら歩いていると猫耳の女の子が足に抱きついてきた
「おね~さん?」
「?何?」
「ご主人様がおよびなの〜」
そう言うと彼女は私を引っ張って行って、お風呂場の前で止まり、
「これが水着なの〜」
「え、あ、ありがと〜?」
「にゃ〜」
そう言うと彼女は二階に上がって行った。
「どうすれば………」
まあ………着て入るしか無いのか………
水着は着ると自動的にピッタリのサイズになった。そして私は風呂場の扉を開いた。
「おう、いらっしゃいレナ」
「おはようございます変態エロ親父のニート(はぁと)」
「ごァは!」
「全部合ってるから反論できないでしょう?」
「ま、待て!、俺は親父ではないし、オヤジと呼ばれる歳でも無い!」
「そのいま頭洗ってる狐の少女の親みたいな物でしょう?」
「ご主人様?どうかなされました?」
「いや?なんでもないよコル、すぐに流すからね〜」
「………奴隷なんですか?」
「俺が開放して、戦闘メイドにしたから元・奴隷が正しいな」
「そんな物騒なメイドいらないです」
「多分お前の家にも一人はいると思うぞ?」
あり得る
「流すぞ〜」
「はい〜」
同じ金髪だからほのぼの家族に見える………、ってそうじゃない!
「話って何ですか?」
「おう、それはだな……」
「お前の家、と言うよりお前を含めたハーン、モホ、リナの三人の家に勇者候補に選ばれたと言う手紙が届いている」
「なんで分かるんですか?」
「昨日暇潰しに未来視したら見えた」
「そんな『暇だからゲームしようぜ!』みたいに伝説の技しないで下さい!!」
「許せ」
「許さんッ!」
「二代目蜘蛛の誕生………」
おっと話がずれた
「おほん……で、それがどうしたんですか?」
「ああ、それがな?『自分を育てた師匠と共に王城へ(いない場合は一人で可)』とのことらしいから俺も行かなきゃなんねえっぽい」
「それがどうかしたんですか?」
まさか怠いとか無いよね
「怠い」
「ちゃんとして下さい!!」
「話入っていいですか?」
「あっ、ごめんねコルちゃん、ご主人様独り占めしちゃって」
「いいんです、近くに居られれば」
「で、なんだい?コル」
「いない場合は一人で可とのことですか、」
「多分だめかな〜、意外と噂になってるんですよ?先生」
「先生はやめろ〜竜牙って呼べ〜」
何か先生って呼ばれるのが嫌らしい
「分かりました、竜牙君?」
「君て………まあ良いや。俺そんな話題?」
「だって落ちこぼれだった私達を学園最強にして、国一のレベルに16歳で一番近くまで育てたんですから普通ですよ」
「マジか」
この人は気づいてなかったらしい
ぐぅ




