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DREAM_WORLDS  作者: 山口陽子
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プロローグ_BRAND_NEW_WORLDS

 人は生涯の約三分の一を眠って過ごします。人の寿命を仮に八十歳とすると、実に二十六年以上もの時間を睡眠に費やしている計算です。



 ところで、あなたたちは『夢』をご存知でしょうか。



 ……ふむふむ、「夢くらい知っている、馬鹿にするな!」と言いたげですね。



 『夢』とは、私たちの睡眠時、脳が記憶の整理を行う際に毎日見られる偶像のようなものです。



 ……え? 毎日夢なんて見ない? それは間違いです。私たちは毎日夢を見ていますが、覚えていないだけなのです。



 はい、これであなたたちが夢についてまだまだ理解不足だということがわかりましたね。



 ……ああ、気を悪くしたのなら申し訳ありません。では、もう少し話を続けさせてもらいます。



 『明晰夢』というのはご存知でしょうか。……ふむ、あまり反応が良くないですね。簡単に説明すると、『夢を夢と認識している夢』のことです。……ん? 余計にややこしくなってしまいましたか?



 例えばこんな感じです。



 あなたは夢を見ています。しかし残念なことに、あなたはそれを夢と気づいていません。例え目の前にハリウッドスターがいても、巨大で獰猛な肉食恐竜がいようと、頭上に隕石が降り注ごうとも、あなたは夢と気づくことはありません。



 ところが、ある拍子で「今、自分は夢を見ているんだ」と認識することがあります。そうなれば、あなたは夢の中で自分の意志で考え、行動することが可能になります。これが『明晰夢』です。



 個人差はありますが、明晰夢中では基本的に何でも思い通りになります。目の前に人を召喚したりだとか、ワープしてみたりだとか、巨大な岩を持ち上げたりだとか……。



 私も明晰夢は何度か見たことがあるのですが、せいぜい十階建てのマンションを飛び越えられる程度で、物を自由に生成したりは出来ませんでしたね。



 夢の中はあくまで偶像であり、そして空想なので、当然何をしたってお咎め無しの無法地帯です。あなたなら何をしますか? ヒーローのように空を飛びます? アニメキャラクターのようにエネルギー弾を放ちます!? それとも気になるあの子を…………。



 ……コホン、少しお喋りが過ぎましたね。



 ここで本題に入ります。私は冒頭で「人は生涯の約三分の一を睡眠に費やす」と述べました。私はこれを非常に勿体無いことだと思っているのです。



 二十六年、それすなわち精子と卵子が出逢い、そしてそれが一人前の大人になるほどの悠久の時間。この時間をただ単に眠って過ごすのは非常に勿体無い! しかし、睡眠は生命維持に必要不可欠。それならどうすればいいか? もうお分かりですよね。



 そう、常に明晰夢を見られるようなシステムがあれば、私たちの睡眠はもっと楽しく、もっと華やかに、そしてもっと有意義になるのです!



 そして遂に我々は創り出しました! 睡眠時脳波を解析して、使用者に思い通りの夢を見せる枕型装置、その名も『Digital Remote Electronic Analysis Method』、略して『DREAM』を!!



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