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閑話005


―――――――――――――――


高速を降り目的地周辺での休憩も終え、今後の行動について話し合う。


「さて、で?着いたわけだけどこれからどうするよ?」


現在地は、高速を降りて直ぐに目に入ったコンビニの駐車場その車内である。


後ろをバックミラーで確認しつつ確かめる。


「お、お任せで…。」


「やっぱ温泉か海だろ!」


「いや、確かに定番だけどな。けどホテルにも確か温泉は有ったと思うが良いのか?」


「馬鹿だな、お前。温泉は何度入っても良いから温泉なんだろ?それに、入る場所によって見える景色とかも色々と違うだろうしな。」


友人の言葉に思わず成る程、と相づちを打つ。確かに温泉はどこで何回入っても、入る場所や時間によってまったく違うものとなる。


しかし、だ。


「でも海はなぁ…。水着とか用意してないぞ?」


「別に入らなくても良いだろ、俺海嫌いだし。」


「なら何故言ったし…。まぁ、ホテルもまだ先だし海沿いを走っていって、温泉を探しつつ面白そうな所を適当に巡る感じにしますかね。」


「よし、じゃあ決まりだな!いざ行かん、海岸線沿い温泉巡りの旅!」


「「おー!」」


―――――――――――――――


それから海岸線沿いの道をひた走り、ホテル方面に走りつつも、途中にある温泉を地元民に聞いたりしながら旅行を堪能した。


まぁ、大体源泉を牽いている宿のお風呂だけを楽しむと言う形になったのは少々残念だったが、それでもあの景色を眺めながらの温泉と言うのは何とも言えない気分にさせてくれる。


その後はホテルへ到着、部屋割り等でまた一悶着有ったがその日は無事旅行を満喫することができた。まぁ、折角多人数で旅行しているのに泊まった部屋に一人きり、と言うのは少々寂しいものがあった…とだけ言っておこう。


そして迎えた翌日。


早朝から、まるで小学生のような理論を展開する友人に叩き起こされ、早々に朝食とチェックアウトを済ませると、愛車に乗り込み出発。


前日にホテルのロビースタッフから聞いておいた観光名所を幾つか巡り、昼食を済ませてから帰宅する流れとなった。


流石に大型連休を外れていた事もあり、どこも人の数はまばらだったがそこは観光都市。飽きることも無く、何処へ行っても圧倒されっぱなしだった。


そして現在、帰宅途中の高速道路を走る車内にて。


「いやー…。お疲れ様、これで俺が明日仕事じゃなければもう1泊しても良かったな。」


「まぁ、そこはしょうがないだろ。俺とエリちゃんは明後日から仕事だけど、変に旅行疲れ残して仕事出るわけにもいかんしな。」


「おい、その場合俺はどうするんだよ…。」


「あはははは。本当に二人とも仲が良いね。」


色々な楽しみを共有した事で、出発当初の変な空気は微塵も感じられないほど打ち解けていた。


(しかし、最初はどうなることかと思ったけど…。終わってみればかなり楽しい旅行になったな…。流石にあいつも気を使ったのか、そこまで積極的に二人でイチャイチャとかはしてなかったし。)


朗らかな空気に包まれた車内にて、そんな風に1人今回の旅行を振り替える。後ろでは、流石に疲れが出たのか二人とも少々うつらうつらと今にも船を漕いでしまいそうな姿がバックミラー越しに見える。


「眠かったら二人とも寝てて良いぞ?駅に着いたら起こすし。」


「いや、それは悪いよ…。」


「おっ、じゃあ頼んだ!」


「良いよ、良いよ。それよりお前も少しは遠慮し…。」


「くー…。」


そんな俺の言葉に遠慮を見せる彼女さんと、対照的に返事だけ返すとそのまま目を閉じてあっという間に寝息を立て始める彼氏…。お前はもう少し遠慮と言うものを覚えろよ…。


「はぁ…。」


「あ、あはははは…。なんかごめんね?」


「いいよ、もう慣れてるし…。」


思わずため息とともに苦笑が漏れてしまう。


「それより、藤嶋さんもあんまり俺の事で気遣わなくて良いんだからね?」


「んー…大丈夫。少し吉良君に聞いてみたい事とかもあるし。」


「あっ、何?そいつの事?良いよー無駄に付き合いだけは長いからね、ある事無い事一杯教えてあげるよ。」


そう、こいつとの付き合いも小学校以来ずっと続いている物だ、故にお互い恥ずかしい体験談なども色々と知っている。


(いっその事、今回の罰としてそういった恥ずかしい体験談を彼女さんに教えてしまう、と言うのも手だろうか?あんまりやり過ぎると後で仕返しが怖いからあれだが…一つ二つなら問題ないだろ。)


あまりに友人の行動が遠慮と言うものから離れすぎていたため、そんな悪戯心が刺激された結果30分ほど、寝ている彼氏の恥ずかしい過去を幾つか彼女に教えていた。


その間も彼女は迷惑そうな顔を一度も見せること無く、終始笑みを浮かべ、時には二人して声をあげて笑ったりもした。


(やっぱり良い子だな…。ったく…独り身には少し辛いよ…。)


そんな会話中も、時折彼が動く度にそちらを見て目を細くして嬉しそうな顔を浮かべる彼女。そんな態度は学生時代から続く彼女募集中の身としては眩しく映るもので…。


(けっ…!別れろ、とまでは言わんが…軽く爆ぜてくれないかな…。)


等と考えてしまう自分が少々嫌になる。


そして、日も暮れ始めた頃、トンネル内に入った所でその事件は起きる。



―――――――――――――――







いつもお読み頂き有難う御座います。


ここで終わる予定でしたが、予定より長くなったので二分割。


続きは(できれば)今日中に投稿いたします。

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