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0017話

…今、こちらに呼び掛けたのか?それとも唯の独り言か?


「何を言うておる、お主に話し掛けたに決まっておろうが。」


先程見られたような気がしたが、どうやら間違いないようだ。…しかし、二人には見えていなかったのになぜ貴方には見えているんだ?それに、こちらの考えていることが分かるのか?


「お主も質問が多いのぅ…。まぁ良かろう、ただ少し待て。このまま話しているとこやつらを起こしてしまいそうなのでな。」


そう言うと目を閉じ何やら集中しだすアン。そして頭の何処かに僅かな違和感。…ん?今のは…


『ほう…。自身にラインが接続された際の僅かな乱れを感じとるか、やはりお主も普通ではないのぅ。』


アンの口は動いていない、ただ頭の中に声だけが響く。…これも魔法なのか…?それにラインの接続?分からないことが益々増えていくな。


『まぁ、それも後で説明してやろう。それより、一旦ここを離れるとしよう。』


そう言って部屋を出ようとする少女。…いや、自分で動けないんだが…。


『…なんじゃと?面倒じゃのう…。はぁ…。暫し待て…。』


私の心の声が聞こえたのか、そう言って顔をしかめつつもこちらを振り返る少女。そして暫くすると少女の左手辺りの輪郭がぼやけ始める。


…今度は何をしているのだろう?


少し何をするのかワクワクしていると、少女はそのぼやけた左手をこちらに向ける。感じるたのは一瞬の浮遊感。…うおっ!?


『ふむ、これで良いじゃろ。そのまま大人しくしておれ。』


そう言って今度こそ部屋を後にする少女。それに合わせて私の視界も移っていく。…本当に移動できてるな、一体何をされたのか分からないが聞くのは恐い気もするな…。


そうして少女は階段を降りて行き、真っ暗な空間にたどり着く。


「もう少しそのまま待っておれよ。」


…パチンッ!と少女が指をならす。するとどういう仕組みか真っ暗な空間に明かりが灯る。


明かりの灯った空間、そこは研究室?だろうか?棚にはコルクで栓をされた瓶が並び中には色とりどりの液体が入っている。その他にもよく分からない固そうな甲羅のような物や、獣の牙の様なものから一部には凍り漬けになった臓器の様なものまで。…正直数が多過ぎて全く把握できない。一体なんなんだここは?


「ん?ここか?儂にも良く分からん。この家自体ただの借り物じゃしのう。」


…借り物なのか。良かった、何かの実験材料にでもされるかと思った。


「まぁお主を普通の人間が見られたら間違いなく研究材料にされてるだろうからの。そう思うのも仕方あるまい。」


…?今普通の人間が見られたら、って言ったのか?じゃあやっぱり普通の生き物には見えていない?


少女の発言に疑問が浮かぶ。


「まぁそうじゃの。お主は言うなれば魂そのものじゃ、それは普通の生き物では観測することができん。故に様々な思惑の者がお主を見たら研究したがるじゃろう。」


―――――――――――は?たましい?

いつもお読み頂き有難う御座います。

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