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0034話

「さて、じゃあ飯も食べ終わったし、さっきまでの続きをお願いしても良いか?」


「ずずっ…。ふむ、まぁ良かろ。ただ、先程までのように教えられることも限られておるでな、そこは許せ。」


「いや、そこに関しては気にしてない。と言うよりもタダで教えてもらってるんだ、これ以上贅沢は言えん。」


食休みも終わり、各々がゆっくりとしだした所でオロスが先程の続きを促す。


「それなら良いがの。で?他に聞きたいことはなんじゃ?」


「それなら…“魔素“について教えてもらえるか?」


「ふむ…“魔素”についてか…。」


それだけ呟くとアンは暫く考え込んでしまう。その様子にオロスが若干取り乱しそうになっていたが、アンの返答を静かに待つ事にしたようだ。


そうして、アンは暫く考え込んだ後、顔を上げて話始める。


「“魔素”については、儂が理解している範囲でしか教えることは出来ん。あまりに分かっている事が少なすぎるのでな。故に、今から教えることが正しいのかは、儂ですら分かっておらん。そんな曖昧な知識じゃが、それでも良いかの?」


「あぁ、分かっている事が少ないなら、尚更知っている範囲だけでも教えてもらえると助かる。」


「うむ。では先ず“魔素”についての共通認識から話そう。“魔素”とは大気中に含まれる微量の粒子の事じゃ。そして、これを吸い込んだ一定の生物を変化させたり、特定の因子を持つ知性体の意思に応じてその組成を変化する、と言う特性を持つ。」


「?」


「まぁ、分かりやすい言葉で言うなら。前者は魔獣や魔物と言った生物の発生、変化。後者を魔法等と言うがの。まぁ、様はそう言った事象を起こす為の触媒、と言ったところかの。」


「様は魔法とかを起こす為の万能元素って事?」


「まぁ、概ねそんな認識で良いじゃろ。」


エリの確認に笑みを浮かべ、アンが頷きを返す。


…不思議な事を起こす為の万能元素が“魔素”であって。その一方で魔物や魔獣の発生原因でもある、と。


「ただ、何故そんな事が可能なのか、またどういった原理で大気中に溶け世界中に拡散しているのか、と言うのは儂らですら分からん。もしかしたら、各地に住む精霊ならばもう少し詳しく分かるやも知れんの。」


「なるほど?で、その精霊って言うのは何だ?」


「精霊と言うのはこの世界の意思、みたいなものじゃ。」


「世界の…意思?」


「うむ、自然界の意志が表出した姿、と言うのが正しいのかも知れんがな。森や湖、海や山など永い年月を重ねたものがその周囲にある魔素を取り込み、その姿を写し出したものが精霊じゃ。儂ら“龍種”に最も近く、そして最も遠い存在とも言えるの。」


「聞いておいてあれなんだが…さっぱり分からなくなってきたな…。」


「何よ、簡単でしょ?様は永い時を過ごしている自然物が魔素を取り込んで現出したのが精霊だ、って言ってるんだから。」


「んん?…分かったような…分からないような…。」


「「はぁ…。」」


オロスの判然としない返事に二人が大きくため息を吐く。


…いや、何か凄い話になってる気がするなぁ…。

いつもお読み頂き有難う御座います。


説明回は今回で終了です。


一応次回から次に話が進む…予定です。


はい、あくまで予定なのであしからず…

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