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閑話002

毎日更新継続中

『試練、と言うものを知っているかい?』


試練?それは普通に宿題みたいなもの、ってことで良いんだろうか?


『うーん…その例えはどうかと思うけど、まぁ概ね合っているかな。要は僕ら?が??達に奇跡を起こす代償の代わりとして、こちらの設定した課題を達成させることで、擬似的に奇跡と代償の等価交換を行う一種の儀式、みたいなものなんだけどね。』


成る程…ところで、その試練とやらと俺の願いは何か関係あるのか?


『あははは…察しが悪すぎないかね…?』


どこか苦い顔をする?。ため息を一つ吐き、改めて口を開く。


『察しの悪い君のために、改めて説明と行こうか?』


こちらへの問い掛けに俺は頷きで返す。


『よし、まず君の願いを叶えることは制限を掛ける必要があるけど可能だ。ここまでは良いね?』


また一つ頷きで返す。


『しかし、その願いを叶えるためには代償が必要だ。これも問題無いよね?』


これにも頷きを返す。


『だが君は、現在僕の力によって魂の残思のみを、ここに呼び寄せている。つまり本来の君の絞り滓でしかない、故に払うべき代償を持ち合わせていない。何か質問は?』


更に頷きを返す。…ようやく?の意図が分かってきた。


『ではここからが本題だ。君には願いがある。だがそれを叶えるためには代償が必要、ただし君にはその代償を払うことができない。そこで、擬似的に代償と奇跡の等価交換が可能な試練の登場、と言うわけだね。さて、一気に話してしまったが理解はしている、と判断するよ。君はどうしたい?』


俺は…試練を…


『受けるかい?それとも受けない?』


だが、どうしても迷いが出る。勿論、普通であればこんなに美味しい話、と言うのはあり得ないだろう。本来であれば、こんな機会は有り得なかったのだ。


輪廻の輪に戻り、何処の誰とも知れぬ両親の下へと新たに生まれる筈であった人生。それなのに、この?はチャンスをくれた。で、あるならば、しがみついてでもこのチャンスを物にすべきなのは分かっている。


分かっているのに、頭の何処かで何かが邪魔をして、最終的な判断を下せない。


すると、痺れを切らしたのか?が再度言葉を紡ぐ。


『まぁ僕は暇だからね、そうして悩んでもらってても一向に構わないけどね?だけど、君の望みの二人・・はどうだろうね?』


そこで言葉を一旦切ると、先程までのにこやかな笑みとは別の嫌らしい笑みを口元に浮かべ話し出す。


『ここは、他の場所よりも時の進みが遅いからね、流石にまだ大丈夫だとは思うけど、あんまりもたもたしてると、君が決断する前にあの二人・・は通常の輪廻の輪に流れてしまうかもしれないねぇ…そうなってしまえば、最早僕ではどうにもならない。』


瞬間、思考が真っ白に凍り付く。思考を止めてはいけない、とは思っていても焦燥が頭を埋め尽くす。


もう、こうして考えている時間でさえ、惜しいと思ってしまう。


『それで?君の答えは決まったのかな?』


最早、目の前の選択肢は、はい、かYESしか存在しない。


『では、改めて聞こうか。君は試練を受けるかい?』


?の質問から数瞬の間を置いて、こくり、と頷く。頷いてしまう。


『では契約成立だ。君には転生後に試練を受けてもらう。安心すると良い。これでも?だ、嘘はつかないと約束しよう。勿論君の願いについても心配しなくて良い。あの二人(・・)は次の生でも、また逢い寄るだろう。それこそなんの不都合も無く、ね?』


全身の力が抜ける。今頭にあるのは後悔だけだ、本当にこれで良かったのだろうか、ただその言葉だけが頭の中で繰り返される。


『では、無事に契約は成立した。楽しい時間はここまでだ、僕もやらねばならない事が出来てしまったからね。』


?はそう言って、両の掌を叩き合わせる。すると徐々に視界がぼんやりと霞んでいく。耳には?の声だけが響く。


『では、これより君の新たな生が始まる。出来ることならば、悔いの無い生を君が送ることを願っているよ。』


もう視界は殆ど効かない。全身の感覚すらもぼんやりとしてくる。ただ耳に聞こえる声だけがいやに響いてくる。


『君の奮闘に期待しよう。僕は何時でも君達・・を見ている。』


その言葉を最後に、五感も、そして意識すらも無くなった。

初めは3日くらいで一旦途切れるかと思いましたが、何とか毎日更新を続けていられています。


今後も続けていければな、とは思いますので応援のほどよろしくお願いします。

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