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0051話

…はぁ…突然神様と名乗る声が聞こえてきた、と思ったら何かお祝いされるし。世の中何が起こるか分かんないもんだなぁ…。


「ほれ、集中が乱れておるぞ」


ゴツンと頭部(のあたり)に衝撃が走る。


『痛っ!何すんの!?』


「ほう、出来たではないか。叩いた衝撃で繋げられるとは…面白いやつじゃな」


俺を叩いた(?)と思われる棒きれを片手にお腹を抱えて笑い転げるアン。…いや、確かに全然教えてもらったことが出来なくて、無駄なことに思考を割いてたのは悪いと思うけどさ…何も叩かんでも…。しかもゴツンて何よ、ゴツンて…そんなひょろひょろの棒きれが出して良い音じゃなかったぞ…。


あの神を名乗る声が聞こえなくなってから、あの声の主に言われた通り、アンにお願いして“念話”とやらの使い方を教えて貰っていた。ただ、どうにも難しくて思考が逸れていた事は事実なので叩かれるのも仕方無い…のかな…?


「ふぅ…しかし、お主は物覚えが悪いのぅ…。エリはすぐに会得したと言うのに」


『…そう言われると弱いんだが…こちとら生後数時間だぞ、少しは多目に見てくれ…』


やや不満そうなアンに苦笑ぎみに応えると何とも言えない顔をされる。…しかし…よし、感覚は覚えた。これならいつでも使えるな。


「まぁ、良かろ。で、お主はこれからどうするんじゃ?」


『どうする、とは?』


「体を得た以上、この先オロスに引っ張られる事ももう無い。お主は最早自由じゃ、故にこの先どうするつもりなのか、と思っての」


『それは―――』


全く考えていなかった。正直、あの二人のやり取りを見ているのは嫌いでは無かった…いや、楽しかった。それにアンが以前言った通りなら、暫くは一緒に行動せざるを得なかった筈だ。それが、アンの粋(?)な計らいにより、こうして体を得る事が出来た為、そうする必要性が無くなってしまったのだ。


…俺は…どうしたいんだろう…?


「まぁ、急いで考える必要はあるまい、お主はシャドウ…影じゃ。なんならオロス達の影に潜み、こっそり着いていく事も可能じゃろうて」


『何それ、俺ってそんな事も出来るの!?』


「出来る、シャドウとは影に潜み、相手に覚らせぬままその首を刈り取るとも言われる潜伏、隠密性に長けた種族じゃ。たかが旅の道程を供にする程度造作も無かろうて」


おお!シャドウすげぇ!何か、見た目は真っ黒でアレだけどそんな事が出来るなんて!


早速とばかりに、広間にある照明のすぐ近くまで移動しその影に入りたい、と意識する。すると、途端に視界が暗闇に閉ざされる。


『あれ?なぁ、何か真っ暗何だけど…これで出来てるのか?』


「うむ、出来ておる。真っ暗なのは影の中におるからじゃろう、念話の時と同じように周囲の魔素と視界を同調させてみよ、それで外の景色も見える筈じゃ」


『…わ、分かった』


言われるがまま、念話の時の感覚を思いだし“思考”ではなく“視界”を繋げていく。すると、広間の様子が見えるようになった。


『よし、今度はすぐに出来た。…でもこれ…何か気持ち悪いぞ…』


そう、ただ見えるようになった、のではなく見え過ぎているのだ。360°全周囲が一度に見えている、正直今までと違いすぎて頭がこんがらがりそうだ。


「そのうち慣れるであろうよ」


『うぅ…はい』


「うむ、では行くぞ。一旦そこから出て儂の影に入れ、そろそろエリが腹を空かせている頃じゃろうからな」


そう言って、広間を出ていこうとするアンに着いてその影に入り込む。


―――うぇ…何か吐くもの何て無いのに、今にも吐きそう…

いつもお読み頂き有難う御座います。


それと、タイトル下部のリンクから作者のユーザーページに飛べるように変更しました……長らく気づけず申し訳ない…。


え?最初から気にしてない?デスヨネー…。

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