0060話
短め
オロスがエリを肩に乗せ疾走を開始してから数時間、中天に昇っていた太陽も沈み始め夕暮れが近づいた頃。オロス達は漸く道らしきものを発見する。
それは、舗装されたものとは違い多くの人が行き交い踏み固められた事で出来た天然の道。それ故に舗装された道ではあり得ない蹄の跡や轍が幾つも出来ていた。
「おっしゃぁ!着いたぞエリ、これを辿っていけば―――」
「………………」
「ん? おーいエリー? 」
「………………」
……へんじがない。ただのしかばねの ようだ……じゃなくて、どうやら気を失ってしまったらしい。
「おい! しっかりしろ! 」
バシバシ
「エリ! エリー!! 」
バシバシバシ
「エリィィィィィィ! 」
バシバシバシバシバシバシバシバシ
慌てたオロスが肩からエリを降ろし、声を掛けながらバシバシと頬を叩いていく。……あぁ、ガントレットなんて着けてるのにそんなに強く叩いたら―――
―――――――――――――――
「まっはふ、ふぎはらひをふへなはいほへ! (全く、次から気を付けなさいよね!)」
「いや、面目無い……」
漸く目覚めたエリを前に土下座する勢いで謝るオロス。なお、不自然なまでにエリから視線を逸らしているが……まぁ、察して上げてくれ。
「ほれほ……はんはひゃへひひふいんはへほ、はひはひはほ? (それと……なんか喋り難いんだけど、何かしたの? )」
「い、いや特に……」
「ほんほへひょうへ……(本当でしょうね……)」
「あ、ああ本当に……っぷ」
「やっはりはんはひはんへひょ! (やっぱりなんかしたんでしょ! )」
「だってお前……っぷ……やっぱダメだぶははははは! 」
「ひょっひょ! はひひはほよ! (ちょっと!何したのよ!)」
何かがおかしい事に気付いたエリが問い詰めると、堪えきれなくなったのか爆笑してしまうオロス。それで確信したエリがパンパンに張った頬を更に膨らませ怒鳴り散らすも、それが更にツボにはまったのかその場で笑い転げるオロス。
それから数十分辺りにはオロスの笑い声とエリの怒鳴り声が響き渡っていた。
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