前編
どうも。M.O.I.F.四槻想介のほうです。
何とかホラー特集に滑り込めないかな~
と思いつつ、質は落とさないように全力でやります
いけるかな…
誰にでもある大切な人の死
認めたくないものだけどそれは必ずやってくる。
私の場合はそれが少し早くて、
受け入れがたかった。
だから、私は認めたくなかっただけなのかもしれない。
でも、これは本当の話。
遠くへ旅立っていった
私と弟の変わった絆。
中学校にあがる前の日、私の弟は死んだ。
道路に飛び出していった弟は、
私の目の前でトラックに体を引きずられ血を道路全体に撒き散らした
そんな凄惨な死に方だったものだから
残された者へのショックは酷いもので。
母はその場にいられなかった自分を呪い、
父は酒に逃げる様に溺れていった。
毎日毎日、夜になると家の静けさに弟がいない悲しみが重なり嘆く
朝になれば空のベッドを見て泣きわめく
そんな日がいつまでも続いた。
一月経って中学校の生活に私が慣れる様になった頃
私の腕にある変化が起きた
右腕の二の腕に痛みを覚えて起きると
そこにくっきりと歯形がついていた
私はそれが弟のしていた癖にそっくりだったので
少し弟を思い出して悲しくなった
でも、それが今ついたものとは思いもよらなかった
次の日から噛み痕は毎朝増えていった
小学校に上がってすぐだった弟は
私の腕を噛むのが好きだった
家に私がいるときはいつもベタベタとくっついてきては噛ませて噛ませてとせがんでいた
加減も判らず噛みついてくるものだからよく喧嘩になったものだ
私は腕についた赤い歯形を見て懐かしく思う
まだ一月なのに
懐かしく思う気持ちが込み上げてくるのが私のなかで弟が風化してる証拠の様に思えて少し嫌悪を覚える
私は腕についた噛み痕を撫でる
もう、喧嘩もできないけど
こんどは、ずっと一緒にいる気がした
私の家族は誰も信じてはくれなかった
母に見せると私が自分で噛んだといって悲しんだ
父に見せても怒鳴られるか、殴られるかなので言わなかった
だから私の弟は、私だけしか判らない弟
噛み痕で感じる二人の絆
それは私の弟を失ったという気持ちを消しさった