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47話 sideアン

遅れて申し訳ない…

―――――――――――――――


オロスに稽古モドキをつけた後、起き抜けにエリが外に出てきた事に焦り水場へと慌ててオロスを叩き込みその場を逃げるようにして地下室奥の隔離部屋へと向けて歩いていた。


(しかし…突然放り込んで来てしまったが、大丈夫じゃったろうか?…まぁ浅い所を選んだし平気とは思うんじゃが…)


先程は意識をオロスに向けていた為にエリの行動が把握できておらず、起きたのは分かっていたが。まさか起き抜けに外に出てくるとは思わず、焦ってあんな行動をしてしまったが、流石にやり過ぎたのではないか、と心配になる。


が、次の瞬間には“どうせあの程度では死なない”と思い直し開き直る事にした。


それよりも考えるべきは別にある。


(…あの最後の踏み込みの瞬間、あやつは確かに魔術を発動させていた。)


別にそれ自体は驚くべき事でもない。低位の魔物であっても、魔物と言うものは産まれつき魔素を取り込んでいる為その扱いに長けている者が多い。故に意識的にで無いにせよ魔術として行使できる個体も少なくは無い。


(しかし、あれは…)


あの時の事を思い浮かべる。



―――――――――――――――




稽古モドキも佳境となった時家の中で魔術の行使がされた事に気がつき正面に居たオロスから一瞬視線を離す。


「そろそろじゃな」


恐らくエリが起きたのだろう。昨日の内に家の中にある照明魔術具の起動方法を教えていた為すぐにそれは分かった。故にこの稽古モドキを終えるためそんな言葉を思わず呟いたのだが…


オロスにその声は届いていなかったようだ。


ダンッ!と強烈な踏み込み音と共に拳を突き出す寸前のオロスが居た。


(やれやれ…まさか声が届いてなかったかの…。)


どうやら疲労を考えずひたすら攻めさせた結果、こちらの声が届かぬほどには意識が朦朧としてしまっているらしい。


(少し卑怯じゃが…仕方あるまい)


意識を集中する。それだけで今にもこちらに届こうか、としていた拳が止まる。勿論本当に止まってしまった訳ではない。


飽くまで此方の思考を加速させた為に止まって見えるだけだ。


凍りついた時間の中、より正確にオロスの状態を確認するため通常とは違う“龍の目”を通してその体を見ていく。


(…ふむ、無意識ではあるが周囲の魔素を取り込み身体強化はできておるな。)


体内の魔素の流れから身体強化の魔術を発動できている事を察する。まだまだ練り込みも甘いし、強化自体も通常より多少筋力等が強化される程度の大した物では無いが、1度出来たのなら次からはもう少しまともに使えるようになってくるだろう。


これが出来るようになれば、二人の旅も少しは楽な物になるだろう。それを思えばこうして心を鬼にして稽古(?)をつけた甲斐もある、と言うものだ。


(…ん?これは…!?)


不慣れが故に無駄になるかと思っていた稽古(?)だったが、思わぬ成果に内心安堵していた時、それを見つける。


身体強化とは別の魔素の流れ、通常ではありえない動きをしている事から何らかの魔術が発動していると思われる。が、その正体が分からない。


見たことも無い魔素の動き、そしてその効果が分からない。


(これは…危険やも知れぬな…なれば…!)


どんな物か観察しようか、とも考えたが未知の物をそのまま、と言うのも危険と考え、謎の魔術を消し去る事を優先する。


右腕を解放し、オロスの額から直接干渉し体内の魔素を乱す。その時、少し多目に力を加えた反動でオロスが尻餅を着いてしまったが…まぁ許容範囲内と考え無視する。


荒い息を吐くオロスを再び“龍の目”で確認するが身体強化も謎の魔術も共に消え失せている。が、特に異常は見られない。


ただ、無理矢理術を解いた影響か上手く体に力が入らないのか、倒れ伏したまま立ち上がらない。まぁ、この辺りは軽く癒しを与えてやれば大丈夫、と集中していた意識を戻す。




―――――――――――――――




(そこで、エリが出てきたのに気付いて慌てて放り込んだんじゃったな…しかし、あれは何だったのやら…)


歩みを止めず、回想に浸っていた意識だけを現実に切り替える。


今思えばあのままにしておいても、然したる問題は無かった。とは思う。何故、あの時の自分は慌ててあれを打ち消しに行ったのか今思うと少し不思議だ。


まぁ、分からないものはいくら考えた所で分からないのだ。ならばもっと別の事に目を向けよう。


そして、アンは隔離部屋へとたどり着く。


足下には発行する魔方陣(・・・)、そしてその中央にあるモノへと語りかける。


「さて、そろそろ目覚めの時間じゃが。気分はどうじゃ?」



いつもお読み頂き有難う御座います。


タイトル修正:sideエリ → sideアン

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