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0031話

ちょい短め

お茶を淹れに行ったアンを待つこと数分。湯気を上げるカップを盆に載せ、アンが部屋に入ってくる。


「うむ、待たせたの。」


アンは、そう言いながらお茶を二人と自分の前に置き、二人が居る対面に座る。


「さて、ここの洞窟とその位置についてじゃったかの?」


「あぁ、よろしく頼む。」


「ふむ、と言っても大した事は無いんじゃがの。地図の方は確認したか?」


机の上に広がる地図を見て二人に確認するアン。


「あぁ、見るのは見たが…。」


「えぇ、確かに見たんだけどね…?」


「ん?なんじゃ、二人とも歯切れが悪いのぅ…。何か問題でもあったか?」


二人が言うべきか言わざるべきか、と迷いながら返答するなか、そんな二人の様子に怪訝そうに眉をしかめるアン。


「いや、持ってきてもらった地図何だがな…。地図ってこれしかないのか?」


「ふむ、そう言うことか…。残念ながら地図と呼べる物はこれだけじゃ。考えても見よ、こんな穴蔵の中にまともな地図などある方が可笑しいじゃろうに。」


「それも…そう…だな…。」


言いづらそうに理由を告げるオロスに対して、やや苦笑気味に答えるアン。


…まぁ、確かにこんな洞窟に家があることから非常識だったけど、そんなところに地図がある、と言うのもおかしな話しか。


「それにじゃ、よく考えてもみよ。儂は“龍”ぞ?こんな変わった場所を(ねぐら)にしとるが、それでも地図なぞ儂には不必要な物じゃ、こんなものでも有るだけマシじゃと思うておけ。」


冗談交じりにそう告げるアンに、二人の顔にも笑顔が浮かぶ。


「さて、では先ずこの洞窟のことじゃったか。と言ってもこの洞窟自体は何の変哲も無い只の洞窟じゃ。故に説明は省くぞ?」


そう言うと机に身を乗りだし地図の東側、大小7つの国が纏まってるその中心辺りを指す。


「大体この辺りがこの洞窟のある場所じゃ。この辺りは年中霧に包まれた森の中にあっての。どの国も開発に乗り出そうとはせん。…故にここを塒にしておったんじゃがのぅ…。」


「ん?今何か言ったか?」


「いや、何でもない。」


アンの説明に聞き入り、地図を凝視していたオロスはアンの最後の呟きを聞き逃していたようだ。…もしかしてさっきの来客とやらに関係があるのかな?


「でじゃ、この近辺にある国と言うのが“エグレス王国”“ドネロ公国”そして“バルスト獣王国”の三国じゃ。」


地図の先程指した場所から指を北に移し、そこから半円を描き右回りに南へとずらしていき各国の名前を告げていくアン。


…何故か途中で顔をしかめた気がしたんだが…気のせいか?

いつもお読み頂き有難う御座います。

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