表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
噛み痕  作者: M.O.I.F.
1/5

前編

どうも。M.O.I.F.四槻想介のほうです。

何とかホラー特集に滑り込めないかな~

と思いつつ、質は落とさないように全力でやります

いけるかな…

誰にでもある大切な人の死

認めたくないものだけどそれは必ずやってくる。

私の場合はそれが少し早くて、

受け入れがたかった。

だから、私は認めたくなかっただけなのかもしれない。

でも、これは本当の話。

遠くへ旅立っていった

私と弟の変わった絆。




中学校にあがる前の日、私の弟は死んだ。

道路に飛び出していった弟は、

私の目の前でトラックに体を引きずられ血を道路全体に撒き散らした

そんな凄惨な死に方だったものだから

残された者へのショックは酷いもので。


母はその場にいられなかった自分を呪い、

父は酒に逃げる様に溺れていった。

毎日毎日、夜になると家の静けさに弟がいない悲しみが重なり嘆く

朝になれば空のベッドを見て泣きわめく

そんな日がいつまでも続いた。


一月経って中学校の生活に私が慣れる様になった頃

私の腕にある変化が起きた

右腕の二の腕に痛みを覚えて起きると

そこにくっきりと歯形がついていた

私はそれが弟のしていた癖にそっくりだったので

少し弟を思い出して悲しくなった

でも、それが今ついたものとは思いもよらなかった

次の日から噛み痕は毎朝増えていった


小学校に上がってすぐだった弟は

私の腕を噛むのが好きだった

家に私がいるときはいつもベタベタとくっついてきては噛ませて噛ませてとせがんでいた

加減も判らず噛みついてくるものだからよく喧嘩になったものだ

私は腕についた赤い歯形を見て懐かしく思う

まだ一月なのに

懐かしく思う気持ちが込み上げてくるのが私のなかで弟が風化してる証拠の様に思えて少し嫌悪を覚える


私は腕についた噛み痕を撫でる

もう、喧嘩もできないけど

こんどは、ずっと一緒にいる気がした


私の家族は誰も信じてはくれなかった

母に見せると私が自分で噛んだといって悲しんだ

父に見せても怒鳴られるか、殴られるかなので言わなかった

だから私の弟は、私だけしか判らない弟

噛み痕で感じる二人の絆

それは私の弟を失ったという気持ちを消しさった



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ