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0066話


オロスはテントの側に立ち、中へと声をかける。


「コンラートさん、アマーリエさんそろそろ時間ですが……」


「……おう、今行く。ちと待ってろ……おい、起きろ」


「……あら、もう時間で―――」


中から反応があったので、すぐさまその場を離れるオロス。暫くするとテントから二人が出てくる。


「おし、じゃあ代わるぞ」


「夜番ありがとねー」


「いや、何もなかったし、特に問題は無い」


テントから出てきた二人と言葉を交わし、焚き火へと薪を追加して行くオロス。新たな薪をくべた所にエリが魔術で火を付け直す。


「あ、薪用の小枝も集めておきましたから使ってください! 」


「あらーエリちゃんは働き者ねー」


「べ、別にふぁいひはふぉふぉ……モゴモゴ……」


そう言って、自慢気に胸を張るエリを胸元に抱き頭を撫でるアマーリエ。豊かな膨らみに包まれ、一瞬幸せそうな表情を浮かべたエリだったが直後に息苦しくなったのかバタバタと手足を振り乱し始める。


「いや、拾ってきたの俺なんだけど……」


「おっ? なんだオロス、家のかみさんにハグして貰いたいのか? ん? 」


「いや、そう言うわけでは……」


気まずそうに視線を逸らした後、人妻の抱き付き攻撃から解放されぐったりとしているエリを小脇に抱えるオロス。……ぐったりはしていたが恍惚って感じの顔だったな……お前も女だろうに、いや関係ないのか?


「じゃあ俺達はこれで―――」


「おう、任せとけ」


「えぇ、えぇ。ゆっくりお休みなさい」


そう言って先程二人が出てきたテントへとエリを抱えて入っていくオロス。そして、アンに貰った毛皮に身を包み、暫くすると二人ともすやすやと寝息をたて始める。


……ふむ、このままここにいてもあれだし、外の様子でも見てるか。


オロスの影から飛び出し、影から影へと移動を繰り返して外に出た二人の様子を遠目に眺める。


パチパチと薪が燃える音を聞きながら、寄り添い語らう二人の会話に耳を澄ます。


「―――だったな」


「えぇ、二人とも良い子です。後は周りがちゃんと見てあげてれば大丈夫だと思いますよ? 」


「まさかお前……」


「だってここまで世話を焼いたんです、中途半端で投げ出すのは貴方も本意ではありませんでしょ? 」


「はぁ……全く、お前には敵わん」


「ふふっ、当たり前です。何年一緒に居ると思ってるんですか」


そうして、どちらともなく静かに笑い合う二人。……ふむ?何の話だろうか“二人”と言う事は、多分オロス達の事だと事だと思うんだが……ちゃんと見てあげてれば大丈夫、とは?


そんな事を考えて居るといつの間にか会話が止まっている事に気がつく。そして、二人がこちらを向いている事も―――


「おい、いつまでそうして覗き見てるつもりだ? あんまり趣味が良いとは言えんぞ」


「うふふ、大人しく出てくるのならお話くらいは聞いてあげますよ? 」


……おい、俺は影の中に居るのに何で分かるんだよ……人違いとかじゃ……無いよな?

いつもお読み頂き有難う御座います。

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