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0005話

『おめでとう。君達、三人・・は一つ目の試練を突破し、無事に合流してみせた。』


その、余りにも突然な宣言に広間に居る、全員の動きが一瞬にして止まる。誰のものとも知れない声は、そんな者は知らないとばかりに話続ける。


『では暫しの平穏を楽しむと良い。君達の願いは3つ、残る試練は後2つだ。』


誰も身動きを取ることができない。まるで動き方を忘れてしまったかのように、ただ謎の声に耳を傾ける。


『今回の試練は、あくまでお試し、みたいなものだ。次からの試練はこうも容易くは無い。生きて願いを叶えたいならば、努々忘れぬことだ。では次の試練までさよならだ。』


謎の声は、言いたいことだけを伝え終わると唐突に聞こえなくなる。

と同時に彼と少女も大きく息を吐く。


「また、あの声…試練って何よ…それに願いって何?」


「意味が分からん、ここに居るのは二人だろう。三人?俺たちの他に誰が居るって言うんだ…?」


少女も、そして彼も誰にとも無く呟くが、お互いの耳にその呟きが届くことは無い。……それにしても三人か、と言う事は私もその括りに入っているのだろうか?まぁ、ただ傍観する事しか出来ないこの身で無事も糞もあるのか、と言う問題はあるが。


「はぁ…何か変な感じになっちゃったわね。一応お礼を言っておくわ、助かったありがとね。」


「一応は余計だ。」


先に我を取り戻したのは少女の方だった。ため息を一つつき、やや頬を赤らめつつ、彼へと礼を述べる。彼の方はそれを知ってか知らずか、悪態を付きつつもその礼を受ける。


「しかし何なのかしらね、あの声。私は目が覚めたときにも聞こえたんだけど…」


「さあな、俺が聞いたのは今回が初めてだし、言っている事もいまいち理解できん。大体願いって何だ?それに三人?本当に良く分からん。」


先程の呟きを確認するかのように、お互いに話し合う二人。ここで覚醒した時の状況から、先程の大型生物との戦闘の流れ、そしてあの声について等、幾つか共通する部分もあったのか二人の話は弾んでいく。



ふむ、この二人が普通に話している、と言うのはどこかほっとする…ような気がするな。まぁ最初に少女によって彼がぼろくそに言われるところを見ていても、何処かでほっとしていたような気もするが。一体この感情は何処から来るのだろうか。


そんな思考の海を漂っていると、ある程度の擦り合わせも終わったのか自己紹介の流れとなったようで、少女の方から声を掛ける。


「まぁ色々とあったけど。取り敢えず、貴方が今の状況で、私に何かをする、って言うのは無いと判断するわ。自己紹介といきましょうか。貴方名前は?」


「俺か?俺の名前は――」


これでひとまず一件落着…


「俺の…名前は……思い出せない…」


とは、いかないようだ。

本編再開。


暫くは読者の皆様にもバレバレな展開で多少じれったいかな、とは思いますがお付き合い頂ければと…

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