0065話
「ご馳走さまでした! 」
「はい、お粗末様」
「アマーリエさんのご飯、本当に美味しかったわ! 」
「私もエリちゃんが美味しそうに食べてくれて嬉しかったわ―――」
薪がパチパチと爆ぜる音をBGM代わりに二人の女子(?)トークが弾む。魔物達の襲来から多少時間が経ち、コンラート夫妻と同行していたキャッシャーと言う商人さんと共に野営をすることになった。現在はアマーリエさんの料理を美味しく頂いた後、と言うことになる。
……まぁ、俺は見てるだけなんで、あくまで美味しそうだった。とだけ言っておこう。食欲は無いが、目の前で美味しそうに食べてるのを見てるのは拷問に近いな……。
ワイワイとやっている女性陣とは違い、早々に食事を終えた男衆達は今後の事について話し合っていた。
「……なぁ、本当に分けてもらっても良かったのか?ほとんどコンラートさんが倒した物なのに……」
「構わん、今更ゴブリン程度の褒賞金でどうこう言うほど金に困っちゃいないしな」
「……助かる」
「おう」
先程倒したゴブリン達は討伐証明部位(?)をギルドに持って行くと褒賞金を貰えるらしいのだが、オロスはコンラートからその討伐証明部位を全て貰い受けていた。
コンラート曰く『これから新生活ってんなら先立つ物も必要だろうし、嬢ちゃんもいるんだまぁ多少の足しにはなんだろ』との事。最初は遠慮していたオロスだったが、エリの事を出されては拒否することも出来ずありがたく頂戴することにしたらしい。
「それと……本当に馬車に同乗させてもらって良いのか? 」
「なに、どうせ同じ場所を目指すんだそれぐらい構わんさ。なぁ坊主」
「ええ、私としても戦える方が多く居てくださるのは安心できますしね」
「だ、そうだぞ」
「……ありがたい。ご期待に沿えるよう努力させてもらう」
深々と二人に頭を下げるオロスだったが、気にすんなとばかりにコンラートに肩をはたかれる。……本当に良い人達だなぁ……最初にオロスが顔を見られた時はどうなることかと思ったけど、なんだか理解(誤解?)してくれてるみたいで特に問題にはならなかったし。それにその後もこうして色々と世話を焼いてくれている。
まぁ、もしかしたら何かしら思惑はあるのかも知れないが、それでもこうして色々としてもらってる以上それが悪意だとは思えない。
「まぁ、難しい話しはここまでだ。明日は早く発つからな、先番は任せて良いな?」
「あぁ、この薪が燃え終わる頃に交代すれば良いんだろ? 」
「そう言うこった。まぁ、特に問題はねぇと思うが何かあれば直ぐに声を掛けろよ」
「分かった」
「うし、おい! そろそろ寝るぞ! 」
「あらあら、ごめんねエリちゃん続きはまた明日ね? 」
「うん、楽しみにしてるわ! 」
そうして、アマーリエさんと共にテントへと潜っていく。それに応じてキャッシャーも馬車の中へと向かう。残されたのはオロスとエリの二人。
「良い人達ね」
「そうだな、俺の事を見て襲ってくるわけでもなく普通に接してくれるどころか色々と世話まで焼いて貰ってる……ありがてぇよ」
「アンちゃんもだけど、いつかお礼しないとね? 」
「そうだな……」
残された二人は、並んで今日出会った人達について語り合う。語り合いは交代の時間が来るまで続くのだった。
いつもお読み頂き有難う御座います。
遅くなって申し訳ない。
本格的に忙しくなってきたので、今後暫くは不定期になると思われます。
なるべく毎日更新していきたいですが……まぁ、無理な時もある、と思っていただけると幸いです……。




