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閑話001

ギリギリで間に合った!

?????


―――――――――――


『?の奇跡には対価が必要な事は知っているかい?』


こちらの質問に対して、返ってきたのはそんな答えであった。確かによく趣味で見ていた??や????等には、人柱であったり、供物を捧げることで豊穣を願う。そんな風習があった、と言う資料を見たことがあった。……しかし、そうでない場合も往々にしてあった気はするのだが…


『確かに、君の抱いている疑問も、また正しくはある。確かに君達人類が??や??と言った伝承や歴史に残るような人物には、一部本当に??がその祈りや願いを聞き届け、奇跡を起こしたこともある。』


どうやら相変わらずこちらの思考は駄々漏れらしい、まぁ面倒がなくて楽ではあるのだが。しかし、実際には対価を用さない奇跡もあると言うことか。……であるならば自分達も、と思うのは強欲なのだろうか。


『いや、君がそう思うのも間違いでは無いよ。確かにそういう例はあったのだしね。』


にこやかな笑顔を浮かべながら?はこちらへ話続ける。


『でもね、そう言った??や????を見ていたなら、良く分かっている筈だよ。過ぎたる力を、奇跡を起こした代償も。君達の知っている歴史で、伝承で、逸話として残っているその人物達。まともな最期を迎えた者がどれだけ少なかったのかも。』


瞬間、既に無い筈の背筋が凍り付く様な感覚。?はただにこやかに笑って話しているだけの筈なのに、最後に残った燃え滓のような存在すらも、吹き散らされてしまいそうな錯覚に陥る。


『あぁ、ごめんね。決して君に他意が在るわけでは無いんだよ。ただ余りにも迂闊な当時の??の行った事に関して、私は未だに怒りを覚えていてね。つい高ぶってしまった、いやはや?とは言っても己の感情すら御せないとは、恥ずかしい限りだ。』


?は、そう言って苦笑を漏らす。もう先程までのような寒気は感じない。


『話が逸れてしまったね。つまり君の願いに関しても出来ないことではない、と言う事、まぁ幾つかの制限はこちらで掛けさせて貰うことになるけどね。』


それなら、と思いを口にする前に?が口を開く。


『ただし、それにはそれ相応の対価が必要となる。』


対価か…最早払えるものなんて何も残っていないと言うのに、この?はまた難しいことを…と言うか、分かってて言っているとしたなら、なお質が悪いな。


『あははは、ごめんね。一応決まりは決まりだからさ。』


まったく悪びれず言い切る辺りも確信犯か、はぁ願いを口にした分際で、文句を言うのが筋違いなのは分かっているが、期待してただけに残念ではある。


『まぁまぁ、そう落ち込まないの。』


誰のせいだ、誰の。


『良いのかなぁ?そんなこと言ってて?実はこれにも裏道があるんだよ?あー教えてあげようかと思ってたのになぁ。』


嘘ですごめんなさい何でもするんで教えて下さいお願いします。


『ん?今何でもするって言った?』


あ…


『まぁそれは冗談として、一応教えてあげるよ。君にはここに来た時点でそれを知る権利もあるからね。』


良かった…不用意な一言で一体どんな理不尽な目に合わされるのかと…


『君は一体僕をなんだと……』


あ、ヤバイかな。もしかして機嫌を損ねちゃったか…?


『はぁ、まぁ良いけどさ』


そう言って?は襟を正し改めてこちらへと向きなおり口を開く。


『試練と言うものは知っているかい?』

予想外に長くなったので2分割予定

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